《転生して帰って來た俺は 異世界で得た力を使って復讐する》22
會社復讐編
俺が最初に勤めた會社は、引越し業者を職種とするところだった。社したのは201×年の10月頃。社名は今も覚えている......アー〇引越センターだ。全國で有名な社名だからな。あの時は自宅の近く...大東支店で勤めてたっけ。勤めてたと言っても、アルバイトとしてっただけだが。
はっきり言おう。引越し業者なんてどこもブラック會社だ。
引越し業の正社員は全員格最低で人格最悪な人種ばかりの、ゴミ山會社だ。バイトとして勤め始めてから僅か1週間でそう確信してしまった...。
「おいバイトぉ!それはそこに置けって言ったやろが!また言わせんなやっ!」
言ってねーだろうが...。
「そこ持つんじゃねーよ、ここだここ!...あーもうクソが、使えねー!おい岡橋、この愚図バイトと代われ。一緒に運ぶぞ!」
初めてなんだからすぐ正確に運べるわけねーだろ...。
「何やってんねん、おい!いちいち仕事を増やしてんじゃねーよクソがっ、殺すぞお前!!」
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はい暴言ー。いやミスした俺にも非はあるけどさぁ、何でそこまで言われなアカンわけ?
「お前さぁもう18やろ?それくらいのこと聞かなくても分かるようにしとけや。マジで使えねーバイトだわお前(フーーゥ)」
「げほっ...あの、タバコ止めてもらえません?」
「は?知るか。仕事出來ない愚図が意見してくんなボケ」
仕事の出來不出來関係ねーだろが、人に向けてタバコの煙ぶちまけるのはおかしいやろうが!!
「.........チッ...」
「あ...?お前今舌打ちしたな?これだからガキは!これくらいのことでいちいち文句言ったり不貞腐れやがるんだ。ハッ、下らねー!お前みたいな社會の底辺は黙って働いてれば良いんだよボケが!」
「確かに、仕事出來てからそういう口叩けってんだ。バイトの分際で俺らに文句言ってんじゃねーぞ」
他の社員にそう言われてまた煙を向けられる。......殺したい。
どいつもこいつもクソ野郎ばっかりだ。初出勤早々俺には難しい指示を飛ばして、出來なければ使えない・愚図呼ばわりしやがる。しかもその日は定時上がりにはならず、13時間は働かされた。明らかに殘業時間になると分かっておきながら、お前ら社員の都合でバイトの俺に了解の確認もしないで勝手に仕事を増やしやがった。そして俺を罵りながら働かすんだ。
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で、あれだけ長時間・罵倒されながら働いても、日給1萬円しか貰えなかった。時給もクソだった。それ以降も、どの正社員もキツい・汚い言葉を俺に吐き、目の前で喫煙して、何も言わずに予定してない仕事に向かって行く...その繰り返しだった。
たまに他のバイトと話す機會があってどんなじか話を聞くと、どいつも正社員の態度がキツ過ぎるとのことだった。その數日後、そのバイトは來なくなった。
正社員はアルバイトのことを、替えが効く道としか見ていないというのがよく分かった。実際そうだもんな。言葉遣いは荒くて心が無いし、初めてのことでミスしても罵聲を浴びせるし、晝時は俺を置いて正社員だけで飯食いに行くし、目の前で喫煙して分煙する気ゼロだし......マジで俺らバイトのこと人間扱いしてねーのが分かるわ。
...中でもいちばん俺にヘイト溜めさせたのが――
「あの...席、詰めてもらっていいですか?食べる場所が無いんせすけど」
「知るか。トラックの後ろでも食ってろ役立たず」
...この冬空の下でか。このクズ野郎は特に俺のこと人扱いしやがらねぇ...!
