《休止中》勇者の失墜 その1 〜暴挙〜

勇が迷宮に逃げ込んでから二ヶ月が過ぎた。

この王宮では勇に対する指名手配と早急に迷宮を攻略するようにとの命令が下っている。急激な戦闘力の上昇が求められたため、ついてこれなかった者とのステータス差は激しい。

「…おい。チンタラ歩いてんじゃねぇぞ…?勇をとっ捕まえる気あんのか??まだ攻略の2/1も攻略できてねぇんだぞ!?」

そう。勇者たちは現在迷宮を攻略中である。

既に攻略をすすめてから2週間。家庭系のスキルを持っているものの戦闘系ではない者たちは早々に離している。

つまりここにいるいわゆる攻略組は簡易的な食料と魔法による最低限の水の確保で攻略を進めている狀態だ。

「しかし、瀬。いくら攻略組といっても疲弊のは明らかだ。いい加減に地上への引き上げを始めるべきだ。」

數日前から瀬の急ぎすぎた攻略に異を唱えているのが、覇月零王はづき れおである。異世界に來る前までは學級の副委員長を努めていた。正面で目立つことはせず、しかし影から支える者としての信頼は絶大だ。

Advertisement

「ぁあ??ここまで攻略してきて勇の姿は発見できてねぇ!?つまりだ!俺らより下にいる可能がでけぇってことだ!死もみつかっえねぇ!それでいいのか!?」

「流石にこれ以上は俺らもキツイ。瀬の指示には従いかねるな。撤退させてもらう。指揮は覇月きまかせる。」

攻略組の一員の海道も撤退を要求。撤退を認めない瀬に変わって覇月に指揮をとるように要請した。

「まて海道!勝手な行を…」

「了解。ここからは俺が指揮をとる。瀬とまだ攻略を続けたいと言うものがいるなら俺は止めはしない。続けたい者は瀬につけ。」

場が靜まりかえる。覇月も攻略を続けると思われる仲間がいないとの判斷からこのようなことをいったのだろう。

「誰もお前についていく気は無いみたいだが?一人で攻略を続けるつもりか…?駄々をこねてないで地上に帰還するぞ。」

「…せぇ。」

「……??」

「うるせぇ!?俺に命令してんじゃねぇ!こちとら王様からも任されてんだ!いきなり指示とばされても困んだよ!どうしても勝手にしたいなら俺に勝ってからにしろ!?」

瀬がキレる。この所様子が変なのは他の生徒も気づいていたが、攻略による疲弊でそれどころでは無かった。しかしここまで明らかにおかしな行をとれば、誰でも気づく。

瀬は“常軌を逸している”

「流石におかしいぞ…。瀬。いくら疲れているからも言ってもだな。………。おい南俺達全員に何らかの魔法、呪の類がかかってないか調べてくれ。」

南楓みなみ かえで。魔、呪の類のものを看破することを得意とする生徒。いわいる知系。

「わかった…。………。………!?うそ…!?若干だけど私達全員に何らかの呪がかかってる!?けど…。私の能力じゃ何の能力かはわからない…。あと瀬君だけ“強力”に呪がかけられてる…。」

(………!?!?!!?)

クラスの全員が驚愕の表を浮かべる。瀬も例外ではない。聖剣を握ってからおかしくなったことは明らかだが。それが呪と関係しているなど當の本人も気づいていないのだ。いや気にも止めなかったというほうが正しい。

「やはりな…。このところ何かおかしいとは思っていた。王宮が何かしらので俺たちをろうとしているということだ。」

「なるほどな…。勇は何らかの事実を知ったってことか…。」

「……??なぜそう思う。魔壁が罪を逃れる材料には直結しないと思うのだが?」

「いや。なんでもない。ただ先に戻った連中にしても瀬みてぇに呪をかけられてっかもしれねぇ。俺たちも若干だかかかってるってことは油斷出來ねぇ。なんにせよ、王宮にもどるのも安全じゃないかもしれないってことは頭にれといたほうがいい。」

覇月と海道がしづつ狀況を理解しつつある。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください