《転生して帰って來た俺は 異世界で得た力を使って復讐する》25★

校舎が破壊されていきやがて瓦礫の山と化す。そしてその建の中にいた人間どもも巻き込まれる。始業前の時間だったこともあって、まだ外にいて助かった奴らもいたが、それでも今の俺の魔で百數人は死んだ。

さっきまでの俺とは考えられない、もの凄い威力だった。破壊魔を放つ直前にリリナは咄嗟に防結界を展開していたのだが、それすらも用意に破ってのけた。

さっきまではリリナの魔力が圧倒的上だったはずが、まさかこうも逆転するとはな。

(何やこの力...。のままに怒ってぶちまけたらこうなってた。それと関係あるんか?あるいは今も潛伏してるらしいサタンとやらの仕業か?)

突然の強化の原因は不明。けど理由なんか今はどうだっていい。“力”がさらに得られたんや。ならすることは一つ......、

「復讐、復讐や...!俺は今日その為に來たんやからな。邪魔する奴らはこの力で殺す。俺に優しくねー世界の住人どもがいくら死のうがかまへん。俺は俺のやりたいようにするだけや」

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リリナがどうなったのかは分からん。結界を破る威力の魔の余波をくらったはずやからそれなりにダメージは負ってるはず。この隙にやるとしよか!

《《奴》》が今どこにいるのかはすぐに分かる。検索魔で居場所を即特定、移、標的発見、《《そいつ》》の首を摑んで急上昇!

「ぅわあああああああ!?!?な、な......空!?飛んで......っ!!」

標的...上方逸樹を摑んで空へ移し、空中に上方を浮かばせて拘束する。坊主にちかい量の頭をしたキモい剽軽顔の上方はパニックを起こしてジタバタしている。

「この時代では初めましてやなぁ、上方逸樹君。俺は...名前はどうでもいいか。今から殺すんやし」

「は、あっ!?殺す!?何で!?何で俺をそんな、はああ!?!?」

「......とりあえず記憶流すか。俺が何でお前を憎んでるのかを。ほい」

上方の頭に俺の記憶を共有させる。一度目の人生でこいつが俺に何をしたのかを。二度目の人生の中でこいつはどうなったのかを。

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「~~~~~っつぅ!?!?は?俺殺されてる?今やなくて40過ぎたオッサンの時に!?な、何やねんこれぇ!?」

「まぁ記憶の通りや。オッサンのお前殺しても味が薄いわけで、過去に...ちょうど高校生になったお前がいる時代に戻って、復讐の続きしに來たわけや...!」

「ひ、ぃ...!?おい、おいぃ!!杉山、君?お前俺を散々甚振って殺したんやから、もうええやろ!?俺も十分反省したし!い、めに加擔こともホンマにスマンって思ってる!!マジでゴメン!すみませんでしたっ!!なぁ頼む、今の記憶がホンマなら俺はもう十分裁かれたやろ!?」

きできないを必死にかそうと芋蟲みたいに藻掻く。

「俺は前原や中村とかいう奴らとは違って暴力振るわんかったし。つ、罪は軽いはずやろ?俺はただ、杉山の暴さを大げさに悪く広めただけで――」

「十分大きな罪やないけ。何が軽いや白けたことほざくな害蟲が」

ガンッ「う”ぼえぇ...!」

顔面を雑に毆って鼻を潰す。

「それに言うてるやろ?オッサンのお前殺しても心が満たし切れてへんから、今のお前をその醜悪な面を見下しながらぶち殺しに來たんやろが。高校生でけたあの屈辱を、高校生のお前に晴らすことが、最高の復讐になるんやろがバアアアァカ!!」

ガン、ドス、グサ、ベキ!

「~~~ぃぎゃあああああ!!」

手甲で毆り、剣で四肢を刺しまくり、バットで骨を砕く。そうしてしばらく上方の存在を壊して弄んでいると――、

「友聖っ!!」

下方から俺の名を...リリナが現れる。そのにさっきの破壊魔のダメージが見られる。今の俺なら奴と互角もしくはそれ以上に戦えると確信する。

「その人は...!?また、殺すつもりなの!?」

「當たり前やろ?コイツは復讐対象なんやから。ホンマやったらここからさらに楽しい拷問にかけようって思ってたけどお前みたいな敵に邪魔されそうやから、殘念でしゃーないけど......もう殺すか」

