「うん！ 大慘事☆」

私は先ほどまでどこでも自くんの視界から見ていたシェリーのいる魔王城の最上階へと上がり、周りを見渡しながらそう呟きます。

『なんか言葉に星が見えるような臺詞だね』

うちの契約霊はなかなかに詩的なことをいいますね。言葉に星なんてる分けないというのに。

しかしながら今の目の前の慘狀を見るとなるほど、確かに星が落ちてきたと言われても納得するような狀態ですね。

周りには唯でさえフィー姉さんが作り上げたがあったにも関わらずさらにを増やしています。今やまともな床を探す方が難しいほどの開き合です。

恐るべし、どこでも自くん。

いいじに殘っている床も発の余波で炙られたのかそこいらじゅうが焦げ付き、さらには煙が上がっています。

そんな中、煙が不自然に揺らめいたのを目の端に捉えたのでもはや反的に魔ノ華マノハナをそちらに向かいふるいます。煙を切り裂くようにして振るわれた魔ノ華マノハナは同じようにして煙を切り裂いてきた白い刀とぶつかり、小さな火花を散らしました。

「リリカぁぁぁ！」

白い刀に続き煙から走った目をしたシェリーが飛び出してきました。となるとこの魔ノ華マノハナにあたる刃、これは白ノ華シロノハナですかね？

「アレー、シェリードウシタンデスカチマミレニナッテー？」

『白白しすぎない⁉︎』

間髪いれないくーちゃんの鋭いツッコミですね。しかし、私のこの迫真の演技を白々しいとは！ 蕓をわかっていないようですね。

あれ？ 心なしかシェリーが力を増して白ノ華シロノハナを押し込んできているような気がしますね。

「どの口がいうがぁぁぁぁ！」

「おぉ⁉︎」

怒聲とともに力盡くで吹き飛ばされたことに驚きながらも空中でを捻り態勢を整えます。

「逃がしませんわぁぁぁ！」

未だに空中にいる私に向けシェリーが白ノ華シロノハナを振りかざしながら跳躍。奇聲を上げながら向かってくるその姿は悪魔もびっくりするほどの形相です。仕方なしに力がらない姿勢から魔ノ華マノハナを繰り出しますがそれは上に向かい振り上げられた白ノ華シロノハナにたやすく弾かれてしまいます。

「リィィィリぃぃかぁぁぉぁぁ！」

そんなに力強く名前を呼ばれては照れてしまいますね。しかし、そんなにに名前を連呼されてもときめきません。

ですが名前を呼びながら繰り出されるのは私の命を奪うべく放たれる兇剣であり明らかにその刃の目的地は私の心臓なのでけ止めてやるわけにはいきません。普通ならばきの取れない空中でそんな攻撃を避けれるわけありません。

「普通ならね」

私は笑い、背中にある魔力の羽から魔力を放出。後方に向けて放たれた魔力の反によって私のは回転しながら前進。シェリーの繰り出してきた白ノ華シロノハナに迫るように向かい、遠心力を得た魔ノ華マノハナの斬撃を叩きつけてやります。

「ちぃぃ！」

「いや、一応ですよね？」

明らかにの人が出すような聲ではありませんよね。目もやばいですし。

床に著地すると同時に床を蹴り砕くようにして私に突撃してくる姿は確かに魔王のように見えなくはないですが。

「あ、魔王でしたっけ？」

「忘れてんじゃないですぅぅ！」

より一層攻めが酷くなりました。ひたすらに刃がわる音が響いていましたがそれがさらに激しさを増していきます。

心なしか黒と白の魔力がぶつかりあったせいかそこらのがさらに増えているような気がしますね？

『な、なんかリリカ前より魔力とか々強くなってない？』

「ええ、魔力がすごく馴染みます」

以前、オリハル山で白ノ華シロノハナを持ったアリエルに遅れをとりましたが、おそらくは今の私ならば勝てるでしょう。

大きく刃を振るい、迫る白ノ華シロノハナをシェリーごと吹き飛ばしてやります。ですがしっかりと刃でけ止められていましたからさしたるダメージにはなっていません。でも距離を取ることをできました。

いや、正直な話ね。

がいくらか強化されてるといってもね。

「戦うのがしんどい！」

大きく息を吐き、をほぐすように腕を回します。

『あれだけ剣を振り回していうセリフじゃない！』

いやいや、そうはいいますが私の本來の武は弓ですよ？ 武を振り回すのは得意ではないわけですし。

あとくーちゃん。魔ノ華マノハナは剣ではなく刀ですよ。

さて、距離を取った私に対してシェリーは先ほどまでと同じように突っ込んでくるかと思っていましたが打って変わって表が見えないような俯き加減でただつったっているだけです。

「っさない……」

「なんですか？」

なにかを小さく呟いているようですね。私エルフの耳にも捉えられないくらいの小さな呟きです。

「私わたくしがきちんと整えた魔王としてデビューするはずだったのに……」

なんかカタカタと震えてないですか？

しかもあの発言、なんか地雷踏み抜いたじがしていますよね？