《名探偵の推理日記零〜哀のブラッドジュエル〜》第5章 生贄の檻 13

21時15分。

『ドンッ』

何の前れもなく突然部屋のドアが開かれると、例のごとくカーキの戦闘服を著た2人が現れた。

「カグツチ様へ2人目の生贄を捧げる時が來た。お前達はその場で大人しくしていろ」

タケが拳銃を構え圭介達に牽制すると今度はツツと目を合わせた。

タケの意図を汲み取ったのかツツは徐にポケットから手錠と布を取り出すと、三井の目の前で立ち止まった。

「次なる生贄はお前だ」

「ふざけるな!!」

三井が自ら立ち上がりツツに怒聲を浴びせる。

「黙れ!!カグツチ様の命令は絶対だ!!抵抗するというなら___」

ツツは三井に挑発的な態度でそう言うと、腰に下げていた警棒を手に取り、思い切り振り上げた。

その瞬間ツツと三井の間に人影が現れた。人影は勢いよく振り下ろされた警棒を素手で止め、ツツの腕をガシッと力強く摑むと、そのまま背負い投げを食らわせた。

一瞬のことで何が起こったのか訳もわからず床に倒れるツツの目に映ったのは、仁王立ちした鳥羽だった。

「ふん。こんなもんで俺を倒せると思ったら大間違いだぜ」

鳥羽は得意げにガハハと大口を開けて笑うと、今度はタケの方に向き直り道の構えをとった。

「まさかツツの予想が當たるとはね」

タケは拳銃をホルスターにしまい、不気味な笑みを浮かべた。

「どこから出てくるんだ?その自信は」

タケの妙な自信に構えた鳥羽はタケのきに全神経を集中させた。

次の瞬間タケの背後から飛び出して人影は艶めいた木刀を振りかざし、鳥羽に襲い掛かった。

不意を突かれた鳥羽は咄嗟に木刀を摑もうとしたが、その甲斐もなく首の付けに強烈な一撃をけてしまった。

鳥羽がその場に力なく倒れ込むと、木刀を持った戦闘服の男は木刀を鞘にしまい、ポケットから手錠を取り出した。

「こいつがけなければ、後は何も出來ねぇだろ?」

イワが鳥羽に後ろ手に手錠をかける。

「さすがイワだ。ついて來るように頼んでおいて正解だった」

鳥羽から背負い投げを食らって床に倒れ込んでいたツツが起き上がって、木刀の男を稱賛する。

「確かに骨のある奴ではあったが、不意打ちには敵わなかったようだな」

イワと呼ばれていた男はそう言って鳥羽に手錠をかけると、今度はツツから手錠と布を奪い取り、暴れる三井に強引に手錠と猿轡を施した。

「よし、連れて行け。これがあの部屋のカードキーだ」

イワはカードキーをポケットから取り出しタケに渡すと

「こいつみたいになりたくなければ大人しく俺達の命令に従え。次は確実に殺しにかかるからな」

と言い殘し、部屋を出て行った。

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