《エルフさんが通ります》タマという名前は……
「消えた?」
『け、消しとばしちゃったの?』
忽然として消えたフィー姉さんの姿にくーちゃんが絶句しています。ですが絶句しているのはくーちゃんだけではなくカズヤ達も同様でした。
「フィーさんが……」
「姉が」
おっとあちら側は想像以上に衝撃をけている様子ですね。しかし、冷靜に考えればあのフィー姉さんが容易く消し去られるわけがないのですが。
「アル」
「いやー、かなり苦労したけど一時的に僕の固有世界に引きずり込んでおいたよ。君のお姉さんがいかにイレギュラーな存在であろうともあの世界からはしばらくは出てこれないさ」
見ると大量の汗を流しているアル。簡単な口調で告げてきますがかなりの難易度の魔法ぽかったですからねぇ。
「でもこれで僕は保有する魔力の殘りを魔法の維持に回さないといけなくなったからね。僕は結界の維持に回るために固有世界にいかなとダメだから、あとは頼むよ魔神リリカ。あ、道ができたらこれで僕を読んでね」
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そう告げるとアルは軽く手を振り、私に向けて何やら魔法陣が描かれている紙を放り投げると突如として姿を消します。
ま、結界の維持をしてくれるのであれば問題ありません。
しかし魔神ですか。
確かに魔神の魂をけれている私は魔神と呼ばれるのに相応しいのかもしれませんね。
ならば魔神としての初めての仕事をきっちりとこなさなければ。
「なるほど、わかりました。きっちり退屈をしないくらいの刺激を與えましょう。あ、くーちゃん。この紙持っててくださいね」
『わかったよ。それにしても魔神ぽいっていうか魔王ぽいよね』
「元々が悪よりだったとあたしは思いますがね」
外野が聲を隠す気もなく話していますね。
しかし、いまの私はそんなことよりも気になるものがありました。腰に吊るした新生した名もなき魔剣から黒々とした魔力が流れ出ていたからです。
「そうですね。せっかくですからお前にも名前をつけてあげましょう」
『え、またひどい名前つける気? ぽちみたいなのはだめだよ!』
まるで私のネーミングが悪いような言い方ですね。
では、
「タマという名前は……」
『もういろいろと最悪だよね⁉︎』
「相手が剣でも泣くレベルですよ!」
凄い剣幕で罵られました。そしてなんとなくですか名もなき魔剣も不服そうな気配をこちらに向かいはなってきています。
いい名前だと思ったのですが不満なようですね。
そうなればなんと名付ければいいのか。
「うーむ」
戦闘態勢にっているカズヤ達を前に腕を組みながら私は考えます。そして不意にカズヤが構える武、聖剣が私の目に飛び込んできます。
「カズヤ」
「なんだよ」
中から魔力を漲らせ、明らかに私を警戒をしていながらも彼は私の言葉に返事を返したことに苦笑を浮かべてしまいます。
「あなたの持つ聖剣。それの名はなんです?」
今までカズヤの持つ聖剣は聖剣とは呼ばれていましたがおそらくは剣自にも名前があると考えたからです。そしてその能に相応しい名前というのも気にはなりましたからね。
「古い言葉で絶の中よりラ・プュル溢れる希スダイトって言うらしい」
「ふむ、絶の中より溢れる希ねぇ」
まさに聖剣の名にふさわしい意味を持つと言うものです。そうなると魔神である私の持つ武というのは逆の意味を持った方がいいのでしょうか? ですが、私は別に人様に絶を押し付けるのが大好きなわけではありませんし。あ、復讐時は別ですが。
「ならばこの形のない剣は退屈を塗りつぶす刺激カーニバルと名付けましょう」
古い言葉で意味は祭。まさしく退屈をなくすための意味ではぴったりの名前です。
『リリカにしてはまともだ⁉︎』
「くーちゃん、後で話がありますよ〜?」
『えぇ⁉︎』
命名した魔剣、退屈を塗りつぶす刺激カーニバルを鞘から抜き放ち、柄だけではありますがそれをカズヤへと向けます。
「さあ、勇者。持てる力の全てをだしてかかってきなさい。全力を出している間だけは私も退屈ではないかもしれませんよ?」
「あ、悪役ぽい!」
そんなキラキラした目で私を見ないでくださいよゼィハ。まぁ、自分でも今の臺詞はなかなかにかっこいい!と思ってしまいましたがね。
私の挑発ともとれる言葉にカズヤはさらにに纏う魔力を濃くしていき、完全に闘う姿勢を向けてきます。それは両手にナイフを構えているヴァンやよくわからない圧のある魔力を放出しなにやらブツブツとしゃべっているククも同様でした。
「リリカ、いや魔神よ! 俺はお前を斬ってハーレム王になる!」
そんな涙を流しながら私利私を宣言されても困るんですがねぇ。
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