《錬七剣神(セブンスソード)》プロローグ

――最強が必要だった。誰もが納得するような最強が。

年はで渦巻くを必死に堪えていた。

夜の空にびる天樓の一角にある、大きなスクランブル差點で年は今一度剣を握りしめる。

それは見る者を惹きつける黃金の剣だった。ただの飾りではない。スパーダと呼ばれるその剣は七つ作られた最強を形作るためのピースだ。

しかしそれを握る年に歓喜はない。むしろ湧き上がる憤怒と増悪に今にもび出しそうだった。

なぜ、こんなことになったのか。どうして、こんな未來を回避できなかったのか。

その原因である自分に嫌悪して、その元兇である男に怒りを向けた。

「魔來名まきな、なぜ香織さんを殺した!?」

年はび、男をにらみ付けた。

年の目の前には一人の青年がいる。白の外套をに纏った形の男だ。その手には刀が握られ、殺意すら放つ年を冷酷な表で見つめ返していた。

この街には年と青年の二人しかいない。街は靜まり返り、舞臺裝置として作られた己の役目を全うせんと二人を見守り続ける。

無言の街で、二人はにらみ合った。剣刀を握り、最後の一戦へと臨もうと。多くの仲間と敵はすでに消え、殘された二人が生き殘りをかけて戦う。

最強創造の儀式、錬七剣神セブンスソード。

それは文字通り最強を作り出すための儀式だった。二人は選ばれた。けれどなぜ戦うかは自分で選べる。

この儀式が意味する世界の命運も、最強も、この一戦には関係ない。

二人はただ己の信念を貫くために剣を振ろうとしていた。

真に大切なのは絆か、それとも信念か。

この戦いで、すべてが決まる。

七剣神セブンスソード。その終決と完が、すぐそこまで差し迫っていた。

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