《転生して帰って來た俺は 異世界で得た力を使って復讐する》2-1

対象 瀬藤欽也

ドンドンドン!

「あの、隣の者なんだけど、さっきかお宅から音が響いてうるさいんですよね。このアパートって壁薄いし、というかそれ以前に騒音レベルで大聲出して騒ぐのはどうかと思......」

「――うるせぇんだよ!だったら耳栓でもすれば良いだろがぁ!邪魔してくんなクソガキがぁ!」

「だから耳栓とかそういう問題じゃなくてぇ―」

ビシャァ!

「黙れってんだクソガキィ!」

「っ...!お、まえなぁ...!」

「あ!?ガキが俺に向かってお前だぁ!?お前親にどういう教育けてきたわけ?目上には敬語使えよ!さっきからタメ語使いやがって、ああ!?」

「お前に敬語使う価値は無い!隣人への配慮無しにうるさい聲で騒ぎやがって!マナーを守れって言ってんだよ!いい年してそんなことすら出來ないのかお前は!!」

「あ”あ”!?」

――その後、毆り合いになろうかといったところで、他の住人たちに止められて通報されて、俺まで悪人扱いされるハメになった。確かに外で大聲出してしまった俺にも非はあったのかもしれないが、元はと言えばいつもうるさい聲で騒いでいたあのクソ隣人が悪いはずだろうが。

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俺が大聲出したのは今回が初めてだというのに、瀬藤と同列に扱われて、あいつの日頃の悪行はお咎め無し、両者ともただの注意に終わった。

それ以降も、右隣からはまたも大聲が響いてくる。全く聲量を抑える気はない。逆に俺が掃除とかで音出したら、壁毆って罵聲浴びせてくる始末だ。それでまた隣人トラブルが起きて、また俺まで悪者にされる。

何でだ?何なんだ?ここでも俺は誰にも味方されない。悪者であるはずのアイツが裁かれない。普通謝料とか取れるところだろうが。俺がそういう話に持ちかけたらなんか俺まで訴える的な流れに持っていきやがってどいつもこいつも。

アイツだけじゃない、ここの住人全員もクソだ。死ねば良い...!

瀬藤欽也――お前にはいつか相応しい罰をけてもらう...!

一瞬で帰宅して、家を良いじに設置してから、祝帰還のディナータイムを堪能したところで、スマホの時計を確認する。

時刻は20時。ブラック企業とかじゃく寄り道することがなければ、世の社會人の大半がこの時間には帰宅しているはずだ。早速“視”で壁の向こうを確認するとそこには......

「中年っぽいオッサンがいる、が......あいつは、あァ面影があるな。あのクソッタレのゴミクズ野郎のなァ...!」

二十年以上経って大分老けたみたいたが、あの面は、ムカつくことに忘れはしない......クソ隣人の瀬藤欽也だ。

髭があって髪が薄くなってデブくなってはいるが、面を見ればアイツだって気付いた。念の為に“検索魔”で対象人の素を明らかにしてみた。

間違い無く本人だ。俺が、絶対に殺そうと決めてた奴だ...!

嬉しいねぇ...今もそこに住んでいてくれて。捜す手間が省けて何よりだ!

「この現代世界での最初の復讐は、お前にしてやるよ。喜んで...目一杯苦しんで死ね」

早速右隣のドアの前に行き、錬で合鍵を即作製、解錠。そして突!同時に空間を完全に防音化とどんな衝撃でも耐えられる結界を展開。そして――

「“筋力作”および“魔力作” 対象は自へ」

己に筋力と魔の強さを作してわざと弱化させた。何故なら異世界で強くなった俺が、あの力のままで現代世界の生を毆ったり魔を浴びせたら、木端微塵は確実だ。そんなんじゃあ一瞬で復讐タイムが終わってしまう。それじゃあ面白くないだろう?

