《エルフさんが通ります》で、あなた達も戦うということでいいですか?

「リリカ、お前も道を開くというんであれば俺はお前を……」

「ふーん」

なんか悲愴そうな表をしてますが私はというと特に興味もなく新しくなった私の武を軽く振るい合を確かめます。

刃がないというのはなかなかに奇妙な武です。ですが幾度か振るっているとなんとなくですが使い方を自然と頭が理解し始めています。

「ふむ」

手にしていた武覚を摑んだ私は一つ頷くと腰の鞘へと納め、きちんとカズヤへと向き直ります。

「で、やるんですか?」

「リリカ」

「なんでそう悲しそうなのか理解できませんが、今の私とあなたの立ち位置は明確に違うんですよ」

カズヤは正義の味方に。

私は悪の味方に。というか私は私の味方でしかありません。

これはどうやってもわることはないですし、何より妥協點がありません。

いえ、妥協なんてする気なんて微塵もありません。ただ、気がかりがあるとしたら…… わずかに視線をズラしいつでも戦闘を開始できるように準備している鼻息がやたらと荒いフィー姉さんへと向けます。

「フィー姉さんも戦うということでいいんですかね?」

「もちろんよ! リリカちゃんをぶっ飛ばして気絶さして里へ連れ帰ってついでに教會をぶっ潰して私たちは幸せな結婚式をあげるのよ! そしてゆくゆくは子供を産んでそだてるのよぉ!」

「…… まだそんなこと言ってるんですか?」

我が姉ながら狂った倫理観にはため息しかでません。いや、なによりそれを本気で実現させるだけの力があるだけにタチが悪いとしかいいようがありません。

「そもそも私とフィー姉さんは同士ですし、姉妹ですよ? そして同士では子供は産まれません」

があれば不可能はないわ!」

「いや、理的にむりでしょう? 冷靜になってくださいフィー姉さん」

この姉は昔から私のことが絡むと暴走することが多々ありましたが今日はさらにぶっ飛んでますね。

「私のことを思うなら私と戦うというのは論外な気がするんですが?」

「何が起こるかわからないことを我がしい妹にさすわけないじゃないない!」

なるほど。

確かにくーちゃんのビビっとセンサーに引っかかるのは星の危機だけですから私が吹き飛ぶとかそういったことには反応しない可能があるわけですからね。

「だから私は全力でリリカちゃんを止めて子作りするわ!」

「うん、妹を思う気持ちを持ちつつ、私利私に突っ走るその姿、嫌いではありませんがしばかり自重していただきたいですよ。妹としては!」

我が姉もの塊でしたか。

もう會話するのすらしんどい狀況でしたが殘りの三人へと視線を向けます。

「で、あなた達も戦うということでいいですか?」

視線の先のヴァン、クク、ゼィハへと問いかけるといち早くゼィハが手をあげます。

「はい! あたしはリリカさんのほうにつこうと思います! 異界へと道を繋ぐという技をしっかりと見たいので!」

小走りでこちらに向かい走りながらゼィハがキラキラと瞳を輝かせながら語ります。まぁ、ゼィハはこちらにくると思っていましたよ。だって未知の技を見るの好きそうですからね。

一人が私の側のほうに著いたのを確認し、再びククとヴァンを見るとヴァンは苦笑を、ククはなぜか使命のようなものを漲らした瞳で私を睨みつけてきています。

「報酬分は働く」

非常に単純にヴァンからは回答が返ってきました。

「魔神、つまりは魔王より上、すなわち魔の化…… しばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべししばくべし」

ついで見たククの方を見るとなにやらぶつぶつとヤバげな発言が目立ち始めます。

狂信者でしたか。変な発言をするたびになんだかヒリヒリとする魔力がククのから噴き出していますね。

つまりはみんなそれぞれの理由から私と戦うということですね。

一つ大きなため息をつきながら私は肩を落とします。みんな私利私くわけなんですよねぇ。今の私ならば大した苦労もせずに倒すとまでせずとも行不能まで持っていくことが可能でしょう。たぶん。

ただひとりフィー姉さんだけは除いては。

「リリカ、大した力は出せないけど僕も力を貸そうか?」

「そりゃそうでしょ共犯者。ここまできたらあとしで目的達な訳です。やりますよ」

「はやく、はやく見せてください! 異界に通じる道を!」

の塊しかないよね』

愉快そうに笑うアル、未知への興を抑えきれないゼィハ、呆れ、諦めたくーちゃんが私の橫へと並び、今、めんどうですが最後の戦いが幕をあげるようです。

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