《No title》3.旅立ち
かな自然に囲まれた坂道を、2人の年が歩いている。
「なぁレイスー。勇者の旅立ちが普段著で一文無しってどうなの?」
「そんなこと言うなよ。さっさと魔王倒してあの馬鹿に目に見せてやるんだ俺は」
そう。
俺の目的は最初から魔王討伐ではない。
なんでも葉えてくれるという願い事を駆使し、あの國王に一泡吹かせる。
それ故どこにいるかも分からない魔王を討伐するのであって、趣旨は魔王討伐ではない。
「ウチの國王は魔王より怖い奴を敵に回したかもなー」
「これは全面的にあの阿呆が悪いと思う」
俺の言葉にカイは「それもそうだ」と笑ってみせた。
(承諾もしてないのにこんな面倒な仕事おしつけやがって...。せめて前払金か報の1つでもよこせよイディオの野郎...)
ゴゴゴ...と思わず音が聞こえてきそうなほど溢れ出る悪者オーラに、カイが隣で苦笑している。
長かった上り坂にも遂に終わりが見えたようで、カイは急な坂道を一気に駆け上がっていった。
元気があって大変よろしい。
そして目を輝かせ、大聲でんだ。
「レイス!街だ!ほらあそこ!」
俺もようやく坂を登りきり、カイが指さす先を見る。
「おーホントだ街だ」
中がどうかは知らないが、なくとも外見は良さそうだ。
「レイス!あの街まで競走な!行くぞ!」
「ちょっ、おい!?」
分かったとも言ってないのに勝手に一人で走り出した。
「おい!ちょっと待てって!」
カイに追いつこうと思いっきり大地を蹴った。
向い風を全でけ止める。
風ってこんなに気持ちいいものなのか。
し先で「はやくー!」とはしゃぐ自由人を見て思わずため息をつく。
しかし、旅を始めて最初に訪れる街に俺も興を隠しきれないようで、珍しく大聲でんでいた。
「今行く!」
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