《No title》20.邂逅

「ごめんレイス!遅くなった!」

応急手當を開始して數分後、カイが水と薬草を持って帰ってきた。

「いや大丈夫だお疲れさん。俺が調合してる間に殘りの応急手當頼めるか?」

「當然!」

薬草をけ取り、作る薬と使う薬草を決める。

専用の道が無いから多雑になるが、そこは許してもらおう。

(作るのがただの回復薬で良かった...。解毒薬とかだとちょっと時間かかるからな)

赤の他人を助ける為に必死になっている自分にし驚きながら、俺は調合に取り掛かった。

薬の調合、応急手當、獣の調理。

それぞれの出來ることをし続け十數分がたった頃、やっと全員分の安全確保ができた。

ニビの調理も終わり、あとは目覚めるのを待つだけだ。

「あれ?こいつ...」

寢かせてある騎士のの一人を見てニビが言う。

知り合いでもいたのか?

「やっぱりルミスだ!ほら、この前お前らが言ってた奴だよ!」

「え」

人って本當に驚くと聲出ないんだ...。

そんな巫山戯た事しか考えられなくなるまでには混していた。

「いやいやいや待てよニビ。確かにウルクラグナの騎士だけどルミスじゃないだろ?な?違うよな?」

「いや本人だ。何回か見てるから間違いない」

いつになく顔から冷や汗が吹き出ている。

肩を震わせて笑いを堪えてるカイはとりあえず後で締めよう。

「なんでそんなに嫌がるんだよ?別にいいじゃねーかルミスがいても」

隨分とまぁ簡単に言ってくれる...。

「じゃあ聞くが、これから俺達はどうなると思う?」

俺の問いにニビは、何言ってんだコイツとでも言いたげな目で返答した。

謝される?」

「それで終わればいいけどな…。でも相手は天下のウルクラグナの騎士。しかも最強と謳われるあのルミスだ」

未だきょとんとしている顔のニビ。

もうそろそろ気付けよ...。

「そんなルミスを圧倒していた獣を俺は倒したんだぞ?謝はされるだろうがなくとも詮索もされる」

「あ...」

やっと事の面倒さに気付いたか。

説明も終わり、隣でにやけていたカイの首を締めにかかる。

「お前は他人事だと思ってコノヤロウ...」

「ちょ、ごめんって!いつもの事じゃん許して!?」

「なんか...レイスも苦労するんだな。どんまい」

「そうなんだよ。お前も気をつけろよ?」

「ちょ...ニビ助けて...。死ぬ...俺死ぬ...」

爽やかな風が吹き渡り、薬草の苦い匂いがどこか心地いい今日この頃。

空は快晴、面倒多発。

寢ている騎士と調理済みの獣。それを取り巻く3つの影。

なんとも不思議なこの風景が、俺は意外と嫌いじゃない。

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