《No title》⒉國王イディオ
手紙が送られてきた翌日の晝頃。
言われた通り俺は城がある王都へとやって來ており、只今絶賛絶中である。
「人多すぎでしょ無理...!」
見渡す限りの人、人、人...。
今までずっと森に住んでいた俺にとって、それはどんな地獄絵図よりも強烈な景なのだ。
(國王め...これでくだらない容だったらぶん毆ってやる...)
門の傍に立っていた兵士に手紙を渡す。
城の荘厳な雰囲気にし気圧されながら、俺は約束通り一人で城へっていった。
「初めましてレイス君。僕が國王のイディオだよ!よろしく!」
さすがは王都の城。
深紅の絨毯、きめ細やかな細工、無駄に高い天井。裝も外見に負けず劣らずの凄いものだ。
そして今。
目の前で立派な服を見に纏った馬鹿面が、自らを「國王」と呼んで偉そうに俺を見下ろしている。
あまりの景に言葉を失ったが、すぐにハッとなって態度を改める。
「お初にお目にかかります國王陛下。仰せの通り參上致しました。私がレイスでございます」
Advertisement
どんなに馬鹿面でもコイツは一応國のトップなのだ。敬意は払っておかねばなるまい。
「そんな改まんなくていいってー。気楽にしてよ。ね?」
巫山戯るなよイディオ。俺が好き好んで阿呆に頭下げるわけないだろうが。
「ところで私は何の用で呼ばれたのでしょうか?」
「あぁ、そうだね。本題にろうか」
さっさと用事を済ませて帰ろう。俺にはまだ畑いじりという大事な仕事が殘っているのだ。
「実はねレイス君。君に魔王討伐の依頼をしたいんだ」
「は...?」
いやいやいやいやいや。
ちょっと落ち著け冷靜になれ。
思わず國王相手に「は?」とか言っちゃったけど落ち著け。
いくら馬鹿とは言え頼む相手が違う事ぐらい分かるだろう。いや分かれ。
無表で必死に平靜を保とうとしていると、誰も聞いてないのに理由を話し始めた。
貿易のお得意様がその魔王のせいで上手く資調達できてないらしい。
そこで謎にやる気を見せたウチの馬鹿王が魔王討伐をすると言い切ったようだ。
誰に行かせるかは國民全員を対象としたクジで決めて、それに見事俺が當たってしまったらしい。
「僕の才能’’豪運’’だからさー。いい人當たるといいなーと思って!」
(今までの人生全部その才能で生き抜いてきたんだろうな...。そして俺の運はどんだけ悪いんだろうな...)
王都を見た時の絶とは全く別の絶を痛する。
「でも達してくれた暁にはちゃんと富と名譽は保証するよ!それになんと!」
ぶん毆りたくなるようなドヤ顔でイディオは言い放つ。
「レイス君の願いをなんでも一つ葉えてあげよう!」
どうだと言わんばかりの顔に心底腹が立つ。
そもそも魔王の討伐なんてする気はないし、報酬にも興味はない。何よりそういう仕事は兵士がやるものだろう。
依頼を斷ろうとしたその時
「じゃあそういう事でよろしく!旅の幸運を祈ってるよ!」
そう言ってイディオは部屋を出ていった。
そして俺も城を出された。というか國を出された。
「依頼達まで國は出來ないらしいのでどうか頑張って下さい」
俺を出した兵士は「その…すみません」と頭を下げて去っていった。
「.........」
(これは...仕方ない...のか...?)
