《エルフさんが通ります》重いです

『痛い痛い痛いぃぃぃ!』

「バカなんですか⁉︎ リリカさんはバカなんですか⁉︎」

「さ、さすがにフィー姉さんも今回のリリカちゃんのは痛いわぁ」

「腕、折れた」

「ぃぃぃたぁいですぅぅぅ!」

魔王城に乗り込んだというのにすでに私たちは満創痍でした。

いやー、まさかあんなに壁がいとは予想外でしたね。

私も右手が折れてるみたいですし、変な方向に曲がってます。痛みがジンジンきますよ。

背後を振り返ると崩壊した壁に埋もれるようにしてを流し痙攣しているオリハルドラゴンが目にります。よく見ると額が割れてますね。ということはこの魔王城の壁はオリハルコンよりかったということでしょうか?

「はっはっは! 私たちよく無事でしたね」

『笑い事じゃないからね!』

「そうです! ククさんのゴッドブレスの効果がなかったらどうなっていたことか!」

私の作ったポーションを飲み、傷を癒しながらもギャーギャーとやかましいですね。

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「今飲んでるポーションを取り上げていいならちゃんと苦をうけつけますが?」

「いや、あれは仕方がなかったとしか言えませんね」

『せんりゃくてきにしかたないよね』

あっさり手のひらを返してきました。意思が弱いですね。

フィー姉さん達もポーションを飲んだりククの回復魔法をけたりしています。

どうやら今いるのはどこかはわかりませんが廊下ぽいんですよね。

「ほら、早く行きますよ。こんな音を立てて侵したんですから……」

敵が來ますよと続けようとすると私が口にする必要もなく、廊下の奧からワラワラと大量のアリエル軍団が武を手にしてこちらに向かって來ていました。

「さっさと」

魔ノ華マノハナをそちらに向け、魔力を収束さしていきます。

「いきますよ」

黒の魔力を螺旋狀にして解放。

アリエル軍団が迫る廊下を埋め盡くすように解放して逃げ道を完全には塞いでやります。

魔力の螺旋は廊下を音を立て、削りながら突き進みそのもまアリエル軍団を飲み込んでいき、いろいろと砕けるような音が耳にります。やがて魔力の放出が止まるとそこには抉れた廊下とそこいらに赤黒いものがこびりついています。

『よ、容赦がない』

「くーちゃん、私たちはここに戦爭をしに來ているんです。慈悲はありません」

私はけ屈辱は何倍にもして返すタイプなんですからね。

ええ、シェリーは泣いて謝ったとして許してあげませんよ。

「さてとさっさと進みますよっと!」

再び魔力を魔ノ華マノハナへと纒わすと足音の聞こえる前方へと振り抜きます。すると先程と同じように潰れるような音が響き渡ります。

「あら、過激にいっていいのかしら?」

振り返ると全に闘気オーラを纏い、さらにそれを腕に集めはじめているフィー姉さんが目にります。

それはもう嬉々とした様子で腕に集めた闘気オーラをさらに膨らましています。

そしてその狀態で腰に下げたカズヤから奪い取った聖剣を抜きとると構え、さらにそこには今まで膨らましていた闘気オーラを聖剣へと注ぎ込んでいきます。

「お姉ちゃん、魔力は使えないけど闘気オーラの扱いならばっちりよぉ!」

「わかった! わかったから姉!」

「こここ、こっちな向けないでくださぃぃ!」

集められた闘気オーラが音を立てて上がる聖剣をまるで褒めてと言わんばかりに振り回しているフィー姉さんですが、危ない。あれは非常に危ないです。現にあの闘気オーラを纏った聖剣。あれをフィー姉さんが適當とはいえ振り回すたびに空気が震え、さらには天井がパラパラと音を立てて崩れているようなじです。

「フィー姉さん、そんな危ないのはとっとと撃っちゃってください」

「はいは〜い、でどこに?」

「あっちです」

軽い調子で返事をして來たフィー姉さんに対して私は壁の上の方を指さします。

『リリカ、そっち壁だよ?』

「ええ、ですがあっちからなんかビビっとくるんです」

『ビビ?』

「はい、ビビっです」

引っ張られるような覚で言うべきでしょうか? おそらくはシェリーの持つ魔の欠片と私の持つ魔の欠片が互いに引っ張り合っているようなじなのかもしれません。

「じゃ、はい」

膨れ上がった闘気オーラを纏った聖剣がフィー姉さんの軽い聲と共にヒュンという軽い音と全く躊躇うことなく振るわれます。

振り抜かれた聖剣から放たれた極大の刃狀に形取られた闘気オーラは壁へと直撃します。

さらにそのまま形を維持し壁を切り裂いていきます。それもさしたる抵抗もなく、です。

「これがお姉ちゃんのリリカちゃんへとの力よ!」

「重いです。あとこんな破壊の力で表現されても非常に面倒で困ります」

褒めて褒めてと言わんばかりに聖剣を鞘に戻し、両手を広げてこちらに小走りで私に向かってくるフィー姉さんの顔を抑えて闘気オーラの刃が作り上げた破壊跡を見上げます。

「うん、いいじに上にぶち抜きましたね」

『エルフ、怖い』

私たちが見上げたの上に大きく広がるでした。しかもいく層も貫いたみたいで結構先まで見えます。しかもどうやら作りは継続されているようですね。なんかまだ切り裂かれるような音がきこえてきますしね。

『これでシェリーも吹き飛んでたら楽だよね』

「はっはっは、そんな魔ノ華マノハナを手にれた時と同じようにはならないでしょう」

『だよねー』

朗らかに笑い合う私とくーちゃん。

ええ、そんなあっさりといくわけが、

『ギャァァァァァァァァァァァァ⁉︎』

頭上に開いたからの人の悲鳴が聞こえ、廊下に響き渡ります。

あ、あたったかもしれませんね。

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