《鬼神兄妹の世界征服》①絶

「…う…ッッ、痛ってぇ…」

激しい頭痛が頭を襲い、全の骨が折れるくらいの激痛にき聲をあげながら、俺はをゆっくりと起こす。

「ここ…何処だ…??…俺の家の近所である事は間違い無いと思うが…」

俺はキョロキョロと辺りを見回し、誰か人がいないか確認する。だが、誰もいないようだ。

…その時、何かすごく大事な事を忘れているような気がした。

「…ッッッ!!!!!!刃月ッ!?…刃月ッッッッッ!!!!!!」

…そうだ、俺の大事な大事な妹だ。俺は刃月の姿を探した。まだ、まだ近くにいるはずだ。地面を見ると、焼けた跡や、塗れになって倒れている人がゴロゴロいる。普通ならビックリして腰を抜かす……っていうシーンだが、俺はそんな景なんかにはビクともしない。怖気ずに前へ、前へと進む。

刃月を探しながら、つい先程までの事を思い出す。一緒に下校していて、家のドアを開ける寸前でなにか・・・が起こった。何かが発したような、弾が思い切り落ちてきて、バァァァァン!!!!!!と破裂したような……。

「一、何が起こってるんだよ…意味わかんねぇ、天皇何してんだよマジ」

もしかしたら…と、嫌な予が襲った。

「いや、天に召されてはないだろ。俺を殘して死ぬのは刃月のガラじゃない」

そう言いきれるのは、刃月が強度のヤンデレだからだ。俺の事が大好きで、たまに拘束されたものだ。(たまにね、たまに。)

だが、拘束なんて甘いもので、ナイフを向けられたこともある。だから、俺はこの目の前の地獄絵図にもビクともしないのだ。

でも、俺は刃月を怖いと思った事も無いし、刃月から逃げようと思った事すら無い。

刃月が心の底から好きなのだ。

「いや、マジでふざけんなよ…俺の刃月を何処へやったんだよ…殺すぞ…」

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