《エルフさんが通ります》冒険者ギルド

クロード邸を後にした私と霊さんは意気揚々と冒険者ギルドに向かいます。

々とがありますががんばって耐えましょう。味しそうな匂いとか珍しいとか!

「確か、赤レンガの建だったよね」

『あかあか』

クロードに言われた赤レンガの建を発見。扉に手を掛けたところで私はきを止めました。

『第一印象は大切じゃ、いんぱくと! いんぱくと!by長老』

ふむ、長老の言葉にも一理ありますね。いんぱくと! というのがわからないのでとりあえず印象重視でいきましょう。

「ふむ」

一考した私は一度扉から離れる。

そして扉に向かい疾走。

閉じられた扉に向かい、跳躍。勢いの付いた狀態で扉に向かい蹴りを放つ。

扉が轟音を立て弾け飛び、冒険者ギルドに音を立てながら転がりました。思ったより脆かったですね。扉が開くだけかと思ってたんですが。

「目立ってますね」

『めだちまくりー』

ギルドにいる全ての人が扉をぶち壊した私たち(霊さんは見えている人のほうがなそう)に注目してきています。り口に近い人たちにいたっては武を構えている人までいますし、こんなに対してなかなかに失禮な人たちですね。

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「冒険者の登録に來ました~」

『きました~』

「「「扉はちゃんと明けてって來いよ!」」」

全員に突っ込まれました。私はしぶしぶといった様子で吹き飛ばした扉を持ち上げるとり口の橫に立てかけるように置いておきましょう。直せませんし。

しかし、

「意外と汚いとこですね。料理とか床にこぼれてますし」

「お前が吹き飛ばした扉が當たって落ちたんだよ!」

ここでも私のせいですか。クロードといい、この街の住人は他人に責任を押し付けることが多い街のようですね。

まぁ、無視です。無視。

私がカウンターに向かって歩き出すと周りの人たちがスーとき道ができます。ふふふ、私の溢れんばかりの大が伝わっているようですね。

「冒険者の登録をしたいんですけど」

「は、はい」

付のお姉さんに聲をかけると何故かおびえたような聲をだされました。何故だ。

「で、ではこちらの用紙に記をお願いします」

そう言われお姉さんからけとった紙に目を落とす。

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……なに書いてるのか全然わからない。

「あの…… なにが書いてあるか読めないんですが……」

「え⁉︎ 中央大陸共通文字ですよ?」

「エルフの里ではエルフ文字しか使わなかったもので」

「エルフなんですか⁉︎」

お姉さんがカウンターからを乗り出すように私に顔を近づけてきた。心なしか顔が赤いし興していませんか?

「え、ええ、エルフですけど」

「うわぁ! 生まれて初めて見ましたよ! あ、私、登録を擔當さしてもらいますフランといいます。よろしくお願いします!」

私がエルフとわかった瞬間、お姉さんフランは珍しそうなものを見る時の視線を無遠慮に向けてきた。すごく居心地が悪い。というかに正直すぎやしませんかねこの人。

「ルルカです。……あの登録したいんですけど」

「ああ! 失禮しました。エルフ文字の用紙を準備しますね」

『つかれたー』

フランが慌ててテーブルの引き出しを漁り再び書類を差し出して來るのと霊さんが疲れたらしく私の右肩に止まるのは同時だった。うん、今度は慣れ親しんだエルフ文字だし読める読める。

渡された書類にサラサラと文字を書き込みつつ、何とも言えない視線をじるため上を向くと満面の笑みを浮かべるフランが目にった。ひどく落ち著かない。

「……なにか?」

「あ、すいません。エルフが珍しいもので」

「そんなに?」

「はい、ダークエルフの方々には時折姿を見るんですがエルフの方はほとんど見ないんですよ」

「ふーん」

あんまり関心がないんだけどね。とりあえずは渡された書類の記項目はすべて埋めたので書類をフランに手渡す。ついでにクロードから貰った、羊皮紙も一緒に渡す。

「これは、領主クロードの紹介狀ですね。容は登録料の免除と登録の簡略化ですか」

フランは記れがないかを手早く確認い軽く頷いた。

「と言っても記だけなんですけどね。はい、こちらで問題ありません。あ、あとリリカさんは契約霊をお連れのようですがそちらの登録もお願いします」

フランの言葉に私は首を傾げた。私、契約霊なんて連れてないんだけど。

「あなたの右肩に座っているのは契約霊ではないんですか?」

そう言われ右肩に止まり休んでいる霊さんを見ます。このフラン見える人だったんですね。

「私、契約してたんですか?」

「いえ、私に聞かれても困るんですが」

うーん、フランも困ったような顔をしていますが私、霊さんとは契約した記憶ないをですけどねぇ。

今の霊さんもどちらかというと懐かれている、というのが正しい気がしますし。

「命名はされたんですか?」

「いえ、してないです」

命名。

それが霊との契約をするために必要なものだ。霊に名前を與え、霊がその名前を気に理した場合、その霊は契約霊となるらしい。(らしいというのは長老から聞いただけだからだ)

