《怪奇探偵社》(2)

「うぅ……」

気づくと俺は知らない天井を見ていた。ベッドに寢かされているようだ。病院だろうか。

頭が痛くてき聲をあげる。倒れた拍子に頭を打ってしまったのかもしれない。

「あ、気づいた〜?ふゎぁ〜」

眠そうに欠をしてダボダボの白を著たが聲を掛けてきた。小學生くらいだろうか。髪は茶に近い赤髪で、し垂れ目っぽく、鼻は小さくツンとして、顔が整っている。…しそりが深いかもしれない。は白く、日本人と言うよりは白人に近いため、外國人か、ハーフかもしれない。

「ここは病院、かな?君はお醫者さんごっこしてるの?」

そう聞けば、は顔を顰めた。

「は…?ボクはもうとっくに人してるしぃ、醫師免許もほら、持ってるよぉ?子供扱いしないでくれない〜?」

どうやら逆鱗にれてしまったらしい。

ゆるい口調なのだが、とても冷たくて目が全く笑っていない。

そしてから発される寒気で震えが止まらない。

「す、すまない。」

震えて聲が出ず、パクパクと口が空回りしながらなんとか謝罪を口にする。

息もできず、地上に打ち上げられた魚になった気分だ。

「あぁ、すまないねぇ、子供扱いされるのがボクは1番嫌いなんだぁ〜。でも、はじめて、は、しょうがない、かも、しれない、よ、ねぇ…。2度目は無いからな?」

「はい…!すみませんでした。」

はにっこりと笑いながら怒りを噛み殺すように言葉を切りながら言い、一応許してくれたようだ。

絶対にもう間違えないと心に深く刻む。

深く反省したのが伝わったのか、刺すような空気が霧散し、気だるそうな表に戻った。

「じゃあ、とりあえず答えてくれるぅ〜?名前と年齢、どこで倒れたか覚えてる〜?」

「えっと…俺は柏木 蓮、です。歳は23で、倒れた場所は……覚えてないです。」

「ふ〜ん。ちなみにぃ、自分が倒れたことは覚えてるぅ?その前後は〜?」

「倒れるだいぶ前から視界がグラグラしてて、急に暗転して……それからは全く覚えてないです。」

「そっかぁ〜、なるほどねぇ。まぁ、さっきのここは病院かって質問に答えるけどぉ〜、ここは病院じゃない。怪奇探偵社の中さ。君は2日前、この怪奇探偵社の前で突然倒れたんだよぉ〜?悪霊怨霊をびっしりくっつけてねぇ〜。最初悪霊の塊がいてると思って、びっくりしちゃったよぉ〜。」

「え、見えるんですか?!俺、2日間も寢てたんですね…。それにこんなにが軽くて調が良いの初めてで…!!」

「見えるよぉ〜?その様子だと、見える人に會ったのは初めてぇ?調子良いのは一昨日から昨日まで、會社にいた人は総出で悪霊を祓ったからだねぇ〜、だから皆今頃、寢てるか、そろそろ起きるくらいじゃないかなぁ〜。ボクも寢不足だよぉ〜。34を1度にはさすがに骨が折れた。」

「そんなに?!本當にありがとうございます!!えっと……」

悪霊に取り憑かれてから鏡を見るのが嫌で、背中にそんなに居たなんて知らなかった。

お禮を言おうとしたが、まだの名前を教えて貰ってない。

「ん〜?ああ、そういえば名前、教えてなかったね〜。ボクは葭杜 彩嶺よしもり あやねだよぉ。そしてぇ、會社の真ん前で倒れた君をここまで運んだのはぁ〜…」

彩嶺はドアを見る。俺も釣られて見てしまう。すると……

バァァーン!!!と勢いよく扉が開かれた。

「アタシよォ〜!!!」

……思考がフリーズした。

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