《No title_君なら何とタイトルをつけるか》再會
日本がポツダム宣言を諾したあの夏の日からその後 ウキは大罪人として終刑となり、エイダンは大した罪を犯していなかったことから自由のとなり…ハイネに関するニュースや記事では行方不明や走、死刑などと謎のまま取り上げられどうなったかは分からない…3年後の今になっていた。
ヴェルザは本土へ帰省後 SP(セキュリティポリス)専門の組織で働き始め安定した生活を送る事が出來ていた。
「ヴェルザ 雇い主の所へ行く時間だ」
「…はい」
組織ではコンビが決まっていてほとんどはパートナーと仕事をする事が決まっていた。
ヴェルザのパートナーとなった男上司の神谷 風良は組織で優秀な人間として名の知れている人だった。
「今回の雇い主は數ヶ月前から車でひかれそうになったりするそうだ。しかも同じ車に…警察も全力で特定を急いでいるが なかなか捕まらないらしい。だから捕まるまで俺らがSPをする事になったんだ」
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「…雇い主って50代のご婦人でしたよね?」
「あぁ…歳ながらご近所さんからの聞き込みではあまり良く思われていないらしい」
「恨まれているんですかね…」
「そうだろうな…」
2人は派手な家の中にると眉間に皺を寄せた。香水の強い匂いが鼻を狂わせていた。 
「あら、今から犬のセバンちゃんの散歩に行こうと思っていたのだけれど…來て早々仕事を任されて頂戴」
「分かりました」
神谷は無理な作り笑いをして見せた。
「私 マリアと申しますの…貴方 若いわね」
「自分はヴェルザと申します…」
マリアは犬のリードを持ちながらご機嫌そうに散歩をしていた。その背後で2人はSPをしていて辺りを警戒しながら歩いていた。
「……!!」
マリアの前から車がやって來た。報通りの赤い軽自車は猛スピードで迫ってきていた。
「マリアさん!」 
ヴェルザは道を外れてマリアを押し倒し神谷は警察に連絡をした。
「痛いっ!」
「…?」
マリアの腕が痛々しく腫れていた。
「申し訳ございません…!自分は加減を考えずに…っ」
「折れているな…近くの病院へ行くぞ」
神谷はマリアを抱え小さな町病院へった。
「あの…!腕を折られているんです。治療して頂けますか?」
看護師は奧の部屋にって行き直ぐに戻ってきた。
「大丈夫です。治療室へおりください」
「分かりました」
マリアは椅子に座り不機嫌そうにしていた。
「えっと…患者さん…お名前を教えてください」
奧の部屋から出てきたを見たヴェルザは目を見開いた。そこには當時の姿とそこまで変わっていないアイがいた。アイはヴェルザに気付いていなくマリアの腕を真剣に治療していた。
「ん~…2ヶ月弱で完治しますからまた何かありましたらお越しください」
病院を出た後 警察から犯人を捕まえたと連絡が來た。
「明日の朝には事務所に帰れるぞ」
「早く終わりましたね……」
「…?」
「…神谷さん。先に宿泊亭に帰って頂けませんか?」
「構わないが、どうしたんだ?」
「病院に知人が居て…」
「そうか、なら行ってこい」
「有難う座います」
ヴェルザは走って病院へ戻った。
「…?何かお忘れですか?」
「い、いえ 違います…あの先程の…」
「あぁ…アイ先生ですか?」
「そうです」
「アイ先生!」
看護師は奧の部屋にいるアイを呼び出した。アイは白を著たままヴェルザの前に現れた。
「…ヴェルザ?」
「アイ…」
「ど、どうして?貴方 知に住んでいるの?」
「違う…自分は仕事でここに來た」
「そうなの…お、驚いたわ。3年ぶりだね」
「…アイ。他の人の居場所は分かっているの?」
「メコは神奈川の中華街で店を出しているそうだけど…去年の春 會ったきりよ…イグニスやグレイ…団長は何処に居るんだろうね」
「日本に居る限り 自分は団長を探し出します」
「あの日 言っていたことが実行させる時が來たのね…ねぇヴェルザ」
「…?」
アイは心配そうな顔をしてヴェルザを見つめた。
「また…6人揃う時がくるのかな…?」
「…自分が皆を招き戻す」
ヴェルザは一言そう言って病院を出た。
アイはその姿を応援していながらも心配そうに見守っていた。
「神谷さん、自分…長期間の休みを貰いました。今まで年中無休で働いてきた褒として許可されたんです」
神谷は眉間に皺を寄せ言葉を放った。
「お前 休みの間どうする気だ?最近のお前は何か変だった…事を教えてくれないか?」
ヴェルザは神谷を真っ直ぐに見て答えた。
「過去に宣言した事を実行させる時が來たんです…自分は人探しをします」
「…人探し?」
真っ直ぐな目をしたヴェルザを初めて見た神谷の心がいた。社したての頃のヴェルザは何かに怯えていたように神谷には見えていた。
「新社員のヴェルザ…あいつ元海上団の団員だったらしいぞ」「戦爭帰りの奴は何かが違うな」「人殺しとかしてたんだろ?」そんな噂を小耳に聞いても神谷は全て心の中で全否定をしていた…確かにヴェルザは何かが違う…だが いつも怯えていながらも仕事になると真剣になるあいつは、誰よりも優しい心を持つ奴だ…と。
「…実は社前の職でお世話になった人達がいて その人を探し出すって…」 
「もう結構だ。好きにしろ…ただし用心するんだぞ」
神谷はヴェルザの話を途中で遮った。
「…はい」
「はぁ…この仕事 辭めないでくれよ?俺は結構部下としてお前を認めているからな…」
ヴェルザは目を見開き芯のった聲で一時の別れを言い長期間の休みにった。
翌朝からヴェルザはメコが居ると報のあった中華街のある橫浜へ向かった。ヴェルザが住んでいる東京からそこまで遠くはない神奈川に著くとそこには沿岸に工場が建ち並ぶ工業地帯。ヴェルザの脳裏で戦爭の中 立ち昇る煙が浮かびその中にハイネが捕らわれ何処かに連れていかれる姿が見えた。必死に手をばして取り返そうとしてもダメだったヴェルザの手はいつの間にか落ちていた。
「賑やかだな…」
観客や通行人が溢れかえている中華街は午前中ながらも賑わっていた。
「…こんなに店があるとメコさんを見つけられないのでは…?」
行き先の重々しい狀況に溜息をついた。
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