《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》もう一つの語.06

イスラ大森林は、スネーク山の麓に広がる魔境だ。木々も深く練の探索者しかる事が出來ない。森の表層部分でも、新米には相手が難しい魔が徘徊する事も珍しくない。マガラ渓谷に流れ込む大河がイスラ大森林の中を流れている事が解っているが、この大河にもレイクサーペントが住み著いているなど大河を利用しても移も困難になっている。しかし、イスラ大森林は隣接する街に恵みをもたらしている事も事実だ。森林から取れる素材は、高値で取引され。狩られる魔は、素材としても食料としても優秀なだ。

そんなイスラ大森林だが、表層部分のみしか認知されていない。すこし奧にれば多腕に覚えがある程度の人間では太刀打ちできない。それこそ、近衛兵がなんとか対抗出來る程度の魔がわんさかと居る。深層に近づけば近づくほど、魔は強くなっていく。深い位置に居るゴブリンは、通常のゴブリンの上位種になっている為に、數人で倒すは勿論逃亡する事も難しい。

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今、リンとニノサはそんなイスラ大森林の中を歩いている。

「父さん。まだ先なの?」「あぁもうすぐ誰かが來るはずだ。」「誰か?」「あぁ」

それ以來ニノサは黙ってしまった。リンも疲れている事もあるが、モクモクと黙って歩いている。何度か、魔に出くわすが、ニノサが片付けている。弱そうな魔の場合には、リンにもやらせる事があったが、森林の表層部分を越えてからは、それも殆どなくなっている。ただ、リンはニノサが戦う所を始めてみて、いろいろ學習をしている。かし方、剣の使い方、全てを吸収するかのように観察している。

”スキル:短剣武技を習得しました"(え?なんで?)

慌てて、自分のスキルを確認して見ると、たしかに、スキル欄に”短剣武技”が表示されている。観察していただけで、たしかに、ニノサは何度か短剣武技を使って見せていた。しかし、それだけで習得出來るようなでは無いはずだ。でも、リンは確かに、スキルが増えているのを認識した。

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(バレないうちに、隠蔽しておこう。なんかまずいじがする)

「どうした?」「ううん。何でもない。そうだ、父さん、スキルとかってどうしたら増えるの?」「あぁ先天的な以外では、長年使っていたりすると稀に顕現するらしいぞ」「へぇ見ているだけで観察していて、顕現する事は無いんだよね?」「そうだな。俺は経験は無いけど、サビニが魔法では時々あるって言っていたぞ」「そうなんだね。」「あぁだから、おまえも出來そうな事なら続けるんだぞ」「うん。解った」

(やばいな。完全にチート能力だ。見ているだけでスキルを覚えてしまった。)

ニノサは、”短剣武技”しか使わなかったので、リンはドラウ村までに、”短剣武技”を覚えただけだった。そのかわり、日常魔法や夜営の知識や食べられる草や魔や解の方法を學ぶことが出來た。魔核も幾つか手にれてしまってある。街に戻ってからレインと換する事になる。

「リン。すこし離れろ」「・・・うん。」

リンが離れた場所にニノサが飛び移ってきた。ニノサが居た場所に、剣が數本刺さっている。

(え?)

自分が居た場所に向かって剣を振るがそこには誰もいないように見えた。確かに誰も居なかった、だが、何かがニノサの剣にあたって、地面に落ちた気配がした。よく見ると、礫が投げられていた。ニノサは咄嗟に剣をわして、投げられた礫を剣で叩き落としたのだ。

それから、「リン。くなよ。リンには手をだすなよ!!!」それだけ言い殘すと、森の中に駆け出した。最初は、正面で剣と剣がぶつかり合うとがした。その後で、今度はリンの後ろ側で同じように音がした。何回か剣が合わさる音がした。しばらくし、靜寂が場を支配した。いつの間にか、リンの目の前に剣を下段にかまえて、前かがみになっているニノサが居た。

「いいかげんにしろよ。」「そういうおまえこそ!」「ヒューマ!ドラウ殿に面會したい。以前の約定どおり、借りを返して貰いたい。」「・・・ニノサ。解った。そっちの子供が、おまえの息子か?」「あぁリンと言う。ドラウ殿にお願いがあるのは、リンの事だ。」「解った、二人を案しよう。」

(なんか、丸く収まったから良かったけど、二人のきが一切見えなかった。これが実力者同士の戦いなのか・・・。)

「リン。いくぞ」「あっうん。ヒューマ殿?よろしくお願いします。」「ニノサ。おまえに似ずに良かったな。禮儀正しい子みたいだな。サビニの教育が良かったのか?」「バカいえ、こんなに俺に似ているのに、俺の教育の賜だろう?そうだろ、リン!」「えぇそうです。ニノサを”反面教師”にして育ちました。こんな馬鹿と同列にしないで頂いてありがとうございます。」「ほら見ろ・・・ん?反面教師?馬鹿?リン。おまえ、いつから・・・。」「産まれたときからですが何か?」

「お前たち面白いな。リンって言ったか?俺の事は、ヒューマでいい。」「解った、ヒューマ。僕はリン=フリークス。殘念な事に、そこに居るニノサの息子です。どちらかと言うと、サビニの息子だって覚えてくれたほうがうれしいです。」「わかった。俺は、ドラゴニュートのヒューマだ。ドラウ村でまとめ役をやっている。今日は、嫌な人間の匂いがしたから出てきたら、やっぱり、馬鹿が一匹紛れ込んできた様だ。」「そうだったんですね。お騒がせして申し訳ありません。」「まぁいい。そこでいじけている馬鹿を置いていくか?」「そうしたいのは山々ですが、ニノサしかドラウ殿と渉出來ないようですので、殘念ながら連れていきたいと思います。」「そうか、しょうがないな。おい馬鹿ニノサ。サビニの息子がおまえと一緒に行きたいって言っているぞどうするんだ?いつまでそこでいじけているんだ?」

立ち直ったニノサとヒューマが先頭になって進んでいく。リンには何が目印になっているのか解らないが、前の二人はなんか話をしながら進んでいく。

そして、すこし空けた場所で「リン。ニノサ。すこしここで待て」「あぁ早くしろよ。」「うん。」

ヒューマは二人から離れて森の中にっていった。

「父さん。何かあるの?」「あぁこの先は、結界が張ってあって、認められた以外が足を踏みれると、適當な場所に飛ばされるって罠が仕込まれているんだ。それも丁寧にパーティがバラバラになるようになっている」「・・・えげつないね。」「あぁ最初この罠に引っかかった時に、慌てたぞ。」「ん?前にも來たことがあるような事を言っていたけど・・・。」「あぁそれは今度だな。」「わかった。」「ほら帰ってきたぞ」

前方から、ヒューマとウルフ系と思われるが駆け寄ってきた

「またせたな。リン殿。ドラウがお會いになるそうです。ニノサもついでに來て良いという事だ。」「ヒューマ。どういう事だ?俺がリンを連れてきたんだぞ。」「解った、解った、それじゃご苦労様、もう帰っていいぞ、ドラウ殿は、リン殿がこの里にとって害になることはないとおっしゃっている。」「なっ・・・俺の時と偉い違いだな」「當然だな。」「父さん。ヒューマも。ドラウ殿をまたせちゃダメでしょ。早く行こう。」

「そうだな。やはり、リン殿はサビニの息子だな。」「・・・ねぇどうして、”殿”なんて付けるの?リンでいいよ。」「・・・それも、ドラウ殿から話がある。よそよそしいかもしれないが我慢してください。」「う~ん。わからないけど、解った。理由は後で教えてくれるんだよね?」「あぁそれは大丈夫だ。です。」「ヒューマ。なれない言葉使うから、おかしな文法になっているぞ。」「うるさいな馬鹿ニノサ。やっぱりおまえは個々で帰れ!」「やなこった。ドラウ殿に逢うまで帰らん。」「・・・」「はいはい。それじゃ行きましょう。」

