《No title》35.會話~ブラギ目線~

「・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

居心地の悪い沈黙の中、何をするでもなくただ時間だけが過ぎていく。

レイスさんはといえば、呑気にカイさんで遊んでいた。

相手は重というのに何を考えているのだろうか...?

「そういえばブラギさん」

包帯をいじる手を止め、彼は私に視線を向けた。

「なんでしょうか」

「ルミスって普段どんなじなんですか?やっぱりこう...頼れる団長!ってじですか?」

何を言われるのかと構えたが、彼の口から出てきたのは何の変哲もない質問だった。

(私達が倒せなかったあの魔獣を倒したというからどんな人かとし警戒していたが.........杞憂だったかな)

自分の勝手な警戒から解放され、し気分が楽になる。

そのまま私は団長について軽く話した。

「そうですね。騎士団の中で最も強くありながら、我々団員を常に気にかけて下さっています。恥ずかしい話ですが、ここに殘されたのも団員の中で私の傷が一番酷かったのを察されたのだと思います」

「さすが団長...」

私の返答に彼はそれだけ呟いた。

そして數秒後、何かを思い出したかのように再び口を開いた。

「というか!ブラギさん!」

「な、なんでしょう...」

「敬語やめませんか?俺今18なんですよ。俺のが年下でしょ?ブラギさんが敬語使う必要ないですよ!」

「いえ、貴方達は私達の恩人です。年齢は関係ありませんし、まだ敬語を解くような間柄でもないと思いますが...」

そんな事気にしなくてもいいのに。

というか団長にはタメ口だった気がするんだがあれはいいのか?

「じゃあ俺が敬語やめますからブラギさんもやめてください!なんか嫌なんで!」

「え、いやでも...団長も敬語使ってますし...」

「いやもうルミスは無理です。あいつのあれはもうお手上げです」

「えぇ...」

「お願いしますよブラギさん。ね?いいでしょう?」

必死だなこの人...。

ここまで敬語を使われるのが嫌というのも珍しい話だが...。

というか団長のこと呼び捨てだし’’あいつ’’とか言ってるし何なんだ一...。

まぁでも嫌がることをするのもどうかと思うしな...。

「分かった。じゃあ敬語はなしね」

「やった!ありがとうブラギさん!」

そうして彼は分かりやすくガッツポーズまでして喜んでいた。

強さだけは常軌を逸しているのかもしれないが、まだ子供らしさはあるらしい。

私が見る限り、レイスくんは隨分といい人のように思えた。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください