《BLOOD HERO'S》episode3 the after「柑菜とデート!?」
 強化月間が終わって1週間後、炎はようやくける様になっていた。
 醫務室の人達のおかげもあってなんとか早く回復した様だ。
 炎は退院したその日の朝、すぐに食堂に向かっていた。院中の間はが思う様にかせなかった為、ずっと流食だけの食事だった。
 (流食、あんま味しくなかったしな。今日は腹が膨れるまで食べてやる!)
 炎は心の中でそう思っていた。
 今日の朝食は皿一杯に積まれたサンドウィッチにした。
 コンガリキツネに焼けたトーストにちょっと熱で溶け込んでいるスライスチーズ、シャキシャキしたレタス、厚でジューシーに焼けたベーコンが2枚、そしてトロッとした半スクランブルエッグ!
 それが今、炎の目の前に山盛りに置かれている。お腹は空っぽになっているぐらい空腹だ!
 「…では、いただきます!」
 両手を合わせサンドウィッチに向かい一禮するとすぐに1つ手に取り、口の中に運んだ。
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 「…んめえ~~!!」
 炎の目には涙が溢れていた。久しぶりのマトモな食事にしてしている。
 次々と口に運ぶ炎の元へ柑菜と涼子が向かってきた。
 「炎君、もう退院出來たんた!」
 「っていうかアンタ、そんな大食いキャラだったけ(汗)?」
 心配する涼子に対し炎の食にツッコむ柑菜。
 「ひゅうひょうひょくはへひはふへなっははら…(流食しか食えなかったから…)」
 「子供じゃないんだから飲み込んでから喋りなさいよ!」
 「ふふっ、炎君って可い所あるんだね♡」
 落ち著きのない炎に更にツッコむ柑菜に微笑ましく見ている涼子。
 ---その後、3人で一緒に朝食を食べていると涼子から話始めてきた。
 「そうだ、炎君!ずっと醫務室で外に全然出てなかったでしょ?」
 「そう言えば、も全然かしてなかったなー」
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 炎がそう答えると涼子はニコッと笑い柑菜の両肩を摑んだ。
 「じゃあ、柑菜と一緒にお出かけして來たら♪」
 「…!!!」
 涼子の一言に柑菜の顔が一気に赤くなった。
 「な、ななななな…」
 明らかにテンパる柑菜を見て涼子はニコニコしながら話を続ける。
 「私も一緒に行きたかったけど、今日見廻りだし柑菜は今日休みでしょ?ちょうどイイじゃん!」
 「何がちょうどイイのよ!」
 柑菜は焦りながらも涼子にツッコんだ。
 「俺は別にイイけど…」
 「えっ?」
 すると炎は涼子の案に半分乗っかって來た。柑菜はそれを聞くと困った顔をした。
 「折角何だし楽しんで來なよ」
 涼子は柑菜の耳元で囁くと柑菜も観念した様に了承した。
 「仕方ないわね。退院祝いってことで付き合ってあげるわよ」
 ---朝食を終えて1時間後、炎と柑菜は近場のショッピングモールに集合にした。
 「…ねえ、1つ聞いていい?」
 「ん?」
 來てすぐに柑菜は炎に対して気になっていた事をぶつけた。
 「前から思ってたんだけど、アンタスーツ以外の服持って無いの?」
 柑菜は炎がスーツ以外の服を著ているところを見たことが無ければ炎もスーツ以外の服を著た覚えがない。
 「そう言えばスーツ以外の服持ってなかったかも」
 「はあ?」
 ちょっとキレ気味にリアクションをとる柑菜。
 「アンタもうちょっとファッションに気い使いなさいよ!」
 「そんな事言われても…」
 ファッションの事には無頓著な炎。それに対し柑菜は白のブラウスに水のフレアスカート、足元はヒールで決めてし大人っぽく見えた。
 「とりあえずまず服買いに行くわよ!」
 そう言うと炎の手を引っ張りながらモールにある服屋へと向かって行った。
 ---それから服屋で服選びをしたりクレープ屋でクレープを食べ、ゲーセンでプリクラ撮ったりしたり2人の時間を満喫していた。
 そして気付けば周りは暗くなり始めていた。
 「ああ、私何してんのよ!コレって完全にデートじゃない!!」
 柑菜は顔を両手で隠しながら獨り言を話していた。
 「?何か言った?」
 後ろから炎が両手にソフトクリームを持って話しかけてきた。
 「う、ううん、何でもない!」
 柑菜は誤魔化すかの様に炎が持っていたソフトクリームを1つ取った。
