《複垢調査 飛騨亜禮》ハッキング~『作家でたまごごはん』の一番長い日 前編~
「何が起こってるの?」
坂本マリアが珍しく晝ごろに重役出勤をしてきたら、<作家でたまごごはん>の事務所では大事件が発生していた。
事務所はいつになく喧騒に包まれていて、派遣+アルバイトスタッフ21名がパソコンの前で必死にキーボードを叩いている。
何故か、事務所の電話も鳴りっぱなしで、スタッフが対応に追われている。
「ユーザーアカウントが次々と乗っ取られて、書かれた小説がどんどん削除されてるんです」
メガネ君がキーボードを叩きながらマリアに告げた。
額から汗が流れ落ちている。
「どうもウィルスプログラムらしくて、ユーザーがログインしたとたん、IDとPASSを抜かれているらしいです。それが引き金になって小説削除ががはじまるプログラムです。僕もユーザーのツイッターを夜中にチェックしていて気づいたんですが」
チャラ夫は空気は読めないが、プログラムは読める優秀なプログラマーだった。
長髪が黒いが、夜中に急出勤したためか染める暇がなかったようだ。
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「はい、ドーナッツとアイスコーヒーです」
織田めぐみも今日ばかりはミルクコーヒーをれる余裕がない。
大量の袋を両手に抱え、コンビニから食料を調達する補給部隊に徹していた。
今日も、もちろん、かわいい。
「対策はどうなってるの?」
マリアの聲が大きくなる。
「サイトのトップページにユーザーにログインしないように警告文を表示しています。今、ツイッター、ブログなどにログインしないように一斉メールを送ってますが、更新頻度が高いユーザーはつい習慣でログインしてしまうようです。サイトと公式ツイッターに阿鼻喚の苦メッセージ、リツイートが殺到しています。全スタッフで対応中です。プログラマー軍団は何とかウィルスプログラムの解析とブロックに取り組んでいます」
メガネ君が報告する。
「プログラマー軍団にそんなスキルがあるの?」
マリアは驚いた。
「いや、サブチャンネルのサーバーメンテナンス部隊をごっそり僕が引き抜いていたんです。結構、こういうトラブル対処は慣れてますよ。しかし、これはかなり高度なハッキングスキルの持ち主らしく、<作家でたまごごはん>のデータの1/3がすでに喰われています」
「なんてことなの! データのバックアップはないの?」
マリアは頭を抱えている。
「自己責任でデータの保存を行うことになってますから、データのバックアップはサイトシステムにはありますが、果たしてサーバーにログが殘ってるかどうかは怪しいです」
メガネ君は絶的な気持ちになった。
<作家でたまごごはん>の財産は、膨大なユーザーの小説データである。
システムは再構築できても、ユーザーの汗と涙の結晶でである小説データが消えてしまえば、それを復元することはできないし、おそらく、ショックをけたユーザーは大量にサイトを離れてしまうだろう。
たぶん、最近、上場して小説掲載システムを整備した『ネット小説出版社』である<メガロポリス>あたりに引っ越してしまうと思われる。
「大丈夫よ。バックアップはあると飛騨君が言ってたわ」
その時、変なピンクのサイバーグラスをしたが現れた。
「え? あなた、誰?」
マリアは目をぱちくりしている。
はサイバーグラスを外した。
「あーーーーー! 舞さん、神楽舞さんじゃない!」
<作家でたまごごはん>の神棚に飾られたふたりの影(?)と完全に一致している。
寫真より、実の方が數倍、人である。
マリアに匹敵するぐらいの人である。
そういえばスタッフが21名に増えていたのに気づいていたが、アルバイトの増員だと思っていた。
しかし、何よりマリアのことを人だと思っていた自分に驚くメガネ君であった。
(あとがき)
『複垢調査 飛騨亜禮』の恒例の突然、起こる事件シリーズがはじまりました(笑)
一応、2015年7月のアルファポリス第8回ミステリー小説大賞に參加してますので、謎解きれなきゃということで、初代仮面ライダーが帰ってきたような突然の初代運営の神楽舞の登場です。
アルファポリス第8回ミステリー小説大賞
http://www.alphapolis.co.jp/contPrize/
この第二章はあと3話ぐらいで終る予定です。
第三章は『ネット小説サイト三國志』ということで、ネット小説出版社<メガロポリス>と謎のIT企業が登場するシリーズを考えています。
ちなみに、投稿済み小説-管理ページ>小説報>小説のバックアップをとる、で小説のバックアップを取れるようになっています。
作者に捧げる、なろうシステム解説 作者:ryosui
小説の作法適用と全文バックアップ
http://ncode.syosetu.com/n5156bx/
【書籍化】薬で幼くなったおかげで冷酷公爵様に拾われました―捨てられ聖女は錬金術師に戻ります―
【8月10日二巻発売!】 私、リズは聖女の役職についていた。 ある日、精霊に愛される聖女として、隣國に駆け落ちしたはずの異母妹アリアが戻ってきたせいで、私は追放、そして殺されそうになる。 魔王の秘薬で子供になり、別人のフリをして隣國へ逃げ込んだけど……。 拾ってくれたのが、冷酷公爵と呼ばれるディアーシュ様だった。 大人だとバレたら殺される! と怯えていた私に周囲の人は優しくしてくれる。 そんな中、この隣國で恐ろしいことが起っていると知った。 なんとアリアが「精霊がこの國からいなくなればいい」と言ったせいで、魔法まで使いにくくなっていたのだ。 私は恩返しのため、錬金術師に戻って公爵様達を助けようと思います。
8 73[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者少女を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!
ホビージャパン様より書籍化することになりました。 書籍化作業にあたりタイトルを変更することになりました。 3月1日にhj文庫より発売されます。 —————— 「俺は冒険者なんてさっさと辭めたいんだ。最初の約束どおり、俺は辭めるぞ」 「そんなこと言わないでください。後少し……後少しだけで良いですから、お願いします! 私たちを捨てないでください!」 「人聞きの悪いこと言ってんじゃねえよ! 俺は辭めるからな!」 「……でも実際のところ、チームリーダーの許可がないと抜けられませんよね? 絶対に許可なんてしませんから」 「くそっ! さっさと俺を解雇しろ! このクソ勇者!」 今より少し先の未來。エネルギー資源の枯渇をどうにかしようとある実験をしていた國があった。 だがその実験は失敗し、だがある意味では成功した。當初の目的どおり新たなエネルギーを見つけることに成功したのだ──望んだ形ではなかったが。 実験の失敗の結果、地球は異世界と繋がった。 異世界と繋がったことで魔力というエネルギーと出會うことができたが、代わりにその異世界と繋がった場所からモンスターと呼ばれる化け物達が地球側へと侵攻し始めた。 それを食い止めるべく魔力を扱う才に目覚めた冒険者。主人公はそんな冒険者の一人であるが、冒険者の中でも最低位の才能しかないと判斷された者の一人だった。 そんな主人公が、冒険者を育てるための學校に通う少女達と同じチームを組むこととなり、嫌々ながらも協力していく。そんな物語。
8 59高校生男子による怪異探訪
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8 711分で読める物語
1分くらいで読めるショートストーリーを更新していきます! 時間というものはとても大切で有限です。あなたの貴重な一分ぜひこの作品に使ってみませんか?
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