瓜屋優二《うりやゆうじ》 28歳(當時)。長の無ひげ生やしたクソ野郎。
最初の時からも奴は俺を...というかバイトをハブり者にして完全に見下す態度をするゴミカスだ。そんなクズ野郎でも、家族はいるらしい。一児の父親のくせに俺に対する格がクズ過ぎる。どの正社員もそうだったが、仕事が出來ない奴を特に見下してハブったりもする。バイトが辭めたのは大半があの男が原因だ。
そして俺も、そのうちの一人だった...。
ある冬の日、日沒してもまだ搬作業していた時のことだ。道の名稱がまだ覚えられず何に使うのかも知らないやつを持ってこいと指示されて、その道について聞いたら――
「ああ?お前まだ覚えられてねーのか?.........あのさァ、初めは新りだからと大目に見てたが、もう4ヶ月も経ってんのにまだそうやって役立たずされるとよぉ......」
グッ...!「っが...!?」
「こうやって俺に倉摑まれるんや、おいごら...」
俺の仕事の出來なさに腹を立てた瓜屋に暴力を振るわれた...。
「.........ってーな、クソ野郎...」
「.........はぁ?おい杉山、今なんつった?」
「仕事をミスする、覚えが悪い。それは俺が悪いことだし申し訳ないとは思うしそう言ってきた。......けどさァ、だからといって上司がそうやって暴力振るうのはどうなんわけ?このご時世でさぁ!」
度重なるクソ扱いと今回の事でとうとう堪忍袋の緒が切れた俺は、仕事中...依頼人宅の玄関で切れ口調で瓜屋に吠えかかった。
「......おい、バイトのガキが......未だに仕事が出來ない愚図がぁ、偉そうにほざいてんじゃねーぞボケぇ!!」
そして再度俺の倉を摑んで拳を振り下ろそうとしたところで、もう一人の正社員が一応は制止にって、爭いは避けられた。
で、作業が終了して営業所に戻った後......俺は瓜屋に駐車場に連れてかれて毆られた。
「ガキが何俺にタメ語使ってんねん!愚図が!役立たずのくせに文句は一丁前か!調子に乗ってんじゃねーぞゴラ!!お前なんかとっとと辭めちまえ!お前みたいなバイトなんかなァ、いくらでも替えが利くんだよ!お前なんか要らねーんだよ!」
「黙れ!!こっちが下手に出てりゃあふざけたことほざきやがって!!お前ら正社員にも問題があるんじゃねーのか!?新りにも関わらずハードワークさせるし、ミスしたら罵聲浴びせるし、俺らの前で平気で喫煙するし。しかも俺に対してのハブり者扱いが酷い!お前ら正社員どもの格に難があるのも問題だろうがクソ野郎!!」
「言わせておけばお前だのクソ野郎だの!誰に向かって口きいてんだガキがあああ!!」
「おい、あいつらヤバいんじゃねーか?」
「おい所長呼んで來い、俺が止めに行くから――」
そして、口論と毆り合いをしてしまい、俺も瓜屋も暴力振るったことが問題に挙げられた。先に手を出した瓜屋に非があったのに、奴は厳重注意で済まされた。一方の俺は...
「は?クビ...俺だけが??」
「う~~ん...まぁそうなるね。杉山君さぁ瓜屋のことだけならまだしも、他の皆のことも悪く言ってたって聞いたよ。格に問題あるとかクズとかさぁ。それは良くないと思うなぁ」
「いや......事実でしょうが!土井さんとか柿本さんとか大庵さんとか森本さんとかさァ!どいつも俺に罵聲浴びせるわ、確認取らずに目の前で喫煙するわ、ハブり者にするわ、俺は被害者だ!!」
「んー。まぁ彼らにも問題があったのかもしれないけど、杉山君にも問題があったんやないのかな?瓜屋みたいに暴力振るうには悪いことやけど君も手を出してしまったし...。ウチとしては社員を減らすのはあまりしたくないことやけど、問題起こしたアルバイトを雇うのは無理かなーって思ったから...」
............。結局お前もソレかよ。社員贔屓、バイトは替えが利く道。どっちかが同じ問題起こしても罰の度合いは俺らバイトの方が重くされる...。目の前のコイツも、俺を道...それも使えない奴としか見てねーんだ。
「ああそうかよ...。もうええわ。非正規雇用者に対する扱いがクソな會社なんて、こっちからお斷りだ...!あんなクズどもが蔓延るこんな會社なんかに、これ以上勤めてられるかよ!!ああ辭めてやるよクソがっ!!!」
「......ハァ、ちょっと嫌なことがあったからってそうやって切れる君こそ、問題あるやないか。もうすぐ人するんやからそういうとこしっかり――」
所長のウザい小言を聞くことなく、俺は部屋を出て更室へ行った。普段は社員らに挨拶して出て行かなければならないのだが、今日で辭める俺はもちろん無言で出ようとする。
「おい杉山...挨拶は?」
「...今日で辭めるんで。つーかお前らクソ野郎どもに挨拶なんかする価値無いわ」
「ハッ、自分が仕事出來ないくせに、ちょっと暴されたくらいで逆ギレするとかガキかよ」
「お前みたいな社會のクズなんかを雇うとこなんかねーよ。あったとしてもどうせすぐに辭めるのがオチやろ」
「初めからこっちに來なきゃよかったんやお前なんか。とっとと消えろガキが...!」
最後の最後まで俺を貶してゲラゲラ笑う社員どもに、靴れや中がった箱を投げつけて、一言二言怒鳴りつけてから俺は出て行った。
この時から俺は社會に酷く嫌悪を抱いていた...。
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