《名探偵の推理日記零〜哀のブラッドジュエル〜》第5章 生贄の檻 12

「じゃあ行ってくる」

このホテルに來て3度目の集會に向かうツツはし心配していた。

周防という人間を捕らえに部屋にった時、2人のガタイのいい人間がこちらをものすごい形相で睨んでいた。

ツツ自も空手を得意としているが、正直2人相手には歯が立たないだろう。

そんなことを考えていると、またいつもの扉の前に行きつき、ツツはドアノブに手をかけた。

薄暗い部屋にはイワだけがおり、すでにカグツチ様の元へという向かっていた。

「ヒヤとネクはまだなのか?」

「あぁ、ちょっとしたシステムトラブルとかで手こずっているらしい」

イワはスマホに目を向けつつ、呆れたというような冷めた様子でそうこぼした。

「そうか」

ツツもイワの冷め切った様子に半ば呆れながら、気のない返事をした。

「遅くなってごめんないさい」

ネクとヒヤが肩で息をしながら部屋にって來た。

「大丈夫だよ。まだ集會まで時間あるし」

ツツはイワに責められるであろう2人を不憫に思い、自分は出來るだけ優しく2人を迎えれた。

「ふん。下らんことでてこずりおって」

イワはスマホから目を離さず、部屋にってきた2人に嫌味をぶつけた。

「よし、座ろう。そろそろ時間だから」

この気まずい雰囲気を払拭する様に2人を席に座るよう促すと、ツツもポケットからスマホを取り出した。

ウェブブラウザの履歴からあるURLを選びタップする。

『●●●●●●●●●』

自分専用のパスワードを力すると、炎の奧から人影が現れた。

「全員揃ったようだな。現在までにトラブルはあるか?」

ディスプレイの下側がし暗くなり、紅い文字が5人に問うた。

「はい。私が占拠したホテルのセキュリティシステムに何者かが侵し、69階のシステムをダウンさせられてしまいました。原因は調査中ですが、なんとかシステムを復舊させることができました」

の文字が先程起きたシステムのトラブルを報告する。

「そうか、何も心配することはない。お前達はよくやっている。お前達のめざましい活躍と忠誠に祝福を與えよう」

紅い文字は水の言葉に責めることなく、反対に労いの言葉を並べた。

「ありがとうございます。カグツチ様」

の文字がすかさず反応する。

「我が子達よ、たった今天啓を得た。次なる生贄が決まったようだ。祭りにあげるのだ!!次なる生贄の名は___」

その名にツツは嫌な予がした。

周防の時のこともある。何か対策を講じなければならない。そうじたツツはスマホを閉じるとイワに耳打ちした。

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