《シュプレヒコール》8 き出す奴ら

「室長、こちらです。」

防衛省にある閣対策室はガランとしている。

毎日のように僚が辭めていく始末。これではこの組織も潰れてしまうかもしれない。

「そうか…神田かんだくん…もうしいい人材を探してこい。」

「…はい」

私は神田咲かんだみさき この閣対策室で働いている。元々自衛隊に所屬していたが、男に劣らぬ戦闘能力、頭脳を買われ、上田閣の組織にはいるこの部に所屬された。

私は誠司さんに救われた。

あれはまだ私が高校生だった頃、両親が事故で死んでしまった。私の家族は親戚と仲が悪く、私を引き取ってくれる家族はいなかった。その時唯一私をれてくれたのが、お父さんの弟にあたる、誠司さんだった。

だから私はこの恩を返さなきゃいけない。

「ん?なんだこれ?」

いつも見ている掲示板に気になる投稿を見つけた。

「私は今の改革に不満を持っています。同志を集めて反論したいと思います。協力してください。」

その下にはこんなコメントがあった。

「僕もです。ぜひ協力させてください。」

私は迷った。

報告すべきか否か…大事になるのは嫌だし疲れる…まぁ1人で調べてみるか…

そう思いその投稿へのコメントを一通り見ることにした。

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