｢次の方ー｣

暇潰しにやっていたしりとりで俺が圧勝している中、役員から聲がかかった。

持っている全ての荷を渡し、容赦なく曬されていく私たちを眺めて質問タイムへ突する。

｢どういった理由で國を？｣

｢ここである決闘大會に參加したいんだ｣

｢決闘大會に？...そう、君は？｣

｢俺もこいつと同じ｣

｢え！？あ、そう...｣

明らかに揺したあと、役員は俺達に一枚の紙を渡して門を通してくれた。

終始カイを擔いだままだったが、ルミスのおかげで何も詮索されずにすんだ。

その代わり役員は最後まで心配そうに俺達を見ていた。

しかし、後ろにはまだまだ國希者が並んでいたのですぐに業務に戻っていた。

｢そりゃあ驚くだろうよ。ガタイのいい男とか騎士しか參加しない大會に俺らみたいなのが出場するっていうんだ｣

外と國を繋ぐ細長い通路でニビが呟く。

ふと顔を見てみると、そこには小悪魔的な笑みを浮かべる彼がいた。

こいつも大概悪い顔するようになったよな...。

｢そいつがあのルミスと互角に戦えるなんて夢にも思ってないだろうなぁ｣

通路の薄暗さが2人の不気味な笑みを隠す。

しして、足音の聞こえない通路から彼らは顔を出した。

｢へぇ...｣

全にのを浴び、俺達はウルクラグナという國をその目に映す。

民は笑い、文化は栄え、老若男問わず幸せそうな景。

(こんなでもどこかに苦しんでる奴がいるかもと思ってしまう俺はひねくれてるんだろうなぁ...)

デイディスの一件以來、疑いの目が強くなった自分にし嫌気がさす。

｢気にってもらえた？｣

歩み寄ってきたブラギさんが尋ねてくる。

その表からは國への誇りと國心が伺えた。

｢うん。予想と全然違ったけど、いい國だねウルクラグナ｣

｢予想って…。逆にどんな國だと思ってたの｣

｢こう…殺伐とした？Dead or Aliveみたいな｣

｢あはは…。まぁ戦士の國なんて言われてるから仕方ないけどね。でもここはそんな場所じゃないし安心して｣

｢ありがとう。ところでブラギさん一人？他の皆は？｣

先程からルミス含む騎士の皆の姿がない。

あわよくばフォルセティアに會わせてもらう渉をしようと思ったんだが、今日は難しいだろうか…。

｢そうだった。君たちをフォルセティア様…ここの國王様に紹介するから城に連れてくるよう言われてるよ。早速で悪いけどついてきて｣

思わぬ返答に驚く。

渉と捜索の手間が省けた上、王に會う機會が既に用意されていた。

そうだ、ルミスは必要以上の気遣いができる奴だった。

｢わかった。あ、俺たちこんな格好だけどいいのかな？カイも擔いでるし｣

｢大丈夫だよ。あまりそういうのに厳しくないから｣

｢そう？じゃあ行こう｣

これもルミスの気遣いか？

なりで威厳や気品がどうのこうの言う國は珍しくないんだが…。

し疑問に思うこともあったが、兎にも角にも俺達はブラギさんの案のもと、ルミス達とフォルセティアの待つ王城へと足を踏み出した。