《No title》64.隕石落下

目的地へは1分もかからなかった。

しかし、その短時間からは考えられない程に現場は荒れており、つい昨日まで人で賑わっていた通りは瓦礫や痕で見る影もなかった。

「フォルセティア様よりここでの戦闘を許可されました!援護します!」

既に戦闘にっていた騎士達に一言いって俺たちも參戦する。

相手は見たこともない個かな獣の大群だった。

赤いイノシシ、角が生えた兎、腕が6本ある熊などなど。

なくとも俺は今まで見たことがない。

「いくよラン!!」

「あいよー」

剣を抜いて戦闘態勢にった頃、ライとランが突然そうんだ。

2人で何か大技でも出すつもりか…?

「あ、二ビ達そこ危ないかもーーー」

「はぁ?今なんて……」

ランの忠告も虛しく、俺は上空で信じられないものを目にする。

清々しいほど青い空に赤い炎を纏ったが浮かんでいる。

だんだん大きく…え、いや…ちょっ…。

「全員ここから離れろぉぉぉぉぉ!!」

気付けば俺はそうんでいた。

轟音と共に迫っていたのは隕石だった。

何がどうして隕石なんか落ちてきてんのか知らないがタイミング悪すぎるだろ…!

「退避ー!退避ーっ!」

「うわぁぁぁ!!!」

「きゃー!!」

逃げ遅れた國民と退避を促す騎士達により、辺りは更なる困に陥った。

俺たちもけない國民の手助けへと急ぐ。

圧倒的スピードで方全員の避難が終えた頃には、隕石はもうすぐそこまで迫っていた。

「……よし!俺たちも早く逃げ……」

「おにいちゃ…助けて…ひっく…お、お母さんが…!」

「!?」

急いで離れようとしたその時、俺は袖を摑んだ子供に助けを求められた。

年が指さす先には婦人が瓦礫に埋もれているのが辛うじて見える。

「くそっ…!カイ!この子連れて先に逃げてろ!」

「はぁ!?お前どうすんだよ!?」

「俺はあの人助けたらすぐ行くから!じゃあ頼んだぞ!」

「なっ…!?お前もう……!」

彼の言葉を振り払い、婦人の元へと急ぐ。

隕石はもう熱さが伝わるほど近付いてきていた。

「間に合え…!」

上の瓦礫を蹴り飛ばして婦人をすぐさま抱き上げる。

熱さでいよいよ息もできなくなってきた。

肺が焼けるように痛い。

酸素が足りない。

視界も暗転し始めた……まずい…あとしなのに…!

カイは……よし。ちゃんとあの子を連れて逃げてるな。

せめてこの人だけでも逃がして………あ、でもこれはちょっと……無理…か…も…。

薄れゆく意識の中、懸命にかそうともがいていた時、俺はまたも信じられない現象に遭遇する。

「!?」

どういうわけかがひとりでにき出したのだ。

何が起こったのか分からないまま、俺達は引きずられるように避難した。

婦人も無事だ。

「おい大丈夫か!?」

カイと二ビが焦った様子で駆け寄ってくる。

背後では隕石が完全に落下を果たし、國を囲む壁の4分の1程度が破壊されていた。

獣たちは下敷きになったようで、あれだけいた大群は殆ど亡骸となっていた。

「あぁ…俺は大丈夫。それより早くこの人安全な場所に連れてってくれよ」

「…わかった」

カイが婦人を抱き上げて走っていく。

俺も立ち上がって一応距離をとる。

それにしても何だったんだ?

突然の隕石に加え、が勝手にいたあの現象…。

才能関連と考えるのが一番妥當だが、だとするとどんな才能なんだ?

悶々と思考を巡らせてみるが、まだ酸欠の頭は上手く機能せず、明確な答えが出ることはなかった。

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