《名探偵の推理日記零〜哀のブラッドジュエル〜》第4章 クラスメイトのお嬢様 2

部屋を出ると、扉のすぐ橫でエレベーターを待っている2人を見つけた。

「ったく、急に飛び出していくなよ」

圭介は鳥羽に先に行くという趣旨の連絡をれると、冷めた目をスマホから2人に移した。

「いいじゃん、いいじゃん!せっかくうちのホテルに泊まれるんだからもっと楽しまないと」

さっきの殘念そうな表はどこへやら。またいつもの笑顔で圭介に返す。

『チーン』

音が鳴ると、エレベーターが扉を開けた。

琴は開いた扉から真っ先に乗り込むと、作盤の1と書かれたボタンを押した。

押されたボタンはオレンジに淡くり、3人は浮遊に包まれた。

「で、どうなの?夏休みの圭介とのデートの予定は?」

琴が小聲で亜に問いかける。

圭介にももちろん聞こえていたが、あえて聞こえていない風を裝っていた。

圭介にとってその質問は気になるとものだったからである。

「そんなの無いに決まってるじゃん。そういうの興味ないし」

と亜

噓だ。頬をし赤らめているその表を見れば、心に疎い圭介にでも容易に本心を見抜くことができた。

「顔に噓だって書いてあるよ。本當は圭介のこと大好きなクセに」

琴がニヤニヤしながら亜を肘でつつく。

「いやいや、本當にそんなことないから」

口調はサバサバしていたが、頬の赤らみは顔全に広がっていた。

「へぇ、じゃああたし圭介にいい娘紹介しちゃおっかなぁ」

「だめ!圭介は事件で忙しくてなんてしてる暇ないんだから」

もう言っていることが滅茶苦茶な亜だが、圭介に好意があることを絶対に知られないように必死なのである。

『チーン』

エレベーターは再び音を鳴らし、扉を開けた。

1階のロビーには付の人間が數名と大理石の丸いローテーブルを囲んで談笑している3人の人間がいた。

琴は迷わずテーブルの前まで駆け寄ると、3人と何やら言葉をわしこちらに向き直った。

「紹介するね。こっちがクラスメイトの名張亜で、こっちが高校生探偵の松本圭介」

「はじめまして」

紹介された2人は軽く挨拶する。

「それで、こっちの3人が右から周防大吾さん、三井照之さん、藤島修斗さん」

「こちらこそよろしく」

3人はその場に立ち上がると、2人に笑顔を向けた。

「さっき言った寶石を見つけたって人が真ん中の三井照之さん。今回の件で赤澤財閥から多額のボーナスも貰っちゃってんだよね」

「そう言う言い方は良くないんじゃないの?僕は勉會長の指示通りにいただけなんだから」

黒でガタイのいいの三井は自慢のロングヘヤーをかき揚げ、琴に笑みを向けた。

「でもすごいよな。本當にあの伝説の寶石を発見しちまうんだから」

三井と同様に黒ではあるが、型がヒョロ長の周防は悔しそうに腕を組んだ。

「本當本當。お前があの寶石を見つけてなけりゃ、今頃俺はタワマン住まいだったんだろうな」

2人とは違い、メガネをかけた白の藤島も周防に同調する形で三井を睨んだ。

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