《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》魔を統べる者
「カエサル殿!!リン様は?」「まだこちらに來られていない。」「そうか、例の件はうまくいきそうなのか?」「マヤ様が、サラナ殿とウーレン殿に話をしてくれている。昨日の段階で、今日の夕方に、視察に來られるという事だ。」「そうか・・・。トリスタン様は?」「何も伝えていない。」「大丈夫なのか?」「解らないが、トリスタン様に伝わると計畫が呈してしまう可能が高い。」「確か・・・。このまま行くしかないか?」「あぁ頼む。」
▲▽▲▽▲▽▲▽
昨日の開國宣言から、各國からの反応がきはじめているらしい。報の伝達に問題がある世界だけど、神殿の力でかなりそれらの事は解決し始めている。それらの処理をするために、執務室には顔をだす事にしている。
執務室にると、イリメリが書類の整理をしていた。
「イリメリだけ?」「私だけじゃ不満なの?」「そんな事はないけど、珍しいなっと思ってね」「ミルは、さっきサラナが來て連れて行ったよ。エミールも一緒に連れて行かれた。」「そう?」「それで、リンは今日は?」
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今日の予定がないから、各國から來ている依頼やらの処理をしておこうかと思っていることを伝えた。ドアがノックされて、アデレードとルナとマルティンがってきた。
「イリメリ。フェムが探しておったぞ。」「へ?」「なんか、シュトライトがギルド支部設置で相談があると言っていたぞ」「あっそうだ、フェムが學校に行くから、シュトライトの対応をお願いされていたんだった。アデレードあとお願い。」「あぁわかった。早く行ってくれ。焦っていたぞ」
れ替わりで、イリメリが部屋から出ていった。
「リン。兄様やミヤナック家やウォード家から、國家設立の祝が屆いておる。どうする?」「どうするって?」「返禮じゃよ?するんだろう?」「もちろん。ただ、どんなものがいいのかわからないから、アデレードに任せていい?」「あぁわかった。」「倍までは行かないまでも見劣りしないようなものにしておいてね。あと、これからも祝いの品が來たら同じように返しておいてね」「わかった。それで、貰った者はどうする?」「どうしたらいい?」「目録は、あとで屆けるが、本は、裏ギルドの倉庫にそれとわかるようにれておくのがいいと思うぞ」「ん。それでお願い。」「ルナとマルティンも同じ用事なの?」「別々じゃ。妾は祝いの品の件だけじゃったが、偶然一緒になったからな。」「そうだったんだね」
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マルティンが何か言いにくそうにしているのがわかったし、ルナが先に話を切り出してくれるようだ
「ハー兄様が、次の宰相になるんだけど、リンにお願いがあるって事なんだけど・・・。」「僕に、守備隊を見ろって言ってきているけど、斷ったよ。そんな事は、新婚のファンにさせればいいってね。」「うん。それとは別件みたい。詳細は、この書簡を見てほしいって言っていた」
ルナが書簡を取り出してきた。トリーア王家の正式な書簡の形式になっている。封蝋もしっかりしている。ミヤナック家の家紋もっている。問題がないのが問題だ。それに、言付けじゃなくて書簡にしたあたり斷る事は難しそうだ
文章を読んでみた嫌味なくらい完璧な文章だ。
「リン。ハー兄様はなんだって?」「ローザスもウォード家も言わないだろうからって事だけど、アデレード・ルナ・マルティンの婚姻のときの手続きがあるから、しっかりやるようにって事だよ」「手続き?」「あぁぁぁそうじゃな。忘れておった。リンがトリーア家の貴族だと思っていたから考えていなかった。」「そうだね。いろいろ面倒な事になりそうだね」「どういう事?」
僕が侯爵のままなら良かったんだけど、侯爵で他國の王って事で、侯爵が実質的には名前貸しの狀態になっている事もあって、他國の王様に嫁ぐ事になる。ルナとマルティンの場合には、一度実家に帰ってしばらく過ごして、リンが盛大に迎えに行けばいいのだけど、アデレードがし事が違ってくる。継承権を剝奪された上に降嫁するからの手続きだったが、それができなくなってしまった。一度、アデレードをトリーア王家に戻して、再度テルメン王家に嫁ぐ事にしないと辻褄が合わなくなってしまう。婚約狀態のままでも同じ人だから問題はないが、前例的には一度婚約を破棄してから婚姻を結ぶほうがいいだろうという事だ。その時にも、リンが盛大に迎えに行く。3名を同時に迎えに行くのではなく別々に盛大にするのは、それで領にレインを落とすと云った意味がある。知らなかったが、知らなかったで済まされる事ではなかった。
