《クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった》第73話「宣告」
夏休み、最終日、夜。
前世だと人によっては眠れない夜になるこの日だが、俺はぐっすりと眠れる。殘すのが當たり前だったから、初めて験だ。
學院は嫌いではないが、長期の休み開けだともう1日と思ってしまう。心は軽いが気が重い。
「ルル、明日から始まるけど準備は大丈夫?」
「準備っていってもし著替えを持っていくだけで、殆ど向こうに置きっ放しだよ」
「そうだったわ。で、月末には帰ってくるのよね?」
「ん? 月末?」
「ルルの誕生日なんだから、帰って來くるのよ」
「あ、うん。わかってるよ」
母さんに言われ、カレンダーに目を向けながら答える。月末、今月の最終日に大きな赤い丸が書かれている。
「それにしても、ルルの誕生日が週末でよかったわ」
「そうだね。で、姉さんは何で荷が多いの」
俺と母さんは會話しながら、やたらと々な荷を詰めている姉さんを見る。
「ルルの誕生日の次の週から學院主催の旅行だよ」
「それは知ってるけど、月末に姉さんも帰って來るでしょ」
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「先に持って行って、向こうに置いてる荷も合わせて準備しようかなって。多分、月末に帰ってきたら旅行の出発の朝までここにいるだろうし」
「なるほどね」
「ルルは準備しなくていいの?」
「向こうの荷で準備出來ると思うから、明日し荷持っていったら終わりか..ん?」
不意に服の後ろ軽く引っ張られる。
後ろを振り返ると、こちらを見上げているリアが何か言いたそうに見ていた。
「リア、どうした?」
「準備、手伝って」
「大した準備ないだろ」
「荷、持って、帰ってきた」
「いつの間に。荷なんて持ってなかったよね」
「リアちゃんなら意外と頻繁に帰ってくるわよ」
「母さん、そうなの?」
「そうよ。だから多分、學院にリアちゃんの荷殆どないんじゃないかしら」
「その通り。ルル、準備、やって」
「全部やらせる気だな」
「そんなことない、手伝って」
「....はぁ、まぁいいや。自分の荷纏めたら行くから先部屋行っとけ」
リアに先に部屋に行くように促すと、頷いて部屋へと向かっていった。
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荷という荷はないが、それでもしは持っていくものがある。適當に纏め、小さい鞄に詰めると扉の橫に置いておく。
部屋を出て、リアの部屋にると、足の踏み場がなかった。服や下著、鞄や洗面用、ボートゲームやカードなどなど。
「ルル、持っていくもの、これ全部。れて」
ベッドのうえで座りながら、準備はしたからあとはやってと、顔で語りかけてくる。
途中でリアもやれと顔で言ってみたが、結局全部俺がれ、1時間程で終わった。
下著や服など場所を説明しながられたが、わかってるのかどうか。下著をれる時チラッとリアの方を見たが、恥ずかしがる様子はなかった。それでいいのか。
「とりあえず、ここに置いとくから。多分すぐ晩飯だろうから呼ばれると思うぞ」
「先、降りとく」
リアは俺の橫を通りすぎ、部屋から出るとさっさと下へと降りていった。
自分の部屋に戻ってもすることはない。リアの後を追って部屋から出ようとすると、急にから力が抜け、その場にしゃがみ込む。そしての左側を下に倒れこみ、瞼が徐々に閉じてくる。
意識が覚醒すると前にも來た白い空間だった。
そして、その時ことを思い出す。
「今回はちょっと荒っぽくないか?」
白い空間の様々なところで流れる、これまで転生してきた俺の歴史であろう映像を見渡しながら、恐らくいるであろう人というか神に聲をかける。
「やっぱ君は過去の自分とか気にならないんだ」
「1度見てるからな。2度目は楽しめないんだよ」
背後から聲がしたので振り返る。
聲からして違うやつだというのは分かったが、姿を見て驚く。前世の自分の姿、七宮時雨の姿だった。
「僕ってまぁまぁ偉い神様なんだよねー。神でくのが基本だからさ、人前に現れる時の姿なんてないんだよね」
「だからってなんで俺の姿してるんだよ」
「あれ、転ちゃんから聞いてない? 運命の神様がーって話。僕と君って、君が1度目の転生をする時だから
大2000年ぐらい前に契約してるんだよね」
「2000年も続く契約ってあるだな」
「神との契約に期限なんてないからね。まして、僕からしたら2000年なんて適當に過ごしてるだけで、過ぎてるしね」
「そうか。で、荒っぽく呼んだ訳はなんだよ」
「あれ、契約容とか気にならない?」
「昔の俺が結んだ契約なんだろ。なら大丈夫だろ。さらに言うなら、契約の破棄とか解除とかは出來ないんだろ」