だからここは敢えて己を凄く弱めるのだ。せいぜい素手での部位を引き千切れる程度くらいには弱めよう...。

というわけで、突然自分以外の人間が部屋にってきたことに酷く驚いているその間抜け面に...!

「おっっっっっらああああああああ!!」

ベキィ...!!「――づあ”あ”あ”あ”あ”あ”!!?」

腰がった左ストレートをぶち込んで、ベランダ付近まで吹き飛ばした。勢いよく吹っ飛んで壁に激突したが、窓はビクともしていない。音はここでは大きく響いているが、この部屋以外には何も聞こえていない。震の一つも起きはしない。誰もここでの騒ぎは認知できないようにしている。

つまりここは、防音防振閉された処刑場だ!

「いっ...いでぇ!何なんだ、いだい”...!誰だテメェは!?俺の部屋に上がり込んで、何やってくれてんだ、ええ!?」

數秒した後に瀬藤はようやく起き上がって、俺に罵聲を浴びせてきた。おお!壊れてない。丁度いいくらいまでの弱化に功したようだ。あれなら何発も拳をれても壊れはしないよな?ククク、よろしい...!それよりもアイツまだ俺のこと気付いていないようだから、自己紹介からるか。

「おっ久~瀬藤君?俺だよ俺。杉山だよ。二十數年前、お前の隣で住んでた男だよ。覚えてるー?俺とお前、何度かお前のうるさい聲のことでめたよな?」

「ああ?二十年?..................そういや、それくらい前の年で、あの部屋で死んでたってことがあったな。まさか、あの!?孤獨死したとか何とかって言われた...!」

「おお、それそれ。合ってるよそれで。この隣部屋で~お前がまたうるさく騒いでた時にー俺は力盡きて死んでましたーってね。まぁ々あって帰って來られたけど」

「は?テメェふざけてんのか?二十年以上前に死んだ奴が、今になってまた出てきただ!?何かの悪戯で不法侵してきたクソガキだろうが!!よくもいきなり毆りやがってェ!!殺す!!」

そう吠えた瀬藤が、俺に突進してきて、拳を振るってきた。なんとまぁ、腰がってない、遅過ぎるパンチだこと!ナニコレ?いくら素人とは言えここまで弱く映るものなのか?ゴブリンよりも弱い、超雑魚じゃん。戦闘力3しか無いんじゃないのかコイツ。欠が出るほどに余裕なので...

「おらぁ!(ブン!)」

パシッ、ベキゴキ...「......ぎゃああああああああ!!?」

飛んできた拳を右手で止めると、そのまま力いっぱいに瀬藤の左手を握り潰してやった。手を開くと奴の左指全てがあり得ない方へ曲がり、がたくさん出ていた。そのまま終わらせてあげる程に優しくない俺は、瀬藤の髪を摑んで、床に思い切り叩きつけた。

ドゴンともの凄い衝突音と鼻の骨か何かが潰れる音がした。なお叩きつけた際に、摑んでいた髪が千切れてばっちぃので捨てた。ホント気持ち悪い。

「あ、ぐあ...!」

「なぁ、俺が何の理由も無しにこうして部屋にってお前を毆って叩きつけたりなんかすると思うか?思い出せよ...あの時お前が、203號室に住んでた杉山友聖に何をしたのかを。お前の罪をさぁ!」

「ぐがっ!し、らねぇよそんなこと!テメーのことなんか知らねーし、俺をこんな目に遭わせやがって...!警察だ!テメーを今すぐに警察に...」

「はぁ、シラを切ってるのかホントに忘れてるというボケやらかしてんのか。口で説明すんの面倒くさいから魔使うわ。ほらよ」

そう言って瀬藤の禿げた頭に手を翳して、記憶作魔で俺の記憶を流れ込ませる。そして、瀬藤本人に自分が俺に何をやってきたのか、俺はどういう過程でここに立っているのかの記憶を全て流し込んだ。これでしは昔のことは思い出せたか?

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