《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》白い部屋
今日も天気がいい。學校行事という煩わしいさえなければ最高の気分になれるだろう。周りからどう見えているのかわからないけど、僕はめられているとは思っていない。反論するのが面倒だから唯々諾々と従っているだけだ。朝の靜寂を壊すように馬鹿の一つ覚えのように、怒鳴ることしか出來ない人間が、怒鳴り散らしている。「おい。うすのろ。いい加減にしろよ。お前がいるせいで、バスが出発できないだろう?」「僕のせいじゃ…な…。」「あぁ?お前がとろくさいからだろう?」「立花くんいい加減にして、あなた達が凜君に、荷を持たせているからでしょ。」「いいよ。ひとみは黙っていて、僕と立花君との話だから」「わかっているじゃないか、委員長もそんなわけだから、俺達の事は構わないでもらいたいな。」立花の取り巻きになっている男子生徒が一斉にひとみに対して侮蔑の聲を上げている。僕はそんな事をしたいわけではないが、何か行にしても面倒な事が増えるだけで誰も得をしない。何もかも無くしてしまった日から僕は時間が過ぎるのをじっと待つ事にした。
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立花とひとみが何か言い爭っている聲を聞きながら、荷を預けてさっさと決まった席に移した。
「うすのろ。あ”ぁ」「おい立花。うすのろはさっさと行ったようだぞ」「あっまぁいいか、委員長。そんなわけで俺もバスに乗るからな。委員長が乗り遅れないように、な!」ぎゃはははと下品な笑い聲が聞こえてきそうな狀態で立花達はバスに乗り込んできた。僕の橫を通り抜けて一番うしろの席に腰をおろした。
何か後ろの方で騒いでいる聲が聞こえるが、僕にとってはこの移時間は貴重な時間だ。好きな本も読める。スマホで読めばと何人かに言われたけど、僕は紙の本が好きで多荷になってもどこかに行くときには何冊か持っていく事にしている。今日も荷になると解っていたが、數冊本を持ってきている。
次の目的地まで予定では、1.5時間ほどだったと思う。読んでいた本を閉じて、窓で日差しを遮っていたカーテンをし開けた。もうし本を読んでいようと思って、再度カーテンを閉めようと思ったとき、前方から何か大きな塊が、前方を走るバスを飲み込んだ。塊は僕が乗るバスに向かってきた。「あっ!!」
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僕は、祖父母の家の庭で水遊びをしている。僕が13歳。弟が11歳の夏休み。優しかった祖父母も、通事故に巻き込まれてしまった両親も、プールの事故で死んでしまった弟が居る。沢山叱られて、沢山喧嘩して、沢山話を聞いた楽しかった頃の思い出。もう夢でしか味わうことが出來ない家族の絆。みんなが優しい聲で、僕を呼んでくれる。「「「「「りん(にぃ)(ぼう)」」」」」返事をしたい。手を握りたい。抱きしめたい。抱きしめられたい。僕は・・・僕は・・・。
「おきて・・。ねぇ起きてよ」
だれ僕に話しかけるのは?”頭のなかに響く聲”に施されて、目を開けた。白い天井が見えるだけだった。不思議な天井だ、電燈があるわけでも明でもないのにっているのが認識できる。
ここはどこ?僕は、バスに乗っていて、そうだ!何かがぶつかってきた…。手を見たが、怪我らしきはしていない。も普通にきそうだった。を起こして周りを見てみた。周りの様子が段々見えてきた。數名ずつ四角く區切られた場所に居る。周りに居る同級生も同じような狀態になっているが、誰も起きていない。
さっきの聲は誰なのだろう?”ゆう”のようなじだったが違う。ゆうは、死んでいる。誰なのかわからないが、聲を聞いた事はある。
何分経ったのだろうか?そもそも、ここが”どこ”なのか報が全くない。白い広い部屋だって事はわかるがそれ以外には何も報がない。
「僕は死んでしまったの?」誰に問いかけるのでもなく言葉が出てきた「はぁぁ」ため息しか出てこない。そして、それが虛しく反響してくる。自分の息遣いさえも聞こえてくる
