《シグナル・オブ・デッド》第3章 10話 ウェスキンスとの対峙

またもや英語表記を頼りに進んでいくと、今度は明るい一角に出た。木の扉には、「Boss's Private」の文字

斗哉「『Boss's Private』…とうとうだ。『ボスの私室』だぞ」

斗哉が希を帯びた聲で言った

魁人「『私室』か…」

湊音「よし、開けるぞ…」

他の4人が頷くのを確認して、キィ…と、扉を開ける。すると、20畳程だろうか。比較的大きな部屋に出た。そして、その奧の機に俺達に背を向けて佇む回転椅子が1つあった。バタン、と魁人が扉を閉めると椅子がクルッとこちらを振り向く。30代くらいだろうか?サングラスを掛けた、金短髪の男がこちらを堂々と見據えていた。間違いない、ノーグス・ウェスキンスだ

ウェスキンス「Who are you? There should be no survivors in this country…」

ウェスキンスが落ち著いた口調で俺達に聞いた。すると、斗哉が

斗哉「We are saviors. 

We came here to 

kill you.And before that, there is one thing I want to ask you.  What is your purpose?」

お得意の英語で返してフフンと鼻を鳴らした。すると、ウェスキンスは

ウェスキンス「My purpose?  It ’s so simple.  I'll rule them with zombies all over the world except me.  The purpose is to make the earth mine.

Then your opponent today isn't me」

と、言い終わるや否や口元を緩めて、指をパチン!と1回鳴らした

魁人「な、なんだ?」

乃亜「斗哉、アイツなんて言ってたの?」

斗哉「『お前の目的は何だ?』って聞いたら、『自分以外の人間を全部ゾンビにして、そいつらを支配することだ』だとよ。それから、『1つ言っておくが、生きては返さないぞ。それと、今日のお前らの相手は俺ではない』だってさ…」

湊音「『今日のお前らの相手』…だと?」

5人で戸っていると、ウェスキンスは俺らに背を向けて奧の扉の方へ歩き出した。すかさず斗哉が

斗哉「Hey!Freeze!」

『止まれ!』だろうか?そうウェスキンスにびながら、斗哉が奴の背にM4(アサルトライフル)を向けた。が、次の瞬間

ズドーン!と、大きな音を立てて俺達から向かって右側の部屋の壁が崩れた。現れたのは…

?「ヴヴヴゥゥ…キュルアァーーー!」

魁人「な!?」

湊音「何だ、こいつ…」

すると、果萌がソレの名前を口にした

果萌「バイパー…何で、こんな研究所に…」

斗哉「『バイパー』?何だそれ」

果萌「このゾンビの種類よ。けど、バイパーは19世紀後半にアフリカの研究施設での生実験を失敗に終えて、存在しないはず…」

乃亜「ねえ…これは?」

と、乃亜が足元に落ちていた何かの報告書らしき紙ペラを拾い上げた。斗哉が急いで目を通す

斗哉「そ、そんなバカな…」

湊音「何が書いてある?」

斗哉「『実験功報告…1829年にアフリカのアヴァカードゥ化學研究所にて失敗に終わった巨大人口怪、バイパーの生功した事を報告する。2018年5月24日、アメリカ合衆國・ヘノンペン州アルバートン化學研究所所長、トーマス・アルバートン』…だと…!?」

斗哉が目を見張って、報告書の翻訳を言った

魁人「せ、生功した!?このバケモノの!?」

湊音「まあ、できちまったからにはウダウダ言ってたってしょうがない。殺るぞ」

俺がみんなに戦闘準備を呼びかける

斗哉「おう…」

果萌「分かった」

魁人「しゃあねぇな…」

乃亜「いつでもいいよ」

バイパー「グルルアァァァーーー!」

俺らの殺気をじ取ってか、バイパーが雄びと共に向かってきた

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