《名探偵の推理日記零〜哀のブラッドジュエル〜》第6章 牢獄からの出 4
午後10時30分。
集會のため1人での見張り役を頼まれたタケはスマホの時計を見て、ため息をらした。
「もうこんな時間か」
タケはスマホを片手に廊下で獨り言をらすと、例の通りパスワードを力して海底へとっていった。
海底にはすでに4人が待機しており、タケはその中に混じるようにその場に跪いた。
人質も大分落ち著いてきたようで、先ほどから話し聲はほとんど聞こえなくなっていた。
人質が何か企んでいるのか、タケは妙な騒ぎを覚えた。
もしここで人質が逃げ出すなんてことをすれば、責任は全て自分のものとなってしまう。
タケは震いすると、スマホのディスプレイから部屋の扉に目を向けた。
すると次の瞬間、の悲鳴と共に部屋の扉が勢いよく開けられた。
「お、おい!!何してる!!早く部屋に戻れ!!」
タケは素早くに拳銃を向けたが、はそんなことには気づいていない様子で、タケの腕を強く引っ張った。
は半泣き狀態で、タケの方へ走ってくると膝から崩れ落ちてしまった。
「と、鳥羽警部が……窓から飛び降りようとしてるんです!!」
は必死の形相でタケに訴えると、部屋の方を指差した。
「何!?人質が自殺を!?」
タケはそう言うと同時にスマホをポケットにしまい、拳銃を構えて部屋の中へと飛び込んだ。
部屋にってみると、の言うとおり確かにガタイのいい男が他の人間の制止を振り払って窓に手をばそうとしていた。
「どうせ死んじまうんだ。だったら自分から死んでやる!!離せ!!」
ガタイのいい男は正気を失っていた。目の焦點は合わず、手當たり次第に暴れている。
「おい!!お前、何をしている!!何のつもりだ!!」
タケが男に向かって拳銃を向けると、制止していた他の人間が両手を挙げながら後退りした。
その瞬間、男はすかさず窓に手をかけると、勢いよく窓を開けてサッシに足をかけ、そのを外へと投げ出した。
しまった。タケはゆっくりと消えていく男の姿を見ながら心の中でそう思った。
イワから、カグツチ様からどんな叱責をけるのだろうか。そんなことを考えていると、自然とから力が抜けていった。
ふと我に返り、窓のもとへ駆け寄るとそこにはもう男の姿は見えなかった。
タケは今起きた事態をカグツチ様へ報告するため、スマホをポケットから取り出し、手に取った。
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