『違うよ。まだ死んでいないよ。』唐突にそれは頭の中で響いた。「え”?誰?だれかいるの?」『まずは、君が名乗って、僕は君をなんて呼べばいいの?』「え”。僕は、凜。神埼凜。君は?」凜は不思議な覚になっていた、自分が”聲を出していない”ことに気がついた『凜って呼べばいいかな?凜は自分の狀態が死んでいると思っているようだけど、違うから安心して、し説明が必要だから、みんなが起きてからするからね。僕のことは、”アドラ”と呼んで、本當はもうし長いけど、アドラと呼ばれる方が好きだからね。』どこまでも軽い聲で深刻さがじられない。アドラは言葉を続けた『凜。君が一番僕との親和が高いみたいだね。だから、僕は君とし話をしてみたかったのだよ。友達はしばらく起きないよ。あぁ心配しないで、あと15分もすれば目をさますよ。それまで、僕と話をしてくれると嬉しいな。』「それよりも、どうやって話しているの?さっきから、頭のなかに直接話してくるようなじだし、姿も見えないなんて」『大丈夫だよ。それよりも、凜は、地球の時代ではどの時代が好きなの?』「なんか、よくわからないけど、本當に大丈夫なんだよね?」『ん。大丈夫、大丈夫。みんな"まだ"死んではいないからね。ねぇねぇ話をしていいよね。』「・・・・」『ねぇねぇ。そんなことよりも、凜はどの時代が好きなの?』「そんなことよりもって、結構大事な事だと思うけどな・・・・(時代って時代って言われても・・・)なくても、今は好きじゃないな。中世ヨーロッパとか神話の時代とか、殷周革命の時代とか好きで、そんな時代の本を読んでいるけど・・・・」『そうか、12世紀前後のヨーロッパってじがいいかもしれな。うんうん。凜がわかるのは日本語だけ?』「そうだよ。英語なんて話せないし、中國語も解らないよ。日本語だって怪しいくらいだよ」『うんうん。そうか、分かったよ。凜は、戻れるのなら何歳くらいに戻りたい?』凜はその質問を聞いて、頭の中で反芻する。何歳くらい。そんなことは言われるまでもない。13歳の夏まで戻りたい。【プールで死んでしまった弟】と【事故で死んでしまった両親】がいた頃に戻ってやり直したい。”何が”出來るとは思わない。でも、弟が事故で死んでしまったプールに一緒に行くことも、プールに行かせない事も出來る。弟の死で心を壊してしまった母親。何を調べていた父親。そんな両親を見ているしかなかった自分。全部をやり直したい。「・・・」『楽しかったこととかないの?』「あるに決まっている。やり直したい事もたくさんある。でもできないから、今の僕がいるのだろう?」『そうか、”何か”有ったんだね。時間を戻すことはできないけど、君の事はあとでゆっくり覗かせてもらうとして、わかったよ。ありがとう。』『さて、そろそろ、君の友だちも起きてくるだろう。もう一度寢てからみんなと一緒に起きてきてね。起きたら、今の話は忘れていると思うよ。質問に答えてくれてありがとう。參考にさせてもらうよ』そういうとアドラは、柏手を一つ打った。パーン。そんな音が白い部屋に響いた。音を聞いた凜の意識は混沌とした闇に吸い込まれた。
「凜君。凜君。起きて、ねぇ起きて」瞳の聲が聴こえる。が重い。自分の部屋でないことはすぐに解った。「ひとみ?ここはどこ?僕バスに乗っていたよね?」「うん。私も今起きて、隣に寢ていた凜君を起こして聞こうと思っていたの?」床を見た。床にはマス目上に線が引かれていて、その中に2~3人位の生徒が居るようだ。「おい誰か、どうなっているのか説明しろ。おい、うすのろ。お前が何かしたのだろう?」立花たちが寄ってこようとしたが。一・二歩進んだ所から立花は近づいてこない。近づけないようだ、自分の居るマス目の外には出られないようになっているようだ。
『おはよう。みんな起きたみたいだね。良かった。良かった。起きなかったら話ができなかったからね』急に頭の方向から、子供の聲がしてきた、皆が一斉にその方向を見た。そこには、子供の姿をした何かが”宙に浮いた”狀態でにこやかに笑っていた。「誰だ、お前は?降りてこい」立花が子供の足をつかもうと手をばした。足に手がかかると思った瞬間に、子供が消えて、立花の後ろに移した。『暴だな。僕に、そんな事やらなくても、今から説明するよ』「あ”お前はなんだ?」『そうだね。時間ももったいないから話をすすめるね。僕は”アドラ”という名前だよ。君たちの名前は”把握”しているから自己紹介の必要はないよ。』アドラと名乗った子供は、自分は神の一柱で、今から僕達を審判するとの事。そもそも、こうなったのは、隕石が先行していたバスに直撃した事で、後続のバスを巻き込んでの事故になった。との事だ。同級生たちが口々に、「え”死んだの?」「意味不明。俺?死んだの?」僕は、なぜか自分たちがまだ死んでいない事がわかっていた。慌てる事もなく、神だと名乗った子供を見つめていた。
アドラは、ニコっと笑って『大丈夫だよ。君たちはまだ死んでいないよ。し事があって、ここに集まってもらったのだよ。』「あ”それなら早く帰せよ。何かするつもりなら、おまえを殺すぞ!俺を殺すつもりなのか?」立花が大聲で罵倒し始めた。それを皮切りに、口々に「帰せ」と言い出す。アドラは言葉を続ける『あー本當に煩いな。事があると言ったでしょ。今すぐに、帰してあげてもいいけど、困るのは君たちだよ。』「あぁどういうことだよ。困る?俺は何も困っていないぞ」『君。さっきからうるさいね。全部説明を終わってから、質問してよ。話が進まないでしょ。』そう言って、アドラは手を上げて、ゆっくり下ろしたその作だけで、立ち上がっていた立花は四つん這いになり。四つん這いで居る事もできなくなったのか、床にうつ伏せの狀態になってしまった。皆、その狀況を見て、今までの喧騒がウソのように靜まり返った。
『靜かになったことだし、説明を続けるよ』『君たちの乗っていたバスという乗りは、隕石にぶつかった事は説明したよね。問題は、そこではなく、今日この事故が起こることは予定されていた。だけどね。本當なら、”前のバスのタイヤ”にあたって、3名だけ車の外に投げ出されて、死ぬ予定だったのだけどね』語を読むように、アドラと名乗った子供は話を続けた『いたずら好きの神に干渉されて、2臺を巻き込む事故になってしまったのだよ。書き換えられた歴史には、誰が死ぬのか明記されていない狀況になってね。誰が死ぬのかわからない狀態になんだよ。ゴメンね。』『そこで、君たちに誰が死ぬのかを決めてほしいと思って、この場を作ったのだよ。今ここには91人の人間が居るのだけど、ね。今キミたちは地球では、病院という場所に運ばれていて、全員に処置を行われている。比較的軽癥で問題なく蘇生できる70名はすぐにでも返してあげるよ。そうそう、ここでの記憶も綺麗に消すから安心して、ね。』
そう言って、アドラは柏手を打った。し甲高い音が鳴り響いた。凜の周りからも數名が姿を消した。その瞬間にを拘束していた重圧から開放されて、を楽にかせるようになった。の周りの見えない壁も消えているようだった。
【書籍化】妹がいじめられて自殺したので復讐にそのクラス全員でデスゲームをして分からせてやることにした
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【一二三書房WEB小説大賞金賞受賞】《新・旋風のルスト:公開中です!》 <あらすじ>────────────────── 『私は家畜にはならない。たとえ飢えて痩せ衰えても、自らの意思で荒野を歩む狼の生き方を摑み取る!』 ■17歳の銀髪・碧眼の美少女ルストは重い病の母の治療費のために傭兵として懸命に働いていた。屈強な男たちと肩を並べて戦うが、女性としても小柄であり、実績も無く、名前も売れていないルストは傭兵として仕事を得るのも困難を極めていた。 だが、諦めない前向きな心を持つルストは、ついに未來へとつながる大きなチャンスを摑む。 『小隊長を任されたエルスト・ターナーです。よろしくお願い致します!』 ■そんなルストは、女の子故に腕っぷしや武力では屈強な男たちには敵わない。だが優れた洞察力と包容力と指導力、そして精霊科學『精術』を武器に困難な事態を次々に打ち破り、人々のために確かな明日へと繋がる未來を切り開いていく。 『みなさん! これは困難ではありません! 千載一遇のチャンスです!』 ■気高さに溢れた美少女傭兵が、精霊科學の殘る悠久の大地フェンデリオル國で砂漠の大帝國と戦い、人々を幸せへと導く! 孤獨な道を歩んでいた一人の少女が、傭兵となり救國の英雄となり、幸せの絆を取り戻すロマン溢れるサクセスストーリー! <⇩お知らせ>────────────────── 【一二三書房WEB小説大賞金賞受賞いたしました、ありがとうございます! これに伴い書籍化されます!】 【新・旋風のルスト ―英傑令嬢の特級傭兵ライフと精鋭傭兵たちの國際諜報戦記―】 2月26日開始しました! ──────────────── ただいま、ノベプラ・カクヨム・ノベリズムでも掲載中です
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