「ルナ。ハーレイにお禮言っておいて!」「了解。」「お禮の書簡は出しておくよ」「うん。わかった」
アデレードとルナが室、右室から出ていった。殘されたマルティンが言いにくそうにしている「マルティン気にしなくていいよ、どうしたの?」
もじもじしてかわいい。何この生きってじで見ていたが、そうも言っていられない。
「あのですね」「うん。母様からなんですけど・・・。」「うんうん。」「あぁそうだ!これ読んで下さい」
思い出したように、懐から紙を取り出したあんちょこにでもなっているのか、箇條書きにかかれていた。そこには・・・。
1. マルティンの弟が、ウォード家の跡継ぎになるが、マルティンとリン=フリークスを後見人にしたい。2. リン=フリークスに娘ができたときに、ウォード家に輿れしてほしい。ただし、年齢的に難しいときには、養子縁組でもいい。3. マルティンとの子供を早く作ってしい。
そんな事が書かれていた。そして、マルティンが行っている、ウォード家への仕送りはもう必要ないからやめなさいという事だ。
「ありがとう。大丈夫だよ。後見人は引きけよう。それと、娘の話もできた時になるけど考えるよ。それと、マルティンとの子供は僕もほしいからね。大丈夫だよ。」「うん。ありがとう。リン兄様。あと、あと・・・あのですね。」「わかっているよ。僕から後見人としてもらうレインをウォード家にるようにして、マルティンの分と合わせても十分な分を送ろうね」「いいの?」「いいよ。そうしたいんだろう?」「うん。母様は大丈夫って言っているけど、そんな事ないのはわかるの。」「そうだね。早く復興できるようにしないとならないからね。僕ももちろん協力するよ」「うん!」
やっぱり、マルティンは笑っている方がいい。紙をけ取って、マルティンが執務室を出ていった。
アデレードが戻ってきた。
「リン。いいのか?」「ウォード家の件?」「あぁ」「そうだね・・・。ウォード家だけを優遇しているように見えないようにしないとはならないだろうけど、大丈夫でしょ?」「あぁ跡継ぎの後見人を任せる代わりに融資を引き出したと見る貴族は居るだろうが、真似できるようなものではないからな」「そうなの?」「あぁ後見人は、教育係にもなるからな。家を好きなようにする事ができてしまうからな。そんな事貴族ができるわけ無いからな」「あぁそうか・・・それなら、次々に僕を後見人になんて事にはならないんだね。」「大丈夫だぞ」「それなら、なんの問題もないよ」
ウォード家以外でも支援をむのなら支援する。的に言ってくれるのならやりやすいのだが、プライドの様な者が邪魔するのか遠回しないい方になってしまって全的にわからなくなってしまっている。それを、アデレードやルナやイリメリが読み解いて支援を出してくれている。ここにある書類の殆どがそういっただ。
「あぁそうだ。リン。さっき、マヤがもしリンが暇そうにしていたら、地下一階の裏ギルドに來てって言っていたぞ。」「へ?なんだろう?珍しい。」「急な事じゃなかったみたいだけどな。気になるようなら顔出してくればよかろう。」「そうだね。一區切り付いたら顔出してみるよ。」「あぁそうしてくれ。それじゃ妾は行くな。トリーアからの使者が引っ切り無しじゃからな。すぐに行き來出來るのも考えものじゃな。」「そうだね。まぁ使い方しだいだろう。今はまだ珍しいから使いたがっているけど、そのうち落ち著くよ。」「そうじゃな。」「うんうん」「リン。無理するなよ。」「うん。ありがとう。」
アデレードも執務室が出ていって、僕だけになった部屋で、報を反芻する。悪い報はない。悪くなりような報もなかった。いい方向に進んでいる。パーティアックの監視を強めていけば、事をだいぶ楽に出來るようになりそうだ。向こうも偵察を送り込んでくるだろう。アドラの話しっぷりや”神託”の使い方では、僕達が転生者だって思っても、なかなかけないだろう。自分たちで確認した過去がある。他の”リン=フリークス”だと思うかもしれないし、神託を疑ってかかるかもしれない。戦爭や紛爭はしないが、奴らの仲間を捕らえる事はいいだろう。殺さなければいいだけだろうからな。できれば、僕の領地やトリーア王家にった所を捕まえたいな。何か方法を考えておく必要はありそうだな。
重要となっていた書類も全部処理済みにできたので、呼ばれている地下一階の裏ギルドに行く事にする。裏ギルドに行くのなら、隣の部屋で寢ているであろう。トリスタンも連れて行こう。久しぶりに組手をしてもいいだろう。
裏ギルドにると、途中でマヤに念話で連絡した。今から裏ギルドに行くけど、いい?て。了解の意思が帰ってきた。転移で飛ぶのも良かったが、せっかくだから歩いて移した。「あるじさま。転移しないのですか?」「トリスタンは転移の方がいい?」「う~ん。あるじさまといっしょだからどっちでもいい。」「そうか、それなら今日は歩いていこう。」「うん。」
