《怪奇探偵社》(7)

君にある提案をする。

そう言われたが…提案、とはなんだろう。

もしかして、マグロ漁船とか…臓売買じゃ……

俺は思わず顔をこわばらせた。

「そう怖い顔をしないでくれ。よくある臓売買やマグロ漁船に行かせたりはしないから。」

「なっ、えっ、俺の考えが読めるんですか?」

「ハハハッ、君の場合は全部顔に書いてある。

話が逸れてしまったな。

提案というのは、

……柏木 蓮かしわぎ れんさん。」

そこまで言って、乃良さんは言葉を切り、俺を真っ直ぐに、鋭く見據える。

俺と乃良さんの間に張が走る。

「君、怪奇探偵社の社員にならないか?」

………俺は今、鬱蒼と生い茂る草木を掻き分けながら、山を登っている。

低木の小枝や丈の長い草を押しやるたびに、それらがチクチクとして痛い。

それらに付いていたのであろう小さな蟲達が、いつの間にか服に付いていて、その都度払っているが気持ちが悪い。

落ち葉が積もって出來ているであろう土はとてもらかくて、足を進める度に沈み込み歩きづらい。

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時々、木々のっこが土からとび出ていて、それを落ち葉が隠しているものだから、何度も転びそうになった。

……いや、何度か転んだ。

実家は田舎にあって、山も近かったが、俺はあまり活発な格ではなく、どちらかと言うと気な方で、同級生達のように沢山外に出よう!遊ぼう!!……とは、ならなかった。

唯一行っていたのは、裏山の麓ふもとにある神社くらいだ。

そこだって神社まで石造りの長い階段があり、草木を掻き分けながら登るなんてことはなかった。

山に登るのはこれが初めてだった。

前…というか、上を見れば、茂みを掻き分けスイスイと山を登っていく社長の乃良のらさんと、

俺と同じくバイト扱いの、ユアさんがかろうじて見えた。

俺の隣には今日もお灑落で筋ムキムキ、オネェのナイさんが付き添ってくれている。

「あら、もうだいぶ離れちゃったわね……。

でも!座標的には結構近い所まで來てるから大丈夫よ!

アンタ、あんまり力無いんだから、無理はしないでちょうだいね?」

「ありがっ、とう、ござい、ます」

木のにつまづいてしまう。

さっきから息切れも酷く、まともに話す事も難しい。

「ほら、水飲みなさい!水分補給は本當に大事よ?」

そう言ってナイさんが氷水のった水筒を差し出してくれる。

「ありがとう、ござい、ます……!

すみ、ません、殆ど全部、荷、持って、もらっちゃ、って……」

冷たい水が渇ききったを流れる。

し塩がれてあるのかしょっぱいが、がそれを求めているのか、味しくじる。

しレモンの風味もあり、とても飲みやすい。

「あら、良いわよこのくらい!

アンタまだ力も筋力もないんだし、力も力もある先輩のアタシが持つのは當然だわァ〜!

ほ〜ら、後もうしで著くから!頑張りましょ!

ここら辺に、古いお屋敷があるはずなのよォ〜」

「え、お屋敷?こんな山奧にそんなのがあるんですか?」

………俺は今日何故、なんのために山を登っているのか知らない。

乃良さんにも、ナイさんにも聞いたが、はぐらかされた。

俺は何も知らない方が都合が良いらしく、人命救助に盡力するように、とだけ言われていた。

最初は誰か山で遭難でもしてるのかと思ったが、名前を大聲で呼ぶ事も無かった為、疑問はあった。

……途中から山登りが大変過ぎて考える余裕も無くなっていたが、お屋敷があるならけもの道でもいいから他に道は無かったんだろうか…。

…というか、お屋敷で人命救助??どういうことだろう。

「えぇ、とぉ〜っても気味の悪いお屋敷が、ね。

詳細は後で教えるわァ〜!

あら、乃良チャン!例のお屋敷見つけたァ〜?」

「あぁ、やっと來たか。多分ここにある。

……大変だっただろう。頑張ったな柏木かしわぎ君。

疲れている所申し訳ないが、急を要する事だ、もうし頑張ってもらうよ。

もちろんボーナスは弾むさ。」

そう言われたら、俺はこう答えるしかない。

そして、凄く嫌な予しかしない。

「………頑張ります。」

…登ったそこには、お屋敷の影も形もなく、

草木の生えていない長方形の広い空地と、

目をよく凝らせば、

その空地を囲うように覆っている、明なのようなが見えた。

結構長くなりました!

ちなみに作者、結構イイ點數取りました!((おい

次に投稿するのは、ここの世界観とキャラクター紹介です!まだ書いてないので、これから書きます!ストックというものを作らない計畫皆無の作者なので何卒ご容赦くださいm(*_ _)m

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