 「何だかんだで一日中付き合わせちゃったね」
 炎は申し訳なさそうな顔で謝罪してきた。
 「言ったでしょ!アンタの退院祝いなんだから気にしないでよ!…それにた、楽しかったし…」
 後半、恥ずかしそうに喋る柑菜。最後のところは聞こえたかは分からなかったがホッとした顔をする炎。
 「もう暗くなってきたし、そろそろ帰ろっか?」
 炎は時計を確認し帰宅しようとした。
 「あっ、ちょっと待って!」
 「ん?」
 すると柑菜は炎の腕を摑んで引き止めた。
 「最後に行きたいところがあるの!」
 ---そして柑菜に手を引かれた炎はショッピングモールの隣にある大きな観覧車に連れて來られた。
 「最後ってココ?」
 「うん!とりあえず早く乗りましょ!」
 柑菜は急かす様に炎の背中を押して行った。
 観覧車に乗り込みお互い向き合う形に座った。しかし暫く2人の間に沈黙の時間が流れた。柑菜は外を見ているが炎はその場からかずに座っていた。
 「ねえ炎!コッチ來て!!」
 2人のゴンドラが頂上まで登ってきた時、柑菜が炎を呼び出した。
 「ほら、外見て!」
 そう言われ言われるがままに外を見る炎だったが…
 「…スゲエ!!」
 外を見ると雲1つない星空が上空に拡がっておりしたを見ると上空と同じ星空の様にあちこちの建から明かりが燈っていた。
 「綺麗でしょ!『星空の鏡ミラージュ・スターリ』って言ってココまで綺麗に見れる日は珍しいそうよ!」
 「へえ~」
 綺麗な夜景に見とれながら返答する炎。
 「正直言うと私も実際に見るの初めて何だけどね…」
 「えっ?」
 柑菜の突然の告白に驚く炎。
 「ほら、こういうのってやっぱ、そ、その大切な日とかに行きたくって…」
 恥ずかしそうに喋る柑菜。
 「大切な日?」
 「ほ、ほらアンタの退院祝いだからそれも大切な日になったっていうか…」
 炎が聞き返してくると慌てて応える柑菜の顔が赤くなってきた。
 「柑菜、何か顔赤くなってるけど大丈夫か?」
 すると柑菜の異変に気付いた炎は顔を近づけてきた。
 「ふぇ?」
 ビックリして変な聲が出てくる柑菜。更に耳まで赤くなってきた。
 「!!」
 そして柑菜の額に自分の額を當てる炎。あまりの出來事に言葉が出なくなる柑菜。
 「熱がちょっとあるな。降りたら早く帰らないとな」
 ---そして観覧車から降りると柑菜をおんぶしながら帰る炎。
 「今日一日中付き合わせてゴメンな」
 「だから気にしないでよ」
 帰宅している途中、2人は他もない會話をしていた。
 「でも今日は楽しかったよ!ありがとう柑菜!」
 炎はおぶっている柑菜に視線を送り素直に謝した。
 「私も楽しかった。ありがと」
 柑菜は視線を逸らして聞こえているかどうか分からない様な聲量で謝の言葉を述べた。
 ---本部に著くと「後は大丈夫だから」と言い柑菜は炎の背中から降りそそくさと中にって行った。
 「かーんなっ♪おかえりー!」
 柑菜は自室に戻ろうとした時背後から涼子が聲をかけてきた。
 「りょーこー!!」
 すると柑菜は涼子に近づいていくと涼子の両頬を抓ってきた。
 「ひはいひはい!はにふるほー?(痛い痛い!何するのー?)」
 「もう2度とあんな事言わないでよね!恥ずかしかったんだから!!」
 頬を抓りながら説教をする柑菜だがそんな柑菜とは裏腹に涼子はニコニコしていた。
 「でも楽しかったでしょ?」
 涼子の一言を聞くと急にモジモジしだす柑菜。
 「ま、まあね…」
 柑菜はそう呟くと両頬を抓るのを辭め後ろを振り返り自室に戻ろうとした。
 「私疲れたから今日はもう寢るね、おやすみ!」
 「うん、おやすみ!」
 後ろを振り返らず手を振る柑菜に手を振り返した涼子。
  ---「かーんなっ!」
 涼子と別れてすぐ今度は志村から話しかけられてきた。
 「何ですか?」
 溜め息混じりに返事をする柑菜。
 「何だよそのテンションは~、今日は一杯楽しんで來たんでしょ?」
 「はい?」
 志村の発言に柑菜は首を傾げた。
 「どうだったの炎君とのデートは?何処に行ったの?何してきたの?何処まで親になったの?」
 志村は鼻息を荒くしメモを取り出してきた。それに対して柑菜の拳が震えていた。
 「…涼子の、…バカーー!!」
 本部には柑菜の怒聲が響き渡っていった。
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