すれ違う中や文達が僕とトリスタンに気がつくと手を止めて、一禮してくる。最初の頃は辭めさせてたが一向に辭める気配もなかったし、どんどん禮の角度が深くなってくるので、もう任せる事にしている。シュトライトには、別に無禮とか思わないから気にしなくていいとだけは伝えてある。
地下一階にって、ギルドがっている建に向かった。表からると、サラナとウーレンが立っていた。
「マヤ。リン君が來たよ。」
「リン。遅かったね。転移で來ると思っていたんだけど・・・。」「いや、急ぎじゃないって言っていたし、トリスタンと散歩しながら來たんだよ」「そう・・・こっちに來て・・・。」「なに?」
"僕が知らないドア”が作られていた。
ドアを開けて仲にると、そこには転移の魔法陣が作られていた。そして、マヤがいきなり、僕の腕を取って、魔法陣の真ん中に連れて行った
「なっマヤ。」
転移された場所は、僕は見覚えがなかった。「マヤここは?」「ん。いいから、こっちこっち」
僕の腕を引っ張るようにどんどん進んでいく。何かの建のようだが、こんな壁は僕は作った記憶はないし、知らない様式だ。
ドアがあってそれを開けて出ると、そこは小高い丘の上だ。四方を山脈に囲まれるような狀態になっているようだ。その中央に大きな城が立っている。どうもそこを目指しているようだ。
「マヤ。わかったから、引っ張らないでよ。あの城は?」「”魔を統べる者の居城”だよ。やっと見つけたんだよ。」「見つけた?」「そ、僕が探していたのは、あの城なんだよ。」「そもそも、ここどこ?」「う~ん。イリメリが言うには、マノーラ神殿の真裏とか言っていた。」
どうりで暗いわけだ。ん?そういう事は、球なんだな。
「そもそも、あの城はどうしたの?」「ん?だから、”魔を統べる者の居城”だよ。」「だから、誰が居るの?しっかり挨拶しないとダメなんでしょ?ニンフなの?それとも、もっと違う者?魔王とか?」「え?リン?本気で言っているの?」「本気も本気だよ」
マヤが立ち止まって僕の顔をまじまじとみてから、深く息を吐いた。
「トリスタン。リンはどういう人?」「ん?あるじさま?僕のあるじでだんなさんで大切な人で、魔の王様!!」「あぁぁぁぁぁ僕の事?」
マヤが肯定する。
「リン。表のリン=フリークスの居城は、マノーラ神殿の屋敷でいいけど、魔達の象徴であるリンも存在するんだからね。」「・・・・ゴメン。」「いいよ。私達ニンフやトリスタンは、リンの裏側を支える。その時に、居城がないと問題でしょ?」「そう・・・なの?」「そうなの!!」「わかった、ゆっくり教えてくれるんでしょ。」「もちろん。」「それならいい。」「あそこで、みんな待っているんだろう?地下一階が靜かだったからおかしいなとは思っていたんだよ。」「うん」
マヤに連れられて、城にる。僕がった事で息が吹き込まれたかのように、き出す。り口から徐々に、が差し込むように、そして、と一緒に眷屬たちの歓聲が響き始める。
そのまままっすぐに玉座にまでびている。その片側には、カエサル/ヒューマ/バイエルン/ファントム/レオパルト/レイア/レウス/ワク/ラジャ/ボレアス/アグラオ/カウラ/リアン/シャラト、そして反対側にロルフを先頭に各神殿のニンフ達が並んでいる。マヤが僕を玉座の方にエスコートして、徐々に大きくなる歓聲。僕が玉座の前に著いた時には、もう聲だけで建が揺れているような錯覚にもなっていた。
そして、僕はマヤに施されるまま、玉座においてあった王冠を頭にのせ杖を構えた。その瞬間に、眷屬の聲が一斉に止まった。
『我らが偉大なる主に忠誠を、このが朽ち果てようとも、我らは"リン=フリークス”様と”魔を統べる者”と共に!』
眷屬が”共に”と一斉唱和して、跪いた。トリスタンもびっくりした雰囲気から、僕とトリスタンだけは聞かされていなかったようだ。
「リン。これで、魔の主人となったんだよ。」「え?」「魔?眷屬だけじゃなくて?」「うん。知恵ある魔はヒト族から離れて集落や國の様なを作っているんだよ。そこからも、隨時魔が謁見に來るようになるよ」「えぇぇぇ」「大丈夫。こっちは、私とニンフで挨拶をけて、リンに出てしい時だけ依頼するよ」「うん。それなら、テルメン王家の仕事もあるからね。誰かに両方の調整してもらわないとダメかな。」「うんうん。こっちはそんなにないと思うけど、何か考えておいてくれると嬉しいよ。」「了解。」
何のことはない。”魔を統べる者”は自分自だった。大事になったなとは思うけど嫌な気分ではない。まぁなんとかなるだろうし、なるようにしかならんだろうな
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