「ひぇ!?お、おいマジで言ってるのかよせよ!?なぁそこの人さん!この狂人を止めてくれよ!?頼む死にたくねぇ助けてくれぇ!!」

俺の死刑宣言を聞いた上方はリリナに助けを求めるなど必死に死を回避しようとする。

「友聖!その人を解放してあげて!!もう...やめて。今のあなたがやってるのは復讐ですらないわ。ただあなたの鬱憤を晴らす為の殺よ...!」

「たとえそうやとしても!俺の心を晴らせるんなら何でもええわ!!この世界の住人である限り、こいつ等の命は俺にとって無価値なんやからなァ!!!」

「っ!友聖......っ!!」

リリナの説得をまともに聞くことなく俺は瞬間移で急降下する。リリナもすぐに追いかけてくるが俺の方が速い!スキルに加えて風魔で加速させている俺の速度はマッハ100に迫る。上方にはシールドを張っている。衝撃波で死ぬなんてつまらん殺し方はしたくねーからな。代わりに奴のに釘を大量に打っておいた。

「あ”あ”あ”あ”あ”!!痛いいだい”い”い”!!何がどうなっで!?」

「死ぬんやお前は。釘の激痛に苦しみながら......このままマッハで急降下した末に地面に激突して、木端微塵《こっぱみじん》に砕け散って死ぬんだよっ!!」

「あ”、あ”ぁ......嫌や。嫌や嫌や!!助けて、赦して!!ごめんなさい止めてくれえええええええええ!!!」

「あっはははははははは!!止めるかよォ!?お前が死ねば俺が幸せになれるんやから!!ふっははははははははぁ!!」

「友聖止めて、もうそんなことは止めて......っ!!」

痛みと死の恐怖に泣きぶ上方。その無様を嗤い急降下し続ける俺。俺の復讐(殺)を止めようと呼びかけながら追ってくるリリナ。

三人のこの狀況はほんの數秒間だった。

「そぉおおれっ!!」

「ア”ア”ア”ァ”ア”―――」

パァア―――ン......ッ

地面激突まで5mといった距離から俺はシールドを解除して上方を力いっぱい下へ叩きつけた!

い~~~い音を鳴らせて、上方逸樹は破裂して汚い片と化してその無価値な命を終わらせた。

「っ.........!!」

5秒経ったくらいでリリナが俺に追いついてきたがもう手遅れ。彼は地面を見て愕然とする。そこには脂《あぶら》が混じった汚いの染みができていて、近くの瓦礫にはその飛沫が飛んでいる。他にも上方の片と骨片もあちこち散らばっている。

常人が見れば不快に襲われ目を背けたくなるような慘狀を、リリナは愕然と、そして悲痛な面持ちでそれらを見る。

「なんて......こと、を...っ」

視線をの染みから俺の方へ向ける。その目には悲しみと若干の怒りが込められている。

「はぁ?何その目ぇ?怒ってる?蔑んでる?どちらにしろ敵にそんな目向けられたら...殺したくなるやんか、なァ」

「また、罪を重ねて......。今の人はそんなに殺すべき人だったの?この時代では友聖のこと知ってすらなかったのに...。この時代ではお互い不干渉でいこうって思えなかったの...!?」

「何を言うかと思えば...。それが許容出來ひんからこうしてぶち殺したんやろうが。あとな、罪とか言ったが...確かにお前らからしたら罪な…許されざる所業にあたるんやろうけど...」

けどなァと呟いて、俺は悪意に満ちた笑みを見せて続きを言う――

「俺にとっては《《救済》》や!そう...俺の為だけの救済、俺の心を浄化する為の儀式。俺の中だけでは、この復讐行為は正當化される!俺の中では正しいんや!!

お前らがどれだけ避難しようが糾弾しようが知るかよ!お前らが罪だ許されないだ最低だ非道だ悪だと指差してどれだけ責めて罵ろうが俺には関係ねェ!!

俺さえ良ければどうでもええわバァアアアカがっっっ!!!」

自己中心、傍若無人、唯我獨尊、我田引水......俺を表現するのに、これらの語を當てることさえ生溫いのでは?最早そんな次元を超えてる。

俺は世の中が“どうでもいい”で済まそうとは思ってへん......“滅べ”と念じてさえいる...。

俺のそういう狂った要素を全部ひっくるめて、お前らは俺をこう呼ぶんやろうな.........

「“化け”」

と―――――

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