《名探偵の推理日記零〜哀のブラッドジュエル〜》第4章 クラスメイトのお嬢様 1
「どう?びっくりした?」
琴は驚いた表を浮かべている2人にらかな笑みをむけた。
「よかった。もしかしたら怪盜クロウが私たちを狙ってるんじゃないかなって……」
音の正が琴だと知った亜はほっとをで下ろす。
「そういえばお前どこにいたんだ?」
圭介が呆れた顔で琴に視線を向ける。
「どこって、私ずっとここにいたよ?」
琴が不思議そうに答える。
「えっ!?じゃあ私たちがここに來た時からずっと?」
亜が驚いて聞き返す。
「そうだよ。お父さんからこの部屋のカードキーを借りて、2人をびっくりさせようかなって」
と満面の笑みの琴。
「お嬢様のイタズラへの執念えげつねぇな」
圭介が2人には聞こえないような小聲でツッコむ。
そんな圭介を目に琴がを乗り出す。
「そんなことより2人とも展示室行ってきたんでしょ?どうだった?」
「うん。すごい綺麗だったね、あの寶石」
「違う違う。あの寶石の方じゃなくて……」
琴が顔の前で手を左右に振る。
「もしかしてあのレッドカーペットのことか?」
圭介が琴の言葉を遮るように聞く。
「そうそう。あれ変だったでしょ?」
「そういえば変だったね。なんていうか変に目立ったじだったよね」
「実はあれ怪盜クロウを捕まえる罠が仕掛けてあるんだよ」
琴が口を手に當て小聲で囁く。
「やっぱりそうだったのか」
圭介が顎を手でる。
「やっぱり圭介には分かってたんだ。さすが名探偵!!」
琴は指先だけで小さく拍手した。
「あぁ、おそらく落としでも仕掛けてあるんだろ?本當なら石畳とかだったんだろうけど、それだと重すぎてうまくかない可能があるからってことでレッドカーペットにしたってところだろうな」
「そ、そんなとこまで分かってたの!?」
あまりの名推理に琴はやや引き気味である。
「さすが怪盜クロウの好敵手だね」
亜が笑顔で圭介を賞賛する。
「そっか、じゃあロビーに行こう」
琴が殘念そうに肩を落とす。
「えっ?でももう30分しかないよ?」
亜が腕時計を瞥見する。
「2人に紹介したい人がいるの」
と琴。
「紹介したい人?」
圭介が聞き返す。
「そう。あのの寶石ブラッドジュエルを見つけた人。さっ!!早く行こ!!」
そう言い終わるが早いか、琴は亜の手を引いて部屋を出て行った。
「俺にも紹介したいって言ってたよな……?」
部屋に1人殘された圭介は、カードキーを手に取り、2人の後を追った。
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