《BLOOD HERO'S》episode3 #14「夜の集い」

 ---豪鬼の最後のトレーニングが終わったその日の夜、志村のところに豪鬼、柑菜、涼子、細谷の4人が集められた。

 「ホッントひやひやしましたよ。もうしで殺しちゃいそうだったじゃないですかー!」

 柑菜は豪鬼に向かって説教を垂れる。

 「お前さんも人んこと言えた立場か。お前も殺す気でやってたやないのー」

「ゔっ、それは…」

 豪鬼の発言に柑菜は何も言い返せなかった。

 「でも炎君が一命をとりとめてよかったです」

涼子はホッとしたかの様に言った。あの後、炎はスグに醫務室に連れていかれ急手をすることになったのだ。幸い命に別狀はなかったそうだが、暫くはけそうになかった。

 「全く、豪鬼さんは人が悪すぎる。危うく折角ってきた貴重な新人を失うとこだったよ」

 志村は皮っぽく言った。

 「わーっとるよ!もうあんなマネしねーよ」

 豪鬼は葉巻に火を點けながらそう返した。

 「…でも豪鬼さんが本気を出すなんて珍しいねー」

 志村はメガネを上げながら豪鬼に問いかけた。

 「ああ、そやの~。何年ぶりかの~」

 豪鬼は自分の右手を閉めたり開いたりしながら見つめていた。

 「あの時、何考えてたの?」

 志村はさらに問い詰めてみたが豪鬼は暫く黙ってから口を開いた。

 「…振り返った時、アイツの目が一瞬殺気を放っておった。本気で殺しに掛かってくる奴の眼やったわ。せやからこっちもムキになってしもうた」

 豪鬼はそう言うと吸っていた葉巻を握り潰した。

「せやけどアイツは強よーなるでー!ここの誰よりよものー」

 「それって私よりも?」

 豪鬼の発言に誰よりも先に志村が聞き返した。

 「さあのー。それは分からへん」

 「矛盾してるなー、その発言」

 曖昧な返事をされて困った顔をする志村。

 「それぐらい期待出來るっちゅう意味や!」

 そう言うと再び葉巻を取り出し火を點けた。

 「でも正直あそこまで長したのはビックリしたよ!これはひとえに指導者の賜のおかな?」

 志村は豪鬼を見てクスリと笑いながら冗談をかました。

 「いや、ワシは何もしとらんよ。アイツが諦めずコツコツ頑張ってきた証拠じゃろ」

 豪鬼は炎を高く評価した。最初の頃は力を使うとスグに倒れていたのにたった1カ月で急長を遂げた炎を大層気にってしまった様だ。

 「それはそうとして私達を集めたのはどういう了見ですか?局長」

 すると今まで黙っていた細谷がようやく口を開いた。

 「ああゴメンよ、君達を呼んだのはその炎君の事について分かった事があるんだ」

 そして彼等は衝撃の事実を知ることになったのだ。

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