《太平洋戦爭》第5話 ヨシ子の想いと父
第5話
昭和20年8月15日
日本の長い戦爭は終わりました。
ヨシ子や夏江だけじゃなく日本の全國民が苦しんだのです。
そして戦爭で生き殘った人達の苦しみがまた始まります。
〜広島のヨシ子〜
私は原で生き殘りました。
母と弟を失い、1人で島にいる親戚の家で兄と父の帰りを待つことにしました。
親戚のおばさんはとても冷たい人です。
私は原をけていることを理由にいじめられました。
原の毒がうつるなど冷たい言葉をたくさんけました。
それでも私は耐えて兄と父の帰りだけを待ちます。
けれど、終戦になっても何ヶ月も帰ってきません。
親戚のおばさんは
「フィリピンは戦爭が激しかったからねぇ、死んじまったんじゃない?」
そういうのです。
私はわかっていました。
兄と父は待っても帰ってこない。
それでも心の中では確信がつかないのです。
そんな時、有村という男の人が
私を訪ねに來ました。
「ごめんください、ヨシ子さんはいますか?」
親戚のおばさんは玄関のドアをあけました
「誰ね、あんた」
有村「私は有村 勝治と申します。僕はヨシ子さんのお父さんの文吉さんのことでヨシ子さんに話がありましてここを訪ねました。」
(お父さんのことだわ!)
私は階段を駆け下りて玄関に行きました。
おばさんが嫌な顔をしながら
「どうぞ。」と、一言だけ言い居間にあんないしました。
私は後からついて行きました。
おばさんは有村さんにお茶を出し、そのまま上の部屋へ無言で上がっていきました。
有村さんは真っ直ぐな瞳でこちらを見ています。
そして悲しそうな聲で
「ヨシ子さん。文吉さんはフィリピンで戦死しました。」
そういうのです。
私は泣くこともなくただ有村さんの瞳を見つめていました。
有村さんは今にも泣きそうな聲で
「私は文吉さんに助けられたのです。文吉さんは…文吉さんは…」
有村さんが涙を流し始めます。
「僕に流れてきた敵の玉を庇って死んでしまった。僕は…僕は…!」
私は突然涙を流しました。
有村「文吉さんは僕の命の恩人です。もう文吉さんに恩返しをすることは出來ない。だから娘さんに…ヨシ子さんに…これを」
有村さんがそっとテーブルに置いたものは金でした。
有村「將來きっと役に立つと思います。け取ってください。」
私は何も言わずうなずきました。
その夜、親戚のおばさんは私から金をとりあげたのです。
「面倒見てやってるお禮だよ、全く、そんなことしか出來ないんだから」
そう言っておばさんは金を持ってせっせと自分の部屋へ戻っていきました。
私は何も言い返せない。何も出來ない。
そんなことが悔しくて、私はこの家を出ることを決意しました。19歳の時でした。
[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者少女を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!
ホビージャパン様より書籍化することになりました。 書籍化作業にあたりタイトルを変更することになりました。 3月1日にhj文庫より発売されます。 —————— 「俺は冒険者なんてさっさと辭めたいんだ。最初の約束どおり、俺は辭めるぞ」 「そんなこと言わないでください。後少し……後少しだけで良いですから、お願いします! 私たちを捨てないでください!」 「人聞きの悪いこと言ってんじゃねえよ! 俺は辭めるからな!」 「……でも実際のところ、チームリーダーの許可がないと抜けられませんよね? 絶対に許可なんてしませんから」 「くそっ! さっさと俺を解雇しろ! このクソ勇者!」 今より少し先の未來。エネルギー資源の枯渇をどうにかしようとある実験をしていた國があった。 だがその実験は失敗し、だがある意味では成功した。當初の目的どおり新たなエネルギーを見つけることに成功したのだ──望んだ形ではなかったが。 実験の失敗の結果、地球は異世界と繋がった。 異世界と繋がったことで魔力というエネルギーと出會うことができたが、代わりにその異世界と繋がった場所からモンスターと呼ばれる化け物達が地球側へと侵攻し始めた。 それを食い止めるべく魔力を扱う才に目覚めた冒険者。主人公はそんな冒険者の一人であるが、冒険者の中でも最低位の才能しかないと判斷された者の一人だった。 そんな主人公が、冒険者を育てるための學校に通う少女達と同じチームを組むこととなり、嫌々ながらも協力していく。そんな物語。
8 59視えるのに祓えない、九條尚久の心霊調査事務所
『視えざるもの』が視えることで悩んでいた主人公がその命を斷とうとした時、一人の男が聲を掛けた。 「いらないならください、命」 やたら綺麗な顔をした男だけれどマイペースで生活力なしのど天然。傍にはいつも甘い同じお菓子。そんな変な男についてたどり著いたのが、心霊調査事務所だった。 こちらはエブリスタ、アルファポリスにも掲載しております。
8 137【書籍化】初戀の人との晴れの日に令嬢は裏切りを知る〜拗らせ公爵は愛を乞う〜
一人目の婚約者から婚約破棄され、もう結婚はできないであろうと思っていた所に幼い頃から憧れていた王國騎士団団長であるレオン=レグルス公爵に求婚されたティツィアーノ(ティツィ)=サルヴィリオ。 しかし、レオン=レグルス公爵との結婚式當日、彼に戀人がいる事を聞いてしまう。 更に、この結婚自體が、「お前のような戦で剣を振り回すような野猿と結婚などしたくない。」と、その他諸々の暴言と言いがかりをつけ、婚約破棄を言い渡して來た元婚約者のアントニオ皇子の工作による物だった事を知る。 この結婚に愛がないことを知ったティツィアーノはある行動に出た。 國境を守るサルヴィリオ辺境伯の娘として、幼い頃からダンスや刺繍などではなく剣を持って育った、令嬢らしからぬ令嬢と、戀をしたことのないハイスペック公爵の勘違いが勘違いを呼び、誤解とすれ違いで空回りする両片思いのドタバタラブコメディです。 ※ティツィアーノと、レオン視點で物語が進んでいきます。 ※ざまぁはおまけ程度ですので、ご了承ください。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 8/7、8/8 日間ランキング(異世界戀愛)にて5位と表紙入りすることが出來ました。 読んでいただいた皆様に本當に感謝です。 ✳︎✳︎✳︎ 『書籍化』が決まりました。 ひとえに読んでくださった皆様、応援してくださった皆様のおかげです! ありがとうございます! 詳しい情報はまた後日お伝えできるようになったら掲載致します!! 本當にありがとうございました…
8 190バミューダ・トリガー
學生の周りで起きた怪異事件《バミューダ》 巻き込まれた者のうち生存者は學生のみ。 そして、彼らのもとから、大切にしていた物、事件の引き金《トリガー》とされる物が失われていたのだが・・・? ある日を境に、それぞれの運命は再び怪異へと向かって進み始める。分からない事だらけのこの事件に、終息は訪れるのか? 大切な物に気づいたとき自分の個性が武器となる・・・!! ―初挑戦の新作始動―
8 53エルフさんが通ります
エルフの里をなんやかんやの理由で飛び出したリリカ・エトロンシア。 人間の言葉はわかるが読み書きが微妙な彼女がなんとなく町をブラブラしたり冒険したり戀愛?(本人的にはウェルカムラブ)したり犯罪したりするなんとも言えない冒険譚
8 120最強の高校生
最強の高校生「神城龍騎」は一見ただの高校生だが彼には秘めた力があった
8 159