《BLOOD HERO'S》episode6 #11「お見舞い」
 ---「も〜、局長ってば、ビックリさせるんだから〜」
 「はは…」
 涼子は廊下を歩きながら頰を膨らませ悔しそうにしていた。それを見た炎は苦笑するしかなかった。
 志村の話では昨日、パトロール中の柑菜が2人組の能力者を発見した事に始まった。
 1人は水をりもう1人は風をる能力者だったそうだ。2人は路地裏で1人の男に能力を使い脅して金を巻きていた最中だった。
 それを偶然目撃した柑菜はすぐに確保しようとした。それに気づいた2人は攻撃しながら逃走を図った。
 柑菜は応戦しながら追走するが柑菜の鬼蜂では全てを打ち消すことが出來ずダメージはないものの水を被り風をけ、それを何度も繰り返していた。
 結果的に捕まえる事は出來たそうだがその時の柑菜の服や髪は半乾き狀態。社に帰って來た時には震いしながら帰って來たそうだ。
 ---「まあそれだけで済んで良かったじゃん」
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 「…そうだね」
 炎が宥めるように話しかけると涼子はしホッとした表になった。炎の言う通り怪我はなかった為1、2日安靜にしていれば大丈夫だろうとのことだった。
 それでも心配になった2人は白凪達の所に向かう前に柑菜のお見舞いに行く事にした。
 そして5分も経たないうちに柑菜の部屋の前まで來ていた。
 「柑菜〜?!るよ〜?!」
 涼子は部屋の扉を軽く2、3回ノックする。ノックをし終えると返事を待たずに扉を開け中にって行き炎もそのあとについて行った。
 室は薄暗く豆電球の微かな橙の明かりだけが點いていた。炎の部屋よりし広めで未だに殺風景な炎の部屋とは違い一通りの家やインテリア雑貨等が飾られていた。
 「柑菜〜?合大丈…」
 涼子と炎は柑菜が寢ているベットに歩み寄り涼子が聲をかけた時、ある事に2人は気付いてしまった。
 暑かったからだろうか布も被らずパジャマのボタンを全開まで開けブラも著けずに眠りこけている柑菜のあられもない姿があった。
 よく見ると床には昨日今日に付けていたであろう服や下著が散していた。その景を見た炎は戸いながら棒立ち狀態だった。
 「も〜柑菜ってば、余計風邪悪化するよ?」
 「ん、んん…」
 炎が戸っている中涼子は母親のように注意しながらパジャマのボタンを閉めていた。その時の柑菜はまだし寢ぼけていたようだった。
 しかし段々と意識がはっきりしてくると2人の存在に気がついた。
 「ッ?!」
 炎の姿を捉えた途端、ふと記憶が蘇り自分があられもない姿で寢ていた事を思い出した。
 「ちょっ、なんでアンタここにいんのよ?!ていうかみ、み、見たでしょう?!」
 「み、みてないみてない」
 柑菜がもの凄い剣幕で問いかけてくると炎は言葉通りの棒読みで返した。
 「悪いのは柑菜の方だよ。あんな格好で寢たりするから」
 だが涼子が炎をフォローしてくれた。
 「それは暑かったから…」
 「あれじゃあ余計風邪悪化させちゃうよ」
 「うっ…」
 涼子の正論に柑菜は何も言い返せなくなり泣きべそをかいていた。
 (母親と娘だな…)
 炎はその景を見てふとそう思った。柑菜が年頃の娘で涼子が面倒見のいい母親のように見えたからだ。
 「それよりも薬買ってきたからちゃんと飲んでね」
 「あっ、うんありかどう」
 そんなやりとりの後、本題に戻ろうと涼子は手に持っていたコンビニ袋を柑菜に渡した。中には風邪薬の他、水とスポーツ飲料、ゼリーやプリン等病人に必須なものがっていた。涼子が渡された袋をけ取り柑菜は呆けたような聲で禮を言った。
 「炎君ねー、柑菜の事心配してたんだよ」
 「えっ?」
 柑菜が袋の中を確認している最中、涼子は柑菜の耳元でそう囁いてきた。それを聞いて一瞬驚く聲が出てしまった。
 「実はね様子見に行こうって言ったの炎君からなんだよ」
 「そ、そうなの?」
 涼子の話しに顔を火照らせながら涼子に小聲で聞き返す柑菜。涼子は笑顔で「うん」と返した。
 「………」
 柑菜は炎を見て更に顔が火照り出した。自分の事を心配してくれている炎に恍惚こうこつしていた。
 「それじゃあ私達そろそろ行かなきゃ」
 「あっうん」
 柑菜の表を微笑ましく見ながら別れを告げ部屋を後にしようとした。柑菜はまた呆けたような返事を返し。涼子達が部屋から出て行く所を見屆けていた。
 「じ、じゃあお大事に」
 「あっ…」
 炎は気まずそうな表で柑菜に別れを告げると涼子の後を追うように部屋を出ようとした。その時、柑菜は何か言いたげそうに戸っていた。
 「あ、ありかどう…」
 「えっ?」
 柑菜は恥ずかしそうに小聲で炎に対する謝の言葉を述べた。しかし炎は聞き取れず柑菜の方に振り返るが柑菜はそっぽを向いてそれ以上何も言ってこなかった。
 それが気になりながらも部屋を後にした炎と涼子は白凪達が居る西城城へと向かって行くのだった。
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