《No title_君なら何とタイトルをつけるか》の足跡

「おばあちゃん!語の続き聞かせて」

男の子がヴェルザの布団の中へとってきた。

「いいわよ。その後ね…青いは待っていたわ。最初に來たのは赤いだったわ…それから緑の年、桃の、黃の年…そして灰の…再會した子供達は笑顔で手を繋いで「來世でまた會おう」と誓い、神様の定めた道をそれぞれ走って行った…」

「青いは待ってる間寂しかっただろうなぁ」

ヴェルザは微笑んで男の子の頭をでた。

「そうね…けどもう寂しくないわ」

「うん!」

「ほら、もうおやすみなさい」

「はーい。おやすみ」

「おやすみなさい…してるわ。

                My lovely grandson     」

海が月明かりに照らされて煌めいていた。

浜辺に建てられた碑に書かれていた。

末代団長 

ハイネ・スピリト(須飛利斗 羽音)82

          友よ…安らかに眠ってくれ

元 連合艦隊司令

          サラ・グレイ(雲砅 桜來)23

元 総料理長

          メコ・ロンリネス(里音 明胡)68

元 本部事務長

          マルス・イグニス(伊國 眩樓)75

元 軍醫

          アイ・グリーフ(栗苻 )80

碑の周りには以前より多くの花束が置かれ、その中には族が置いて行ったと思われる品がたくさんあった。

指揮の外套や調理、古びたメガネや結婚指。そして…ハイネ・スピリトの品 「寫真」は綺麗に箱にれてあった。

あれから何十年も経った…。

自分は思っていたよりも長生きで皆さんを待たせていた。けれど そろそろ行けそうです。

男の子が眠るヴェルザにしがみついて泣いている。後ろではハイネに良く似た男も泣いていた。

「ごめんなさい…行かなきゃ」

ヴェルザは先に來ている複數の足跡を辿ってしだけ小走りで向かった。

眩しいの空間を抜けた先には皆さんが笑顔で迎えていてくれた。

「ヴェルちゃん遅かったじゃないか!」

指揮が待ちくたびれた顔をした。

「お腹空いてないかい?」

メコさんが無邪気に笑った。

「久しぶりだな。見守っていたぞ」

イグニスが微笑んだ。

「元気そうね」

アイがヴェルザの手を取った。

「さぁ、こっちよ」

連れられた所にはハイネさんがいた。

「ルキを頼んでしまったな…すまない。ユウトの面倒を見ていたな…ありがとう」

「いえ、自分の大切な子供と孫ですから當然のことですよ」

ハイネがヴェルザを軽々しく持ち上げた。

「…!?」

「いいだろ?」

「し、仕方がないですね…」

ヴェルザは困っていながらもどこか幸せそうに笑っていた。

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