《No title_君なら何とタイトルをつけるか》戦爭
 荒々しい海上で激しい戦闘が繰り広げられていた。海上団、反逆者リアム率いる軍隊と彼等に協力している空団とが団長の座を巡って戦っていた。
「第二、第三艦隊、砲撃用意!!」
グレイがトランシーバーで各艦隊に指示を出すとイグニスは砲長として指示を出した。
「撃て~~~!!」
指示が出されたと同時に、各艦隊の大筒が火を吹き、弾が戦闘機に直撃した。だが、戦闘機の勢いは衰えず、艦に攻撃してきた。
「そ、そんな……。勢いが衰えないなんて……。」
団員達に揺のが見え始めた。
「攻撃を続行しろ!」
再びグレイが指示を出した。その度にイグニスは指示し、弾が発される。それを繰り返すに、とうとう弾切れになってしまった。
「グレイ指揮、第二、第三艦隊から弾切れとの報告が……!」
団員がそう告げると、グレイは目付きを変えた。
「では、第四、第五艦隊、砲撃用意!」
第二、第三艦隊に伝えたものと同じ指示を第四、第五艦隊に繰り返す。弾切れの報告が來ては艦隊を替えて砲撃を続行する…という計畫を持って指揮をしていた。
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 一方、第二、第三艦隊含め弾切れの艦隊は一旦基地へ戻り弾を艦に積んでいた。
「完了しました!」
団員達が報告する聲が沢山聞こえてくる。
「弾切れになっては基地に戻って、弾を積んで戦場に行く。キリがないね」
そう言ってメコは大きな溜め息をついた。
「全く、しぶとい戦闘機だなぁ。やっと倒したかと思えば蟲の様に次々と湧いて來る…嫌になっちゃうよ」
ハイネとメコは大きな溜め息をついていた。
空団の戦闘機とずっと遠くに見えるリアム達の戦艦は日が暮れると見えなくなり海上団も明日に備えて基地へ戻ると団員達は確実に減っていた。
「団長…!!」
「ヴェルザ、如何した…?」
「団長は命を狙われているのですから艦に乗っていては危険です!」
「んー…それは海上団団長として出來ない。言ったよな?僕はやらなきゃいけない事があるんだ…僕はそれまで死ぬ訳にはいけない。だから君を護衛役として付けた」
「それはそうですが…!自分にも限界があって…!」
「…そうだね、君の言う通りだ。明日からは気をつけるよ」
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ハイネは困ったように微笑んだ。
「団長!陸上団から連絡が!」
1人団員がハイネに駆け付けてきた。
「如何した?」
団員の顔は悪く恐れた目をしていた。
「アメリカ軍が陸上団の基地に攻撃してきており、本土は今 混狀態であります!」
「…!!」
ハイネは驚き走って會議室へ向かった。そこにはグレイ、アイ、メコ、イグニスが揃っていた。
「団長…何かがおかしいです」
「あぁ、分かっている」
グレイは深刻な顔をしてハイネに問いた。
「どう致しましょうか?」
「…どうしようも出來ない。此方の戦爭も厳しい狀態で、陸上団も急な戦爭が始まり混狀態、空団は裏切り者…」
「いったい何が起こっているんでしょうかね?」
溜息混じりでアイは呟く。
戦爭が始まり3週間目 各基地から遠征は來るものの毎日のように亡くなって行く団員達の意思を引き継ごうとまだ頑張る団員達にもそろそろ力に限界が近付いてきていた。そんな時に最悪の事が起こった。
「イグニス 作戦を変える。弾は戦闘機が最も近付いて來た時に撃て、しでも命中率を上げる」
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「了解です」
一際大きな戦闘機が第4艦隊の上を通ろうとしていた。戦闘機の弾槽が開き大きな弾が落とされた。風と黒煙が周りの艦まで襲ってきた。
「…第4艦隊 沈沒」
グレイは心無い聲で放送報告した。
その戦闘機は第5、6、7、8艦隊を次々と沈沒させた。救助に向かった小さな艦はリアム達率いる戦艦から狙われ、大砲が直撃し沈沒した。
「…っ!サラ指揮!どう致しましょうか?」
空から降るように落ちてくる戦闘機。
海面に浮かぶ敵と味方の死。
海に沈んで行く艦。
艦の上でを流し倒れている生死不明の団員達の姿。それらを司令室から見ているヴェルザと団長は目を見開きグレイを呼んだ。
「……!サラ指揮!!!」
イグニスがグレイを押し倒すと直ぐ近くで発音がした。その音でグレイは鼓が破れそうになったが、それより目の前の景に驚いた。
「…イグニス?」
イグニスの背中には鉄の破片が複數ささっており、を吐いて倒れた。
落ちてくる弾がグレイの上空にある事に気付いたイグニスはグレイを庇い押し倒したのだった。その様子を見たハイネとヴェルザは走って駆け付けてきた。
「イグニス!大丈夫か?!」
意識が朦朧とするイグニスの目を見たハイネはイグニスを抱えて醫務室へと走った。
「アイ!!イグニスが重癥なんだ!直ぐに手を頼む」
他の団員の治療で慌ただしい醫務室でアイはイグニスの姿を見ると優先順位を考え、1番重癥のイグニスをベッドに寢かせた。
