《エルフさんが通ります》だれも斬るとは言ってない

「あなたが走って斬りつけるより私が撃つ方が速いわよ?」

全く、やたらと自信満々ですね。いえ、自惚れでしょうか。

さて、構えたはいいですがどうしましょうかね〜

あの魔法道マジックアイテムの向きに注意しつつ私は思案します。

ロゼットの言うとおり走って斬るには距離がありますしダルマの盾がいますからどうしたものか。

「さぁ、観念して売りになりなさい」

「うーん」

にやにやと笑みを浮かべながらフリングをこちらに向けてきます。

仕方ありません。

魔法のカバンマジックバックからエルフ印の弓を取り出し構えようとすると

「させませんよ!」

構え終わる前にロゼットの構えるフリングから魔力の塊が吐き出されます。

「相変わらず見えませんね」

そう言いながらも一歩橫にズレます。すると私の橫の數本の髪を吹き飛ばしながら魔力の塊が通過して行ったようです。

「なぜよけれる!」

「なんとなくですかね?」

見えないけどなんとなくわかるようなじなんですけど。

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あ、なんか一杯きましたね。

見るとロゼットは引き金を何度も引いてましすし。

なんとなくわかりましたね。あれ、真っ直ぐにしか飛んでこないですし。フリングの向きにさえ注意を払えばいいわけですね。

「ちくしょう! なんで!」

「なんでと言われましても……」

気づいたからとしか言いようがないですね。

『考えるな! じるのじゃ!ただ目はとじるんじゃないぞ? by長老』

ふむ、こんなじでしょうか?

なんとなくといったじで私は飛んてくる魔力の塊を右へ左へと避けながらゆっくりと弓を構えます。

そして古代魔導アーティファクト全てを弓へオールボゥの力を発さし、ナイフがを放ちながら銀の矢へと変わります。

そのを見たロゼットと周りの取り巻きの顔が一気に蒼白に変わりました。

「風矢ウィンドアロー」

『ちょっと待って』

「あぃたぁ⁉︎」

矢を放つ間際にくーちゃんに髪を引っ張られ痛みで狙いがそれました。しかし、すでに閃と化した銀矢は放たれ、

『ギャァァァァァァァァァ!』

悲鳴を上げるロゼット達の頭上を掠めると教會の象徴であったイリス像へと叩き込まれました。

ミノタウロスを消し飛ばすくらいの威力の風矢ウィンドアロー。當然イリス像は一瞬にして消し飛び、すでに跡形もありません。

それだけでは風矢ウィンドアローの威力は収まらず後ろの柱、さらには壁を轟音を立てながら叩き潰して行きます。

「ひぐっ!」

後ろを振り返ったロゼットは眼前に広がる破壊跡を見たせいか涙ぐみ、腰を抜かしたかのように床に座り込みました。

その手から音を立ててフリングが床に落ちます。

「くーちゃん、なんで止めたんです」

『うん、もう意味はないけど早く逃げた方がいいよ』

なぜか呆れたような、いえ、諦め? でしょうかそんな表を浮かべたくーちゃんはふわふわと浮かびながら教會のり口の方に向かい飛んで行きます。

なんで逃げる必要があるのでしょう? 

疑問を浮かべながらも私は腰を抜かしているロゼットの方へと歩きます。

「ひい!」

私が一歩踏み出すとともに古くなっていたのでしょう。床がミシリと音を立てます。さらには今のロゼットはその音にすら恐怖をじているようです。最初の自信はどこに行ったのでしょう?

私はそんな怯えられたくらいでは止まりませんよ。

床をミシミシと音を出しながら私はロゼットの前まで進みます。ロゼットはというと悲鳴を上げながら後ろに下がって行きますね。まあ、目的はロゼットではありませんが。

やがてフリングの側までやってきた私はしゃがみ込み、にやにやと笑いながらフリングを拾い上げました。

「ふふふ、こういったレアを手にれるのは楽しいですね」

拾い上げたフリングを手元で楽しげにいじりながら手にれた玩に私は満足します。

ロゼットが使っていたようにフリングをロゼットに向けます。

「こ、こっちに銃口向けるなぁぁぁ!」

「銃口?」

この細長い筒の先端に空いているですかね? これが銃口ですか。

引き金に指をかけロゼットに見えるようにするとロゼットと周りの男たちが悲鳴を上げます。

……これはおもしろい。

このフリングの力を知っているだけに怖いんでしょうね。

ミシミシ

うん?

私はいていないから床は壊れていないはずなんですけど。

周囲を確認しますが特に異常は……

そう考えながら気づきました。

この教會の大黒柱といえる柱が半壊していることに。

これはやばい。

私はさっとを翻すと震えるロゼットたちを放置したまま教會のり口に向かい歩き始めます。

「あ、そうだ」

教會のり口間際までたどり著いた私はロゼットたちに向かい振り返り笑顔を浮かべフリングの銃口を向けます。

「試し撃ちしましょう」

「な!」

恐怖のを浮かべたロゼット達の橫、ひび割れた柱に向かい私はフリングの銃口を向け、魔力をこめます。

おお! 魔力が吸われてるじがしますね。

魔力の補充か完了したフリングの引き金を特に罪悪なども一切じることもなくあっさりと引きます。

引き金をひいた瞬間にとてつもない衝撃が腕に走りフリングが反で上に上がります。なかなかに痛い。

放たれた魔力の塊はひび割れた柱に直撃。

とどめの一撃を叩き込み柱はあっさりと崩壊を開始します。

崩壊が始まると教會全から嫌な音が響き始めます。

「なかなかの威力ですね。私ご満悅です」

「あわわわ! 崩れる!」

次々と瓦礫が落ちてくる教會にロゼット達の悲鳴が響き渡ります。

私はそれを楽しく聞きながら教會をでます。しばらくして振り返ると音を立て教會が崩壊をして行くのが目にります。

「なかなかにいいですね」

手元にあるフリングを満足気に見た私は魔法のカバンマジックバックに放り込むと足取り軽く宿に向かうのでした。

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