炎の攻撃が初めて決まった。柑菜戦の時は炎で避けて攻撃勢のまま気を失ってしまったので実際に相手に攻撃を當てたのはコレが初めてである。

 「ぐうっ！」

 豪鬼の背中は炎の黒い炎で燃えていた。だがあっという間に炎はかき消されてしまった。

 (けど、それで良いんだ！格上相手にココまで闘したんだ。例えここからボコボコにされても十分なくらいだ！)

 炎はふと笑みを浮かべた。力を十分に出しきり満足している様子だった。

 「なんや、もう満足みたいな顔しとるのお」

 すると豪鬼からとてつもない殺気を炎はじ取った。

 「…！？」

 「そんじゃあ、ココで死ぬか？」

 にピリつく殺気が炎に恐怖を與えた。

 その頃外で見していた志村の所に柑菜と涼子が慌てながら乗り込んで來た。

 「ちょっと局長！何してるんですか？」

 柑菜は責めるように志村に問いただしてくる。

 「私達凄い殺気をじて來たんです。どうか2人を止めてください！」

 涼子は心配そうな顔をして志村に言った。

 「………」

 しかし志村は何か考え込んでいる顔をして沈黙していた。

 「局長！！」

 柑菜は大きな聲を張り上げる。彼の心は焦っているようだった。

 「…分かった。今回ばかりは中止だな」

 ようやく重い腰を上げる志村はトレーニングルームのドアを開けようとしたがドアノブが回らない。

 「………！？」

何度も回してみるがちっともく気がしない。志村はドアノブを片手に再び黙り込んでしまった。

 「どうやら豪鬼さんには一杯くわされたようだね」

 「どうしたんですか？」

 涼子は黙り込む志村にそう聞いてくる。その志村はしてやられたと言わんばかりの渋る表を見せていた。

 「側のドアノブを変な方向に曲げて回せなくしてある」

 「ええーー！！」「ええーー！！」

 柑菜と涼子はハモるように聲を上げる。どうやら豪鬼は邪魔されない為に開けられない様にしてあったのだ。

 そんな狀態で足止めをくらっている間、豪鬼は炎を鬼の様に睨みつけていた。逃げようにもがボロボロで立っているので一杯だった。そして豪鬼は右腕を大きく振りかぶった。豪鬼の目は白目を剝き充している。まるで正気を失い狂気に変わったかのようだった。

 「…シネ！」

 その瞬間炎は死をじた。

 (ーー菜)

 死をじた直前、炎は誰かの名前と後ろ姿がふと頭に浮かんだ。金髪でツインテの、どこかで見覚えのある姿。だがどことなく自分の知っている人とは雰囲気をしていた。一誰なんだ？

 「風銃ウィンドブロー・ガン！」

 ふと現実に引き戻されると豪鬼が振り被った右腕が目の前に突きつけられた。すると炎のに異変が起こった。が一気に発するような覚があった。

 「ごはっ！！！」

 炎は大量に吐しただけでなく中からが流れる。そんな事態とほぼ同時に志村達はドアを蹴破り中にってきた。

 「炎ーー！！」

 ドアを破るといち早く柑菜がトレーニングルームにって來た。そして柑菜のびがトレーニングルームに響き渡った。