「酷い狀態…貴方達は持ち場に戻って下さい。イグニスはきっと助けますから」
渋々 3人は醫務室を出て行くさい、グレイは意識が無いイグニスを見て呟いた。
「死んだら、殺すぞ…」
「まさか…イグニスまで…」
ヴェルザは重々しい聲で呟いた。
「…いくら補佐だからってあそこまでするとは予想外だった」
し弱った顔のグレイを見たヴェルザは俯いた。ハイネは最後の手段として作戦を放送で伝えた。
「作戦を発表する…サラ・グレイ指揮をリアム率いる戦艦に乗り込ませる。だが、1人では厳しい…そのため特別班の暗殺部隊は指揮を援護しろ。乗り込む目的は…リアムと反逆者を処分し戦艦5隻のうち4隻を沈沒させ無事帰還する事だ」
その放送を聞いた暗殺部隊24人とヴェルザとグレイは裝備室へ向かった。
「ヴェルちゃん…お互い生きてまた會おうね」
グレイは微笑みながらも焦るようにそう言った。
「はい…」
裝備の完了した暗殺部隊とグレイの乗る艦はリアム率いる戦艦に當たりしそうなくらい近付いていた。グレイ率いる班は1番最初にリアムのいる戦艦に乗り込む計畫だった。
「…突撃!!」
グレイの指示とともに艦から飛び出てリアム率いる戦艦に著地した。
「反逆者を処分しろ…」
その指示を聞いた暗殺部隊は一斉に反逆者に飛び掛った。5隻の戦艦 1隻に5人辺りが乗り込み次々と反逆者を処分していった。
ヴェルザはグレイのいる付近で反逆者をナイフで切り捨てていっていた。
「や、やめてくれ…!!」 
元 団員達の泣きぶ聲など頭にれずヴェルザは塗れになりながらも処分していった。赤い目がギラりとり誰もがそれを見たら鬼と言うだろう。
數分で戦艦の外は靜かになった。
「…リアムは戦艦にいるだろう。直ちに処分しろ」
グレイは指示を出すと戦艦に足音1つ立てずに潛り込んだ。そんな張の中 連絡がきた。音質が悪いがハッキリと聞くことができた。
「…あなた方の乗り込んだ戦艦以外は全て沈沒させる事に功致しました、団長からの伝言で座います…あと1時間で作戦を功させ帰還しろ。時間を過ぎたら迷わず沈沒させるため撃つ…だそうです」
連絡は途切れ、焦りが湧いてきた。
司令室まで辿り著くと扉を勢い良く開けた。
そこには予想通りリアムとアイク、生き殘っていた反逆者が數人 がリアムを庇うように立っていた。
「…良くここまで來れましたね」
「リアム、貴方とその者達を処分するように命令されている。悪く思うなよ」
リアムの黒い目が赤黒くった。
「お前達、私を守れ」
反逆者は襲い掛かってきたが、所詮は元一般団員だ。特別班の暗殺部隊5人には蟻を潰すような軽さで反逆者數人は殺られた。
「リアム…何故 貴方はこんな事をしている?」
グレイは問いた。
「…さぁな、団長の座を狙うつもり事を起こしたが…何だか今思うと違う理由もあったはずだ」
「…」
ヴェルザは初めてリアムの微笑んだ顔を見た。それは寂しいや苛立ちの混ざった顔だった。
庇う者が1人になったアイクはリアムの前に立ち何かを小聲で伝えた。
「副団長…逃げてください」
アイクは手榴弾を取り出した。ヴェルザとグレイ以外は同様を見せた、その隙にリアムは窓を割って飛び逃げた。
「…!!」
ヴェルザは追いかけようとしたがグレイに止められた。
「無事に帰還するのも作戦だぞ。勝手にくな」
アイクの全は震えていたが目だけは真っ直ぐだった。リアムを命を懸けてまで庇うアイクの姿を見てヴェルザは悲しくなった。
「…貴方、団長の部下だったのに…なんで…」
「五月蝿い!団長の部下になったのは全て副団長のためだったんだよ!」
ヴェルザは何も応える事が出來なかった。
戦艦の外では戦闘機が到著しており、リアムはそれに乗り込んで逃げていった。
「…はぁ、君のせいで作戦の1つ失敗だ。でも殘ったのは君だけ、死の覚悟は出來てる?」
アイクはリアムの乗った戦闘機を見た後、手から手榴弾を離した。グレイはそれを見て拳銃をアイクに向け頭を狙って発砲した。
「どうか…ご無事でいてください。副団長」
そう言い殘したアイクは倒れた。
リアムに逃げられたが他の作戦を功させたグレイ率いる班は帰還した。
「申し訳ございません…リアムに逃げられました」
ハイネは「そうか…」と一言言った。
「…しかし、戦艦の勢力が無くなった分しは犠牲が減った。有難う…サラ、ヴェルザ、今すぐ醫務室に行きなさい…」
「イグニスがどうかしたんですか?」
グレイは焦り口調でそう言った。ハイネは何も答えなかった。
ヴェルザとグレイは走って醫務室にった。
「アイ!イグニスは?」
「…此処にあるだけじゃ治療は不完全で…本土の病院に行くしか…助からない」
アイはグレイを見ることは出來なかった。
「指揮…」
グレイの目はを失いながらも開いており、一即発の狀態だった。イグニスの意識は未だに戻っておらず荒い呼吸だけが生きている事を確認出來るものだった。
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