《クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった》第74話「歓迎會」
まだ外は薄暗い中目が覚める。夏休みが明け、今日から學院生活の再開だ。
昨日の夜、リアの部屋から出てから何か忘れているような気がする。いや、正確には一瞬意識を失ってその後からだが。
考えても分からないから、何かがきっかけで思い出すまでとりあえず放置するか。
両サイドから抱きついて寢ている2人を起こさないよう、ゆっくり布団から出る。
「自分の布団から出るのに、こんな気を使わないといけないんだよ」
「ルルが優しいからだねー」
「起きてたなら、離れろよ。抜け出しにくいように足絡ませたりしてないで」
「無理」
この姉、即答かよ。
ただの獨り言のつもりだったが、抜け出した布団から返事が返ってきた。どうやら、起きてたらしい。
「私が起きてることに気が付かないなんて、緩みすぎじゃない?」
「…そうかもな」
「昨日の夜ご飯の時から思ってたんだけど、何か考え事でも?」
「考え事はしてたけど、考えても分からんから辭めた」
「そうなんだ」
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「昨日の夜にとても重要なことはなかった筈だし。それと、リア起きてるだろ」
さっきまで居た布団が極僅かにく。
返事も、それ以降のアクションもない。
「時間的には多分余裕があるから二度寢してもいいけど、俺はし早めに出るからな。それと、姉さんいいよ」
片手で持てる程度の荷を持って部屋から出る。
閉まった扉の向こう側、部屋の中からくぐもった聲やら何かが暴れる音などが聞こえてくる。
「一応、俺の部屋のベッドなんだけどな」
髪のに寢癖がついてないかりながら1階へと下りていく。
「相変わらず抱き枕狀態なのに早起きだね、ルル」
「流石に慣れたよ、レビン兄さん」
「そうなんだ。そういえば、昨日の夜に決めたんだけど、月末までいることにしたんだよ」
「家、大丈夫なの?」
「まぁ、正確には一旦家に帰ってまた來るってじかな? ルルの誕生日ぐらいまではいるかな」
誕生日という言葉に何か引っかかった。忘れてたのを思い出しかけたじだ。
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恐らくだが、昨日の夜から忘れてることを思い出すためか、忘れてることに関係があるのか。
「ルル?」
「ん、なに?」
記憶を手繰ろうとしたタイミングで、レビン兄さんから聲がかけられる。
考えていたことが散らばるように消えて、引っ掛かったじも薄れる。
「いや、急に考えこんだから、どうしたのかなって」
「昨日からなんか忘れてるような気がするんだけど、誕生日って言葉に一瞬引っかかってね」
「あ、ごめん。思い出しかけてたじだった?」
「いや、大丈夫。そのうち、なんかが切っ掛けで思い出すだろうし」
「ルルがそう言うなら、いいんだけど」
「それで、レビン兄さんたちはいつ一旦帰るの?」
「帰るのは僕だけだね。こんな早く呪い…挑戦権が解決するとは思ってなかったから、最低でも半年はこっちに住むつもりだったし」
「そうなんだ。荷とかも持って來てるなら、なんで一旦帰るの?」
「最低限の荷しか持って來てないからね。改めて荷取りに行くのと、1ヶ月ほど留守にしますって連絡だけしてくるんだよ」
立ち話になってたから、とりあえず目の前の扉を開けてリビングにる。
リビングではレナさんとレビン兄さんの嫁、琴さんが談笑してた。といっても、扉越しに聲が聞こえていたからリビングにいるのは分かっていたが。
「おはよう、母さん、琴」
「おはよう」
「おう、レビンもルルも早いな」
「おはようございます」
近づきながら挨拶をわす。
琴さんとはし挨拶した程度で、それ以外はレビン兄さんから手紙とかで聞いてることぐらいで、直接會ったのも、レビン兄さんから結婚報告をけた時以來だ。
挑戦権のことや、琴さんが々と話しかけられて會話自する機會がなかった。
ほぼ平均ぐらいな長、こっちに転移した時の影響か完全にの抜けた白髪、ショートより短い髪型で、服裝も薄めの合いが強く、全的に白く見える人が印象だ。
また、落ち著きがあるように見える佇まいは語の貴族令嬢にも見えなくはないが、レビン兄さんから聞いてる格が本當だとすると…
「!アハッ」
し高く、そして楽し気になった聲が聞こえる。
そして、そのすぐ後にレナさんの橫を抜け、かなりの速度で飛んでくる貫手。
目で追えない速度ではないので、ギリギリで首を右に傾け、顔の橫を通る琴さんの手首を摑む。
「キャハッ!」
さらに楽し気になった聲が聞こえる。
摑んでいた手首が溶けた。
いや、正確にはほぼ水に近いスライムのようになっただろうか。
「はい、二人ともストップ。琴ちゃんはもうちょい自制するようにするように。この程度でテンション上げてたら、1ヶ月でテンションが上がりすぎて死んじゃうよ。ルルも変ないたずらしない」
俺が一撃目、琴さんが2撃目を繰り出そうとしたタイミングで聲が停止の聲がかかる。
「あまりにも印象とレビン兄さんから聞いてた印象が違いすぎて。母さんは知ってたの?」
「あら、失禮しました。エミーさん」
聲の主はいつの間にか部屋にっていた母さんだ。
「ん? いや、昨日の夜私もやったからね〜。ハゾメに止められちゃったけど」
どうやら同じ思考だったらしい。流石、実の母親だ。