「そーだね。超つよつよの契約だからね。僕からも破棄できないからな」
「で、訳は?」
「そんな急かさなくてもちゃんと言うって」
一拍の間がある。數秒にも満たない短い時間だった。
「今月末、君、死ぬよ」
一瞬、頭の中が空っぽになり、のきが止まる。
言われた言葉しっかりと聞こえたが理解できていない。なんとか理解しようと、聞いた言葉を思い返す。そして、口からは無意識のほぼ空気のような聲がれる。
「え」
「ん? だから、今月末、正確には言うなら今世の君、ルルシアの誕生日前に、死ぬよ」
「いや、俺、まだ15」
「19になるまでにだから、18歳で死ぬかもだし、0歳で死ぬかもだし。今の君の魂の強さだと、死ぬ確率は19歳未満だと100パーセントなんだよ」
「そう、、か」
「今回もすんなりけれるんだね。まだ死にたくないって言ってた時の君もいたよ」
「けれた訳じゃない、飲み込めてないだけ」
「あー、そのパターンね。君がそのパターンになるのは久しーね。いつ振りだろ」
「その言い方だと、これまでの俺は死ぬよって言わてもすぐけれてたみたいだな」
「そーだねー。試しに直近の死、ルルシアに転生した時のこと思い返してごらん。死にましたって言われた時、君は死んだことを嘆いたかい?」
「その時、は、、異世界転生って言われて、、ミスだって言われて」
「ミスじゃないよ、そーゆー運命だったんだよ」
ここまで言われていれば分かっていた。死亡率100パーセント、死ぬのが決まってたのだ。
「転ちゃんも素直に言えばいいのにね。君があの日の放課後、死んで次の生で帝國の奴隷になるから、來世を変えれる最後のタイミングでしたって」
「なら、なんでクラス丸ごと」
俺が死ぬだけなら、別にクラスの奴らは死ぬ必要なんてない筈だ。
「たかが1人といえど勝手に運命を変えたんだ、その影響なんて、まぁまぁ偉い神の僕だって分からないよ。でだ、君の質問に対する答えだよ。異世界に行ければこっちのもん、それが君の思ったことの筈だ」
「そう、、だった」
「これまでの君も殆どがそーだったよ。來世を楽しみにして、死んだことには気にも留めてなかった。今回もこれまでどーりに來世を楽しみにしてたらいーじゃん」
返す言葉が見當たらない。確かにまだ死にたくない。はっきりと言って、今の暮らしが楽しい。毎日同じような日常の繰り返しであっても、毎日が楽しかった。
ただ、何故だか死ぬことをけれてしまってる。けれてしまっているが、それでもなんとか、言葉をひねり出す。
「どうやって」
「それは教えられないねー、契約違反になる」
言い終える前に、被せるように言われる。
「他にはって聞きたいけど時間みたいだね。まぁ、目が覚めても前回と同じく覚えてないだろーねー」
ただでさえ白い部屋が最も白く、霧が掛かったようにぼやけていく。調子の良い軽い神聲も遠ざかっていく。
そして、だれかの聲が聞こえ、大きく視界が揺れる。
「聞こえてるかな? このこと思い出したらこの転ちゃんの部屋には來れるようになるよ。それと、多分生きてる間はもうこっちから呼ぶことはないよ。じゃーねー」
遠いところから、所々だけ聞こえる。
そして何も聞こえなくなった。
そして目を覚ますとリアがいた。
「寢るなら布団」
「あぁごめん。で、下に行ったんじゃ」
「倒れる音? 落ちる音、した。戻ってきた」
「十數秒ってところか」
「それぐらい。で、降りる、寢る」
「十分寢た気がする。一緒に降りるか」
「無駄な往復、疲れた」
「はぁ、仕方ないな」
抱えて1階へと降りていった。何か大切なことを忘れているような、何か引っかかりをじながら。
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西暦2040年の日本。 100人に1人の割合で超能力者が生まれるようになった時代。 ボッチな主人公は、戦闘系能力者にいじめられる日々を送っていた。 ある日、日本政府はとあるプロジェクトのために、日本中の超能力者を集めた。 そのタイミングで、主人公も超能力者であることが判明。 しかも能力は極めて有用性が高く、プロジェクトでは大活躍、學校でもヒーロー扱い。 一方で戦闘系能力者は、プロジェクトでは役に立たず、転落していく。 ※※ 著者紹介 ※※ 鏡銀鉢(かがみ・ぎんぱち) 2012年、『地球唯一の男』で第8回MF文庫Jライトノベル新人賞にて佳作を受賞、同作を『忘卻の軍神と裝甲戦姫』と改題しデビュー。 他の著作に、『獨立學園國家の召喚術科生』『俺たちは空気が読めない』『平社員は大金が欲しい』『無雙で無敵の規格外魔法使い』がある。
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