《BLOOD HERO'S》episode6 #12「セブン・オーダー」

 ---「なあ涼子ちゃん」

 「ん?何?」

 炎と涼子の2人は西城が所有していた山に辿り著いていた。2人は西城城の元へと向かうべく山の中へとって行った。

 その道中、炎は気になっていた事を涼子から聞き出そうとしていた。

 「志村さんの言ってたセブン・オーダーって何なんだ?」

 「ああ、そっか。炎君は知らないかあ」

 炎が聞いてくると涼子はふと今朝の會議に上がっていたセブン・オーダーの話を思い出した。

 「確か2年ぐらい前なんだけど三さんようっていう街があったの」

 涼子は歩きながら2年前の記憶を思い返し話し始めた。

 ---2年前、六英からし離れた場所に三という街が存在していた。三はレジャー施設が多く観客が多く訪れる活気ある街だった。

 しかしある日、7人の能力者により三は壊滅狀態に陥ってしまった。街を破壊し回り死傷者は30萬人以上、三にいた八割以上の人が被害をけるという前代未聞の大事件となった。

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 ---「そんな酷い事件が…」

 炎は話を聞いていて吐気がする程に心苦しくじた。その事件は三にいた人達だけでなくそのニュースを見た人達にも恐怖を植え付けた。

 「で、その事件はどうなったんだ?」

 炎は心苦しくじながらも事件の結末が気になってしまい涼子に問いかけてきた。涼子は仕方なしに話を続けた。

 「その後、すぐに上層部の方から急指令が下されて急遽、遠征が決まったの。その時派遣された確か豪鬼さんとフィリナと細谷さんの3人だった。私と柑菜も遠征に參加させてしいって言ったんだけど、局長は『ダメだ!?』って言って行かせてくれなかったのを覚えてる」

 「志村さんが?」

 志村の意外な言を聞いて驚く炎。志村ならそんな狀況でも2人の意見に同意すると思ったからだ。実際に炎は志村に厳しい狀況下の中に送られた経験がある。

 それは炎だけでなく涼子や柑菜も経験している。しかしその時の志村は頑なに首を縦には振らなかったそうだ。

 「あの時の私達は皆んなをしでも助けたいっていう気持ちでいっぱいだったからちょっと納得しきれなかったけど、今に考えてみたらあの場に行かせたくなかった理由があったから局長は行かせなかったんだと思う」

 「行かせなかった理由?」

 涼子は志村の考えに気づいたらしく炎はそれが気になり問いかけてきた。それに対し涼子はし悲しそうな表を見せながらも口を開いた。

 「遠征組が到著した時には犯人達は姿を消して三は死があちこちに転がっててまるで世界の終末を絵に描いたような景だったそうなの」

 「!?」

 涼子の話を聞いて炎はその景を想像してしまった。建は崩壊し道には死があちこちに転がっていた。涼子の言う通りまるで世界の終わりを絵に描いたような景だった。

 「じゃあ志村さんはそれが見えてたから行かせなかったと?」

 「…多分そうだと思う」

 涼子と柑菜はまだ新人の頃だった。多の修羅場には出くわしたものの大量の死を見た経験は無い。

 志村は三の悲劇の景を予期して2人には見せたくなかった為に行かせなかったのかもしれない。

 「一応犯人達の顔は防犯カメラとかで確認されてたみたいだからすぐに判明したけど、それでも見つけることが出來なかったみたい」

 セブン・オーダーと語る連中はあちこちの防犯カメラやテレビカメラなどで映されていた為、全員の顔は見していた。

 しかし忽然と姿を消しその後も各地に指名手配するが手がかりが1つも出てこず現在に至っていた。

 「局長の考えだと強力な転移能力が使える能力者がいたのかもしれないって言ってたわ」

 「転移の能力か…」

 炎は志村の考えに思わず頷いた。転移の能力者がいれば遠くまで移することが可能になる。國外へ逃げられた可能も否めない。

 「それよりも炎君。著いたよ」

 「えっ?あっ…」

 セブン・オーダーの話をしているうちに2人はいつのまにか西城城のり口門の前に到著していた。全長10メートルほどの鉄門を2人は見上げながら立ち止まった。

 「とりあえず今は私達のやるべき事に集中しよう」

 「おう!?」

 涼子の聲かけに炎は気合いをれるように返事を返し2人は西城城に足を踏みれて行くのだった。

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