まぁ、今の一連の流れで確かめたいことは確かめられた。
琴・レビュートは超が付くほどの戦闘狂だ。それも、厄介な固有スキル持ちでセンスもあるタイプの。
「というか、レナもレビンも止めれたでしょ!」
「いやぁ、琴が思ってた以上に著火が早くて」
「ルルなら怪我したら弱いのが悪いで終わるだろって思ったんだよ」
「レビン、あんたの嫁でしょ!著火の瞬間ぐらい把握しなさい。レナ、ルルなら怪我はしないだろうけど、家の中で戦わすな」
母さんが騒がしいが、昨日の夜同じようなことしたんだぜ。何気に母3人の1番の気が多いのは母さんかもしれん。
「ところで、シャルルさん。そんなに怯えなくて大丈夫ですよ。一方的に襲いかかるなんて真似しませんよ」
「そうだよ、シャルちゃん。1年後には優勢か勝利できるように鍛えるんだから」
「アハッ、それ良いですね。1年後を楽しみにしてようかしら」
「琴、一瞬出かけてたぞ。晝から一旦家に帰って3日程居ないけど、ほんとに襲いかかるなよ」
「大丈夫ですよ。まだ今はシャルルさん対象外ですよ」
「だってよ、シャルル。まぁ、でもし厳しくなるかもな特訓」
母さんの橫で固まってるシャルルの話しかける。
なんとなくの気配でじていたシャルルを改めて見ると、そこで気づいた。
僅かに握られた右手。力がっている利き腕。口周りもし力がっているのか固くなっている。恐らくだがすべて無意識だろう。
「あら、失禮なことを言ってしまいましたね。お詫びします」
どうやら琴さんも気が付いたらしい。
シャルルからは無意識にっていた力が抜ける。
「お詫びの意を込めて、シャルルさんの特訓、私も參加して良いかしら。エミーさん?」
「いいね、琴ちゃんの格闘センスならハゾメのお墨付きだし。あとは當の本人の意思次第だけど」
「お願いします」
即答した。
どうやらこの場にいる全員気づいたみたいだ。正確にはシャルル本人は無意識みたいだけど。
シャルルの強さを求める意思と、強くないと言われた悔しさに。
「ほんと、數日程度しか過ごしてないとは思えないね。僕も帰ってきたら參加しようかな」
「あら、珍しいですね。あなたが正面から戦うだなんて」
「まさか、琴、固有スキルは使うし、使われもする」
「そうなのですね」
「まぁ、常に影響與えてる系の固有スキルが多いからってのもあるけど」
チラッと時計を見る。家を出るまでに1時間ぐらいある。
朝飯食べて、諸々の準備に20分ってとこか。40分ぐらいは時間が余りそうだ。
「ルル、時間なら気にしなくていいぞ。ハゾメが昨日夜に、朝から歓迎會になりそうだから、王國方向に飛ばしてやるってよ」
昨日の夜にでも言っていたのであろう親父の言葉を、ちょっと真似て言うレナさん。雰囲気60點ぐらいか。
それにしても、シャルルの時の歓迎會と違って、今回の歓迎會は騒すぎる。
「戦いたいやつは全員外に出な歓迎會を始めようか。そこの盜み聞きしてる2人は確定だよ」
レナさんの言う2人は多分、リアと姉さんだろう。
この場にいた全員が軽い準備運やストレッチをしながら外に出て行く。
「最近はシャルルを鍛えること以外じゃいてなかったから、久々にちょっと本気出すか。覚悟しろよルル」
「母としてルルにだけは負けられないね」
「あらあらあらあら、最高の歓迎會ですね。さっきの続きといたしましょうか。ルルシアさん」
「本來なら1つしか持てない挑戦権、2つ持ち。さらに相も悪くない。挑戦権持ちの強さを教えてあげるわ。ルル」
「これは…僕もルルだね」
「ルルには、負けない。朝の恨み」
「1か月前よりはちょっとは強くなってる気がします。ルル」
「全員、初手俺かよ各自でやりあえよ。というか、リアに関しては逆恨みがすぎるだろ」
全員口では俺狙いみたいになってるけど口だけだ。全員が全員倒す気でいる
シャルルには悪いがこの中で最弱はシャルルだ。だが、気持ちや気迫では負けてないのは良い。
姉さんが一番怖いな。挑戦権からける恩恵の効果が分からなすぎる。姉さんの口ぶりからして、知識以外も何かあるのは確定だ。
琴さんは親父からの褒められた格闘センスと一瞬だけ見た固有スキルは気を付けないとな。
母二人は気合で何とかする。ちょっとだけ運が良ければ何とかなるかもしれない。というか、何か起こって何とかならんかな。きつすぎる。
レビン兄さんは…
「見失った…?」
誰が言ったか。複數人が言ったか。
「流石に気を抜きすぎだよ。全員」
シャルルが吹っ飛ぶ。けは取れたが次の行に移れない。
「ゴホッ」
琴は振り上げられたレビンの足によって右腕が落ちる。
「アハッ、腕、あげる。」
セリアの周りに展開された障壁で止まるレビンの蹴り。
「っぶない!」
リアは橫に、ルルはしゃがみ込む。寸前までがあったところを蹴りが通る。
「よ、ゆう」
「ギリ掠ったか」
エミーとレナのどちらもが蹴りをけ止め、蹴りでのカウンターを仕掛けるが煙のように消えるレビン。
消えるというより當たって煙が散ったようだ。
「喋らなければガードまでで済んだね」
「あれ、手応えがないね。煙みたい」
俺らの近くにいた複・數・の・レ・ビ・ン・が距離をとり、1箇所に集まる。そして散った煙もそこに集まる。
「スタートの合図には丁度いいかな」
「ちょっと、合図にしては全力過ぎないか?」
何気にこの兄貴、面倒くさいな。
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