《シグナル・オブ・デッド》第3章 5話 『大統領』狩り

5人で音のした方に靜かに銃口マズルを構えていると、ソレが姿を現した。白骨化したミイラが、まるで人間かのようにいている

果萌「えっ…」

斗哉「み、ミイラが…」

乃亜「獨りでにいてる…」

魁人「何だありゃ…」

湊音「と、とにかく撃て!撃ちまくるんだ!」

パハァン!パハァン!パハァン!

ズダダダダ………

ドォン!ドォン!ドォン!

しかし、白骨は俺らの銃をともせずに、こちらに向かってきた

ミイラ「カラカラカラカラカラカラ…」

歯をカラカラと鳴らしざまに、拳を放ってくる。予想外の速さで、全員慌てて避けた

………と、その時。ミイラのきが一瞬止まる。そして、さっきの10倍程の音量で歯を鳴らした

カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ………

5人で耳を塞ぐ。気持ちが悪いったらありゃしない

カラカラカラカラカラカラ、カラカラ…カラカラ…

と、ミイラが歯を鳴らすのを止めた

湊音「何がしたかったんだ?」

乃亜「さあ………?」

5人で不思議がっていると、ミイラの後ろから音がした

ドォン!ドォン!、と立て続けに2回、重い音

魁人「ま、まさか………」

斗哉「その『まさか』だ………ロンカーンとワシントンの墓石が倒れてる…」

斗哉が青ざめた顔で言った

と、案の定

ゾンビ(ワシントン)「ヴヴゥ………」

ゾンビ(ロンカーン)「ガアァ!」

2のゾンビが襲いかかってきた

パハァン!パハァン!

ズダダダダ…

各々の銃で2を撃ち抜き、いとも簡単に倒した。しかし………

ミイラ「カラカラカラカラ…」

ミイラには依然、傷1つ付いてない

湊音「くそっ…どうすれば…」 

各々の銃を構え、思考を巡らせていると…

果萌「ねえ、あの…よく見て」

果萌が言った。ミイラをよくよく見ると、細かなキズが無數に付いている

斗哉「え…まさか、普通に銃が効いてる?」

魁人「いや、でも銃だけだったら間に合わなそうだ。何かないか…」

と、辺りを見回す魁人。そして、魁人の目がある墓棚で止まった

魁人「ん?『Hiroya Kagitani』…『鉤谷弘也』…かつてローガンに仕えた日本人書か。たしか、鉤谷氏の他にも日本人職員が居たはず…日本人の墓…日本人の墓…日本人…お清め…塩………あ!」

湊音「ん?」

乃亜「何か思いついたの?」

斗哉「なんだ?」

果萌「どしたの?」

魁人以外4人の頭に「?」が浮かぶ

魁人「細かなキズが付いた骨。骨の主分はカルシウムだろ?言わば、今の奴の表面は純粋カルシウムそのものだ。『カルシウム』に『塩』を足せば、化學反応が起きて『塩酸』と『酸化ナトリウム』に分離する。塩酸は、あらゆるを溶かすとてつもない酸質で『危険』に分類される。だけど、酸化ナトリウムが同時に発生するからそれで中和される。よし!」

魁人が1人でブツブツ言った後、他の4人に言った

魁人「みんな!日本人の墓を見つけて、墓棚から塩を頂戴しろ!そんで奴にかけるんだ!」

俺達4人は訳が分からず、言われた通りに行した

パラパラパラパラ…

と、5人で奴に向かって塩を振り掛けると

シュウウゥゥゥ………

ミイラ「カラカラ…カラカラカラカラ…カラ…」

ミイラは力弱く歯を鳴らしながら、溶けて無くなった

湊音「やった!」

乃亜「魁人、流石理系〜」

斗哉「やったな!」

果萌「よかったぁ…」

魁人「ふぅ…(実は、當て勘で化學式組んで言っただけなんだけどね。よかった、合ってたみたいで)」

魁人の心のなど知らず、全員で喜んで一安心した。と、その時

ピーピッピッピー…

5人の小型通信機が聲を上げた

ピッと、乃亜が通信をけ取る

デッドプリンセス「みんな、大丈夫!?異常な活指數を観測したから、連絡したわ」

斗哉「大丈夫だぜ。もう片付けたよ」

斗哉が代表して言った

デッドプリンセス「よかったわ。じゃあ、また北北東に進んでちょうだい。トルメールの施設まで、あとしよ」

湊音「わかった。ありがとう」

俺が通信を切った

魁人「よし、行こうぜ」

5人で頷き、歩を進めた

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