《錬七剣神(セブンスソード)》晝休憩2

「あの、はじめまして。今日転校してきた剣島聖治です。斷じて小室輝也ではないです。星都せいとと力也りきやはクラスメイトで、一緒に晝食を食べようと思ってここまで來ました。すみません急に、勝手にお邪魔してしまって」

「あ、ううん。そんなことないよ。私は佐城さじょう香織かおり。君が來ることは前の休憩時間に皆森みなもり君から聞いてるから、そんなに気を遣わなくていいよ。よろしくね」

「はい。よろしくお願いします」

相手からしてみればいきなり知らない人が來たようなものだが先輩は嫌な顔一つせず、むしろ笑顔で迎えてくれた。それを嬉しく思うが、それよりも先輩の言葉にひっかかる。

聖治は隣にいる星都せいとを見つめた。

「お前、意外と良い奴だったんだな……」

「意外ってなんだよこら!」

「いや、なんでもないさ」

まさか人を小馬鹿にするのが生き甲斐みたいなこの男がここまでしてくれるとは。聖治は言葉にはしなかったが嬉しかった。口元が上がってしまう。

「まぁ、星都せいと君は普段が普段だから、仕方がないんだなぁ」

「皆森みなもり君も、これからは日頃の行いを改めるんだね」

「なんだよ二人とも! 友達だと思ってたのにい!」

「それとこれは話が別なんだなぁ」

みんなからの言葉に星都せいとがいじけている。そんな様子を聖治は小さく笑いながら聲をかけた。

「すまないな星都せいと。まさかそこまで俺のことを考えてくれていたなんて思わなくてさ。ありがとな」

「ふん、當たり前だ」

星都せいとは拗ねた表はそのままだが、それでも多は気を良くしてくれたのか目つきはらかくなっていた。

「そういえばさっき。佐城さじょう先輩、俺を見たときなにか言いたそうでは?」

「香織かおりでいいよ。先輩って言っても、私先輩らしいこと一つもないし」

そう言って佐城さじょう先輩、もとい香織かおりさんは謙虛に笑う。そんな一つ一つが可らしい。

「あれは、ごめんね。私の勘違い。『君とどことなく似ている人』を知っていて、思わず口に出ちゃった」

今度は照れ隠しで笑っている。黙れば人で笑うと可い。こういう人もいるんだなと聖治は無言の心していた。

「なあなあ、せっかく皆集まったんだし、さっそくメシにしないか? 俺はさっきから腹が減ってるんだが?」

「そうだな。始めようか」

「うん、僕もお腹ぺこぺこ~」

「もう、織田おだ君は相変わらずなんだから。聖治君はお弁當持ってきたの? もしないなら私の分けてあげようか?」

「ありがとうございます。自分の分はちゃんとありますから」

ベンチの近くに聖治は座り、右に星都せいと、左に力也りきやは腰を下ろした。香織かおりさんはベンチに座りながら弁當を広げている。

聖治が転校してから初めての晝食、それはこの三人で、ここ屋上で行われた。

みんな優しく聲を掛けてくれる。それに聖治も安心して會話していた。

會ったのが初めてとは思えない気さくな雰囲気で聖治たちは談笑をわし、聖治はここに転校してきてよかったと心の底から思っていた。

「なあ、星都せいとと力也りきやは香織かおりさんとどんな関係なんだ? 部活が一緒なのか?」

なかなか上級生と食事をする機會というのはないだろう。それで聞いてみたが、それには香織かおりさんが答えてくれた

「えっとね。部活ってわけじゃないんだけど、昔からの知り合いかな」

「なるほど」

聖治は頷いた。

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