《転生して帰って來た俺は 異世界で得た力を使って復讐する》18-1
ピンポーン......ドンドンドンッ!
翌朝、インターホン音とドアを荒々しく叩く音で目が覚めて不快気に布団から出る。眠っているところにああいう音聞かされるのは不愉快だ。
それはそうとして、こうして暴な訪問をしてきた奴だが、大方の予想はついている。
洗面してジャージに著替えて(その間もインターホンとドア叩く音は続いた)なりをそれなりに整えてから玄関のドアを開けてやる。
「おはようございますー杉山...さん?君?まぁええわお前が友聖君でええよな?」
やっぱり...先日のヤクザの一員が俺のところに訪問しやがった。
「あーもう、朝からドンドン叩きやがって...あんな音で起こされる俺のになれやおい。俺は騒音が大嫌いなんやぞ」
睨みをきかせながらの挨拶に怯むどころか第一聲で文句を言う俺の態度に顔をひくつかせながらも話を進めてくる。
「それはスマンかったなぁ、手荒にして悪かったわ。けどウチの親分に大至急って言われたからそうも言うてられへんのや...。
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お前、人質取られてんのに呼びかけに応じへんかったそうやなぁ?」
やや凄んだ顔で俺に昨日のことを尋ねる。ハァと呆れた様子で返事する。
「いやさ、用があるならそっちから來いって話よ。人質取ってようが俺には関係ねーし。それ以前に俺に人質とか意味ねーし」
ヤクザは俺のマジトーンでの今の発言に若干引いた。どのセリフに引いたのか。
「......普通家族を人質に取られて來い言われたら來るもんやろ...。お前し狂っとるな...」
「引いたのそこかよ。別にええやろ?それよりどうするん?俺をここで拉致するんか?大聲上げれば即通報されるけど?というかもう通報されかけてるみたいやけど」
後方へ顎をしゃくって振り向かせる。隣とその隣の住人がこちらを怪し気に見て攜帯電話を持っている。あれは通報一歩手前ってところか。
周りを見たヤクザは小さく舌打ちして、俺に向き直って軽く頭を下げる。
「......こっちとしてはサツに目つけられるんは免やからな...。頼むから同行してくれへんか?じゃないとマジでお前の家族がどうなるか分からへんで?」
「人質は意味ねーって言ってんのに...まぁ良いけど。お前の希通りにしたるわ。面白そうやし」
「.........なんなんやコイツは。聞いた話やと見た目は二十歳のガキやったとちゃうんかよ...。どう見ても中坊やんけ」
小聲でぼやきながらも俺を連れて移し始める。一応周りに催眠をかけて今の一連のやりとりを忘れさせておいた。
「ところでお前らはマジのヤクザ?この國にはホンマにそういう組織があるんか?」
「......ああ俺らはお前が言うとこのヤクザ組織や。お前が先日行ったカジノを運営しているヤクザや。さらにはこの市の偉い奴とも提攜していることでも有名や。せやからお前......ウチの親分にそんな態度取ってたらただでは済まへんで?」
「忠告どうも。というかヤクザのくせにけっこう親やな?さっきの穏便な促しといい、もっと荒く來ると思ってたけど」
「本のヤクザがフィクションのそれと同じと思うなや?俺らにとって肩が狹い時世やからな、あまり人目につくことはせんようにしとるんや。まぁ俺は比較的穏やかやって言われてはいるけどな...」
などと車中で會話をしながら移すること約20分後、小さなビルの前で停車して到著やと聲をかけられて車から出る。ヤクザの後をついて歩いてビルにる。フロア紹介の欄でこのヤクザの名前を調べようとしたが全部空欄だった。
「このビル全部が、ウチらの縄張りや。他の會社は數年前から出て行ったわ」
質問したらそう返ってきた。隨分荒っぽいことしてんじゃねーか。
エレベーターに乗り5のボタンを押す。上昇している最中、俺はヤクザに忠告する。
「おい、俺をエレベーターから降ろしたらお前はそのまま下へ降りてここから離れろ。場合によってはお前の組織の運営は今日限りになるで」
「......おいガキ。デカい口叩くのもそこまでにしとけ。お前長生きしたいやろ?なら逆らうべきやない人間には逆らわへんことや。俺もそうして今まで生きてきたし、こんな...裏の仕事をする人間をしとるからな」
またあの凄んだ顔で俺に警告をする。俺はそれを鼻で笑って言い返す。
「お前さ、とっくに気付いてるんやろ?俺が普通やないってこと。何か...ヤバいものを持ってるって。俺は親切に促してるんやで?巻き込まれないように...。もう二度と子どもに會われへんようになんの、嫌やろ?」
「お前......いったい何なんや?どういう生き方してたらそんな目をするようになるんや...。お前、もう何人もヤってるな?」
「さてどうかなー?まぁとりあえず......《《今日はもう帰れ》》」
最後に催眠をかけてヤクザをエレベーターに乗せたままにして、自分の家へ帰らせた。あいつは検索したところ俺にとって害にはならない人種だと分かった。ヤクザだからといって確定害悪ではないと言うわけやな。まぁバンピーの中の方が害悪いっぱいいるしな。いずれにしろ今のヤクザは別に殺さなくて良い。
だがここからは...俺を不快にさせるならぶち殺そうか...。
エレベーターからさほど離れていないドアを雑にノックして開けて中へる。俺の無遠慮な室にヤクザ連中は威嚇の視線を向ける。誰もが武裝している。日本刀に短剣など刃を持った奴ばかりいる。
「あのー。お前らに呼ばれて來た杉山友聖ですー。朝早くから呼びつけやがっていったい何の用やねん。下らん用やったら殺すぞ?」
俺の言に対する怒りとこいつ狀況分かってんのかっていう馬鹿を見る視線が向けられる中、大層派手な飾りをつけたオッサンが近づいてきた。顔に強面を思わせる皺がっていて実年齢より老けてそうな面だ。
「俺はこの明村興業を仕切ってる後藤言うもんや。杉山友聖、自分のそのナメた口のことは後にしてや......瀬戸の奴はどこ行ったんや?自分と一緒に來たはずやろ?」
「ああ俺に親になって々教えてくれたあのヤクザならさっきエレベーターで別れてきたで?まぁトイレか何かちゃうか?知らんけど」
皺だらけの顔をさらにしわくちゃにして俺をねめつけて凄むが俺はマイペースのままでじることはない。他の組員がさっきって來た扉の前に立ち俺の退路を塞ぐ。穏やかに話をする雰囲気ではなくなってきた。
「瀬戸の捜索はこの件の後で良いとして...。今日自分をここに呼んだんは、ウチの甥のことや...。単刀直に訊くで......優をどうしたんや自分?」
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