《No title》33.孤闘~ルミス目線~
あの後、レイスさんと一緒にニビ君達のいる所まで歩いて帰った。
その間私の思考が止むことはなく、ただひたすらにレイスさんの背中を力ない足取りで追っていた。
脳で何度もあの時の記憶が繰り返される。
何度も何度も何度も何度も。
・・・怯んでしまった。
あの男とレイスさんの、あまりに冷たすぎる會話と空気に。
けなかった。
’’不敗の騎士’’などと謳われている人間が。
これでは民の命は疎か、自分の命すら守れない。私が護らなければいけないのに。
私はなんて......弱いんだろう。
(レイスさんにあんな顔をさせてしまうなんて...)
ふと、あの時見せたレイスさんの顔が目に浮かぶ。
あんな顔を見たのは初めてで、すぐに返事が返せなかった。
きっと私はあの困ったような微笑みを忘れることはないだろう。
底の見えない苦しみと哀しみをじるにも関わらず、涙が出てきそうなほど優しく、穏やかだったあの顔を。
「ただいまー」
レイスさんの聲で我に返る。
いつの間にか帰ってきていたようだ。
部下も全員起きている。
「おかえり・・・って!おいどうした!?何があった!?生きてんのかこれ!?」
いつも通りすぎる聲に何の警戒もなく振り返ったニビ君が、塗れのカイさんを見て相を変える。
「あぁ大丈夫大丈夫。寢てりゃ大のことは治るから」
「寢てりゃ治るってお前......」
「いや冗談よ?さすがに止とか応急処置ぐらいしてあげよう?」
「こんな時に冗談なんて言うなよな!?
・・・ほら、カイここに寢かせて」
「はいよー」
あまりに想定外の狀態で帰還した私達によって一瞬重くなりかけた空気が、このやり取りでかなり軽くなった。
あの顔を見せて僅か數分。
すでに戻っていたレイスさんの調子に、驚きを通り越して尊敬すら覚える。
(私はもし相棒に値する者が同じような狀況に陥った時、レイスさんのような対応ができるだろうか...)
自分より遙かに年下の青年がとった行に揺を隠せず、僅かに気が緩んでしまう。
そんな時、カイさんの手當を手伝っていた部下の一人に聲をかけられた。
「団長...大丈夫ですか?まだ調が優れないようなら遠慮なく休んで下さいよ?」
心底心配そうに私の顔を覗いてきた彼だったが、今の私には悪魔が嘲笑っているようにしか見えなかった。
「いや、私は大丈夫。それより君は大丈夫か?まだ本調子ではないのだから、無理はだよ」
「はい、私はもう大丈夫です。団長もまだ完全ではないでしょうし、傷が痛むようでしたら無理はしないで下さい」
「ありがとう。そうするよ」
そうして彼は一度の禮の後、元いた場所へと戻っていった。
し大きめの深呼吸をし、改めて気を引き締める。
騎士団長である以上、部下に察されてはいけない。
(これぐらいの傷、どうということはない。大丈夫...大丈夫...大丈夫...)
何度も自分に言い聞かせる。
そして先程開いた傷の痛みを顔に出さないよう細心の注意を払いながら、私はカイさんの手當に參加した。
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