俺は自分でも驚く程水を飲んでしまった。

自分ではあまりの渇きに気づかなかったのだが、そのまま2L全部飲んでしまったのだ。

俺は、空の2Lペットボトルを見ながら言った。

「俺、こんなに酷く泣きました…？」

「レンくんねぇ〜、食事の時も飲んでなかったし、…起きてから何も飲んでないよねぇ〜？丸1日寢てたから、2Ｌ飲むのも仕方ないんじゃない〜？逆にないくらいかもねぇ〜」

クスクスと笑って言う彩嶺さん。

確かに食べることに夢中で飲みに気づかない程だった。水癥狀と改めて考えると、確かにめまいや立ちくらみがあったかもしれない。が軽すぎて気づかなかったが… 

「飲み終わったか？そろそろ、大事な話をしようか。君にとっては嫌な話かもしれない。」

社長の乃良さんがしこちらを伺うように話し出した。

「はい。…聞きます。」

多分、お金の話だろう。

あれだけ憑いていたのだから、沢山迷をかけてしまったに違いない。それをタダなんて思っていない。

100萬でも、200萬でも頑張って払おう。…そう心に決める。

「………話というのは悪霊を払った料金、なんだが、會社の正規料金として、悪霊祓いは一100萬だ。

そして君に取り付いていたのは計34。

だが、君の現狀や怪奇探偵社に直接來た為に遠征費が浮いた事を考慮して、…一80萬に価格を下げた。

80萬×34で2720萬円。

それと、ここ、怪奇探偵社は國公認であるから、渉して1割負擔して貰った。負擔額は272萬。

…それでも、料金合計は2448萬。

手は盡くしたが、これ以上の値下げは出來そうにない。」

すまない、と頭を下げる乃良さん。

鈍で毆られるような衝撃だった。

2448萬。どれだけバイトをしても、どれだけ生活を切り詰めても、とても払える金額では無かった。

今日からホームレスになる予定の無一文な俺が、2448萬もの借金を背負って…いったいどうしろと言うんだ。そう、聲を荒らげたくなった。

…でも、乃良さんも國と渉して、値下げも最大限してくれている。救ってくれた乃良さん達に當たるのは、絶対に違う。

「………分かりました。ですが俺はネットカフェに泊まるお金すらない無一文です。とても、返せるとは……」

「ああ、すまないがこちらでも君の事は調べさせて貰ったよ。持ちに分証があったからね。勝手に電話してしまって悪いが、親さんの方には一銭も払う気はないとも言われた。」

「そう、ですよね。絶縁…されてますから……」

……どうすればいいんだろう。

臓を売るか…？死ぬしか無いのだろうか…。

踏んだり蹴ったりで俺の人生終わるのか……

蓮は頭を抱えた。どうしようもなく掻きむしった。

手の甲に、小さい手が掻きむしるのを止めるようにスっとれた。

顔を上げて見れば彩嶺さんが薄らと笑いながら俺を覗き込んでいた。

そして彩嶺さんは乃良さんの方を向く。

自然と、俺の視線は釣られるように乃良さんを見る。

正面に座る、乃良さんは、俺を真っ直ぐに見つめ、真顔で言った。

「そこで私達は、君にある提案をさせてもらうよ。」

テスト期間にってしまいました！

次回更新はもうし後になります！すみません！

更新予定は   ！更新しました！

後々キャラクターや世界観を紹介するのも投稿しようと思ってます！

更新しました！