---「そう言えばスフィアってなんだ？」

報収集する為人気の多そうなビル街へと向かっているがスフィアというのが何なのかはよく思い出せ無い。

(人の名前？それともお店の名前かな？)

まずそれだけでも思い出せ無いものか？

ドウゥゥーン

「おわっ！」

大きな騒音と地鳴りがして思わず驚いてしまった。

どうやらビル街の方から聞こえてきたが…

「どうすっかなあ～」

丁度向かっている所なのだが今行くと危ない気がしてきた。

「オラ～！！どけ～～！！」

急に前から男が飛んできた。

黒ずくめの男の前で著地するとそのまま橫を通りまた飛んで行った。

「おわっ！」

(一、何だったんだ？)

後ろを振り返るとさっきの男はもう姿が見えなくなっていた。

「？？」

もう何が起きているのか理解が追いつか無かった。ただでさえ記憶を失くしているというのに…

「ああっ、せっかく捕まえたのに～！！」

すると前からの人の聲がした。前に向き直すと金髪のツインテ子が男の前に立っていた。

(ひょっとしてさっきの人を追いかけてたのかな？)

ツインテ子はれた呼吸を整えながらこちらに向かって來た。

「ねえ、ちょっとイイ？」

ツインテ子が男に話かけてきた。

「ハ、ハイ？」

あまり狀況が飲み込めないまま返事をした。

「さっき、コッチに男が飛んできたでしょ。どっちに行ったか分からない？」

「え～と、よく見えなかったんですけど、多分真っ直ぐ行ったと思います」

ツインテ子の質問に渋々男は答えた。

「そう、ありがと」

そう言うとツインテ子は立ち去ろうとした。

男の橫を通ろうとした時、一瞬左の袖に「Sphereスフィア」と描かれているのが見えた。

「ちょっと待って！」

すかさず男はツインテ子の腕を摑んだ。

「ちょっ、あんた、急に何よ！」

流石にイキナリ摑んだものだからツインテ子はしキレ気味に言った。

「ゴ、ゴメンなさい。1つ聞きたいことがあって…」

「はあ、何？」

しイラついているご様子の彼だが取り敢えず話を聞いてくれそうだったので男は彼にとある事を聞いてみた。

「あの、失禮ですがあなた、『スフィア』さんですか？」

すると質問に対し彼は、

「はあ？」

しの間、靜寂の空気が流れた。