「となると……」

『?』

肩に止まる霊さんに視線を向けるとどうやら疑問符を浮かべているようだ。しかしなにか思ったことがあったのか私の肩を離れ私の目の前にやってきてふわふわと浮かぶ。

霊さんにも名前がいりますね」

『なまえ?』

「ええ、そうですね…… クーデルハイトナカトランバルティアなどどうでしょう?」

『ながー』

「なら、くーちゃんで」

『くーちゃん!』

気にってもらえたようでなにより。するとの塊でしかなかった霊さんくーちゃんが小指ほどの大きさのらしい人型に変わっていく。

「お?」

『みゅ?』

私も驚いたがどうやら変化した張本人であるくーちゃんも驚いたのか聲を上げている。

しばらくは自分の姿を確認するためかクルクルと回転していたが確認が終わったのか再び私の肩に座りました。心なしか笑顔のようですね。

「原始霊が低位霊に変化するとこなんて初めてみましたよ! エルフはこんなこともできるんですね!」

「いや、たまたまなんですけど」

目を輝かせ、期待に満ちた瞳をてこちらを向けてくるフランに答えますが彼には聞こえていないようです。

エルフでそんな事ができるなんて聞いたことないしたまたまとしか言いようが無いんですが。

こんなことなら里での霊系の話をまじめに聞いとけばよかったですね。今さら後悔しても遅いですが。

「冒険者証の発行にしお時間をいただきますがよろしいでしょうか?」

狀態からもとに戻ったフランがまともな対応を開始し始める。

「どれくらいです?」

あんまり長いなら先に宿を探しときたいしね。まぁ、寢る場所さえあればいいんだけどね。

「発行自はすぐに終わります。時間にして二時間ほどですかね。なんでしたら依頼をけていただいてもよろしいですけど?」

「依頼!」

フランがそう告げた瞬間、私は瞳を輝かした。

依頼! なんか冒険者っぽい!

外の世界に出たらやってみたかったこと第一位! 冒険者!

「あの、何をにやついているんですか?」

「なんでもないです。で、どんな依頼があるんです?」

「一番下のランク、Fの依頼ですのでそう難しいものはありません」

そう言いながらフランは幾つかの紙を私に見えるように置いてくれた。當然、私の読めるはずのない文字で書かれている。

「なんてかいてあるかわからない」

「……共通文字、覚えないといつか騙されますよ?」

そんな、不安そうな顔で見られてもねぇ。

『ゴブリン討伐、銅貨二十枚、薬草採取、銅貨五枚、商人警護、銅貨三十枚って書いてあるよ』

流暢な言葉で喋られた私は驚き周りを見渡しますが、誰も見當たりません。目の前のフランの方を見るとキョトンとした表を浮かべています。

「読めるんじゃないですか共通文字」

「いや、今の私の聲じゃないし……」

『わたし、わたし!』

聲はどうも肩から聞こえているみたいで、って肩?

そちらに視線を向けるとキラリとが私の眼前に現れる。

『くーちゃんだよ?』

「なるほど! くーちゃんか」

さっきまでの呂律が回らない口調と今のハキハキした口調とイメージが全然違うからわからなかったよ。

「ちなみにどれが手っ取り早く終わります?」

「そうですねぇ、手っ取り早くという意味ならばゴブリン討伐ですね」

フラン曰く薬草は知識がなければ、商人の護衛は時間が決まっているため手っ取り早く終わらないという話らしい。

「じゃ、ゴブリン狩りで」

『狩り狩り』

「ではこれに名前を」

「はいはい」

フランが一枚の紙を渡してきた紙に名前を記、ついに私も冒険者としての第一歩が!

「ではこちらをどうぞ」

そう言いフランが本の栞のようなカードを渡してきた。

「こちらは仮冒険者証になります。倒した魔などは自的にこのカードに記録されます。必ずカードを持った上で魔は倒してください」

でないとカウントされませんよ。とフランは指を立てながら注意をしてくれます。なるほど、便利なもあるだと

考えながらカードをけ取り魔法のカバンマジックバックに放り込んだ。

「魔法のカバンマジックバックに放り込んでても大丈夫?」

「はい、カードは所有者が持っているのであれば大丈夫です」

よかった。なら安心ですね。

「あと南門の騎士にゴブリン狩りのことを聞いてください」

「わかった!」

フランがにこやかに告げる途中、を翻した私はウキウキする気分を抑えきれず、走って冒険者ギルドを後にしたのであった。

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