《オワリノオワリ》カレラノオモイ
「なんで……何でこんなことになったの……?」
誰にともなく私はつぶやく。
朝、いつものように明るく會話した彼が、今は真っ白な病室の真っ白なベットに寢ている。
「なんで私じゃないの」
涙は枯れたと思っても出続けてくる。
右を見ると紗威も泣いている。
お醫者さんの話によると一命は取り留めたという事だったが目覚めるのはいつになるのか分からないそうだ。
毎日わしていたあのやり取りが、あの笑顔がもう二度と戻らないかもしれない。
彼を引いたトラックの運転手はその後、なんちゃら過失致傷(?)
とかなんとかで、逮捕されたそうだ。
私はもうそれどころじゃなくってあやふやだけど彼が早く目覚めることを祈って今日もお見舞いに來ている。
お見舞いと言っても彼と同じ病室にることは出來ず、硝子越しに眺めることしか出來ない。
___悔しい。
硝子1枚の向かう側に彼がいるのに、手をばしても聲をかけても屆きそうもない。
今すぐにでもこの硝子を叩き割って彼の元に行きたい。
でもそんなことをすれば、二度と顔が見られなくなるのは馬鹿な私でもわかる。
それは紗威のためにも私のためにもやってはいけない。
きっと、きっと目覚めてくれるよね。
信じてるよ。
何日でも。
何週でも。
何ヶ月でも。
何年でも。
永遠でも。
ずっと、ずっと______
あの事故からもう1ヶ月がたとうとしていた。
「なんで……何でこんなことになったの……?」
左側から涙聲で喋る聲が聞こえる。
この言葉には答えない方がいいだろう。
唯宇は、あのワンパクは、泣いていた。
きっと俺もないているんだろう。
目が熱い。
學校でまとまって飯を食って、つまらない話で盛り上がって、笑いあって、ケンカしあって、仲直りして、泣きあった。
そんな彼は死んだように眠っている。
真っ白な顔で、指一本かせず、包帯だらけで人工呼吸をして目をつぶっている。
今にもパチリと開いて、
「唯宇、紗威。おはよ。」
とでも言ってのけそうなのに、
靜かに心音を告げる機械音のみがピッピッピッピッと小刻みに鳴り続ける。
俺は、俺と唯宇は、今日も見舞いに來ている。
彼も俺も來る度に涙を流し、目覚める気配のない彼に向かって早く起きてくれよ。
と硝子ごしに願いながら、面會時間の許す限りギリギリまで後悔と自責の念に苛まれている。
もしあそこで彼になにか一言かけていれば、今と違った結果になっていたに違いない。
「何で私じゃないの」
彼もどうやら同じ思いのようだ。
そんな暗い思いに心沈ませながら、今日も、事故から1ヶ月となる今日も、何事もなく、変わらないまま終わっていこうとしていた。
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