《名探偵の推理日記零〜哀のブラッドジュエル〜》第1章 忠実なる我が子達 2
「調子はどうだ?ヒヤ?」
その問いかけに、ヒヤはキーボードを叩く手を止めた。
後ろを振り返ると、そこには両手にマグカップを持ったツツの姿があった。
「コーヒー淹れてきたんだけど、いるかな?」
そう言う彼の笑顔を見て、ヒヤはさっきまでの張を忘れ、顔を綻ばせた。
「ありがとう」
ヒヤはツツの左手からマグカップをけ取ると、コーヒーを舐めるようにすすった。
まろやかな舌りに、上品な甘さを備えたこれは、まさに私が求める最高のコーヒーだった。
この私好みのコーヒーを淹れる事ができるのは、この世でたった1人、ツツだけだった。
それほどに、ヒヤはツツをし、ツツもまたヒヤをしていた。
そんな2人のを表すかのようなこの甘酸っぱいコーヒーを再度口に運ぶと、ヒヤは機にマグカップをそっと置き、ツツに向かって両手を広げた。
「はいはい」
ツツもマグカップを機に置き、同じように両手を広げる。
そのまま2人は間を詰めると、お互いに抱きしめ合った。
「してる」
「僕もだよ」
特に意味はないが、彼のに自分のを著させる事で、何故だか安心した気持ちになれるのだ。
一頻り彼とのスキンシップを終えると、ヒヤはし頬を紅させ、デスクに向き直った。
「そういえばキミの作っているウイルスってどんな代なんだ?」
ツツがマグカップを片手に、ヒヤのパソコンのディスプレイを覗き込む。
「このウイルスは、ホテルのセキュリティーシステムに侵して、システムをこちら側で作できるようにするものなの」
「へぇ〜、恐ろしいもの作ってんだな」
ツツはコーヒーを一気に飲み干すと、マグカップをテーブルの上に置き、後ろのソファに深く腰をかけた。
「そんなこと言ったってカグツチ様の指示なんだからしょうがないじゃない」
笑ってそう言うと、ヒヤもマグカップを手に取り、殘りのコーヒーを一気に飲み干した。
深夜だと言うこともあり、集中力が落ちかけていたところだったので、このコーヒーには隨分と元気をもらえたような気がした。
「イワ達上手くやってるかしら?」
ふと頭をよぎった3人について、ヒヤはツツに問いかけてみた。
「大丈夫だろう。あいつらもその道ではプロだ。それに、こんな事でミスをしているようじゃ、今回の作戦にはついてこられないと思うしね」
とツツ。
「そうよね」
ヒヤは多の騒ぎを覚えながら、Enterキーを押した。
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