まぁ今更ここで何を言っても無意味だろう。
なんかに使えたらとカイに盜聴と録音お願いしてたけど、あれも無駄だったな。
「もちろん一緒に行ってくれるよな?」
何もない空間にそう呟くと、背後にカイが姿を現した。
「しょうがねーなぁ!にしてもお前ホントに運悪いのな。笑えてくるわ」
ケタケタと笑うカイの顔も十分腹立たしいが、あの馬鹿面を見た後では全く腹が立たない。
「呆れて言葉もないわ。まぁそれはひとまず置いとこう。行くぞ」
「おー!」
こうして俺達の魔王討伐の旅は幕を開けてしまったのだった。
現実でレベル上げてどうすんだremix
ごく一部の人間が“人を殺すとゲームのようにレベルが上がる”ようになってしまった以外はおおむね普通な世界で、目的も持たず、信念も持たず、愉悅も覚えず、葛藤もせず、ただなんとなく人を殺してレベルを上げ、ついでにひょんなことからクラスメイトのイケてる(死語?)グループに仲良くされたりもする主人公の、ひとつの顛末。 ※以前(2016/07/15~2016/12/23)投稿していた“現実でレベル上げてどうすんだ”のリメイクです。 いちから書き直していますが、おおまかな流れは大體同じです。
8 183【書籍化】初戀の人との晴れの日に令嬢は裏切りを知る〜拗らせ公爵は愛を乞う〜
一人目の婚約者から婚約破棄され、もう結婚はできないであろうと思っていた所に幼い頃から憧れていた王國騎士団団長であるレオン=レグルス公爵に求婚されたティツィアーノ(ティツィ)=サルヴィリオ。 しかし、レオン=レグルス公爵との結婚式當日、彼に戀人がいる事を聞いてしまう。 更に、この結婚自體が、「お前のような戦で剣を振り回すような野猿と結婚などしたくない。」と、その他諸々の暴言と言いがかりをつけ、婚約破棄を言い渡して來た元婚約者のアントニオ皇子の工作による物だった事を知る。 この結婚に愛がないことを知ったティツィアーノはある行動に出た。 國境を守るサルヴィリオ辺境伯の娘として、幼い頃からダンスや刺繍などではなく剣を持って育った、令嬢らしからぬ令嬢と、戀をしたことのないハイスペック公爵の勘違いが勘違いを呼び、誤解とすれ違いで空回りする両片思いのドタバタラブコメディです。 ※ティツィアーノと、レオン視點で物語が進んでいきます。 ※ざまぁはおまけ程度ですので、ご了承ください。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 8/7、8/8 日間ランキング(異世界戀愛)にて5位と表紙入りすることが出來ました。 読んでいただいた皆様に本當に感謝です。 ✳︎✳︎✳︎ 『書籍化』が決まりました。 ひとえに読んでくださった皆様、応援してくださった皆様のおかげです! ありがとうございます! 詳しい情報はまた後日お伝えできるようになったら掲載致します!! 本當にありがとうございました…
8 190男女比がおかしい世界に飛ばされました
主人公の禮二がトラックに轢かれてしまい、起きると男女比が1:100という女性の方が多い世界だった。その世界では、男性はとても貴重で目の前に男性がいると、すぐに襲ってしまうほどだ。その世界で禮二は生きて行く....。 基本的には小説家になろうの方で活動しています。(違う作品を出していますが) なので、とても更新が遅いですが、見てくれると嬉しいです。 多分二週間に一回のペースだと思います。……恐らく。………恐らく。早い時と遅い時があります。
8 147異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした
『異世界転移』 それは男子高校生の誰しもが夢見た事だろう この物語は神様によって半ば強制的に異世界転移させられた男がせっかくなので異世界ライフを満喫する話です
8 170男女比が偏った歪な社會で生き抜く 〜僕は女の子に振り回される
就職して戀愛・結婚をし子供が生まれる、これで普通の人生を歩めると思ってた……でも現実は、時間が過ぎるとともに幸せな家庭は崩れ去り、僕を苦しめるだけだった。 戀愛・結婚に臆病になった男が男女比の偏った世界に生まれ変わり、女性に振り回されながらも奮闘する。 ※申し訳ありませんが、感想の返信は停止しております。
8 156魔術で成績が決まる學園で魔法を使って學園最強
いじめの辛さに耐えてかねて自殺してしまった主人公カルド。そしたら神に君は自殺者10000人記念だからと転生させてもらった。そこは魔術で人生が決まる世界その中でどうやって生きていくのか
8 88