リンは案されるがままに魔の村に足を踏みれた。そこは不思議な空間だった。一般的には、どこにでも魔素はあるものだと思っていたが、この村の中では魔素が一切無いのだ。それで魔が普通に生活している。種族だけでもなかりの數の種族が居る。それが普通に家を作って生活しているのだ。今までのリンの常識が崩れ落ちる覚になってしまう。一行は、村の大樹の前の1軒の家にった「長。連れてまいりました。」「ヒューマ。ありがとう。おまえは下がっておれ」「はっ。客人。どうぞ奧の間におり下さい。」

「リン殿。ニノサ。奧で長がお待ちです。どうぞお進み下さい。」「あぁ」「はい」

張した面持ちのリンと違い。ニノサは、いつもの変わらない足取りで奧に進んでいく。そして、すだれの様になっているをどかしながら、奧にった。

「久しぶりだな。ドラウ殿」「やかましいと思ったら、やっぱりニノサも來ていたか、リン殿だけで良いと言ったのに・・・」「そりゃぁ無いだろう。俺は、リンの保護者だ。」「解った。解った。それじゃまず、おまえの話を聞いてやる。ニノサ。どうした?」

「あぁドラウ殿に頼みがある。以前、俺が貸し付けたを全部個々で返してもらいたい。ダメか?」「そんな事もあったな。」「ボケる年齢でも無いだろう?それとも、エルフの癖にもうボケたのか?」「儂はダークエルフだ。それもまだ500歳になったばかりで十分若いは!」「そうだろ。それで貸しは返してくれるのか?」「勿論じゃ。あの時の約束通りな。その話なら、その前に、お主の息子殿を紹介してくれぬか?」「そうだな。約束の容にも関係するからな。これが、俺とサビニの息子でリン=フリークス。」「リン=フリークス・テルメンです。ドラウ様。よろしくお願いします。」「サビニに似ていい子じゃ。ニノサに似なくてよかったな。それに、儂の事をは、ドラウと呼び捨てにしてくれると嬉しい。あぁリン殿だけじゃぞ、ニノサは儂の事を様付けで呼べ。そしてできれば出て行け。」「・・・」「おいおい。そりゃぁ酷いんじゃないのか?」「父さん。本當に、何やったの?ここまで言われるような事をやったの?」「・・・」「・・・なんじゃおまえ話してなかったのか?」「あぁ」「??」「サビニとの事もあるから、俺が勝手に話せないからな。」「そうか、まぁいい。それよりも、リン殿。」「あっはい。」「ステータスを見させてもらっていいですか?」「はい。勿論です。」

ドラウは、リンの手を取り、ステータスを確認している。そして、一筋の涙を流した。

「ニノサ。おまえの頼みは、リン様を鍛える事か?」「あぁ俺がやるよりも、サビニがやるよりも、ここがいいだろうと思っている。あの時の借りを返してもらおう。頼む、ドラウ。リンを立派な”使い”にしてくれ。俺にも、サビニにもそれはできそうもない。剣や魔法なら教えられるが、それだけじゃダメだ。リンが最短で強くなるには、ドラウの所に居るのが一番だろう。違うか?」「・・・ニノサにしては思い切った事をする。そうじゃな。ここが、マガラ神殿に行ければ、それが一番じゃろうな。」「頼めるか?」「あぁ勿論じゃ。」「ありがたい。リン。いや、リン=フリークス。今日から、ドラウの基で修行しろ。それが、おまえがんでいる最短で力を得る方法だ。」「え?」「ニノサ。後は、儂からリン様に話をする。お前たちの事は、自分たちで話すだろうから、儂からは簡単にしか言わないがそれでいんだろ?」「あぁ悪いな。リン。いいな。ドラウ殿は、俺が師事した人で俺とサビニの師匠でもある。剣技も魔法も魔道の作り方も、ドラウ殿に教わった。一部だけだが、それでも、あれだけのちからが出せるようになる。おまえは、ここに殘って、自分が納得出來るまで、ドラウ殿の基で力をつければいい。それまで、俺が村を守っていてやる。」「・・・うん。ドラウ殿。お願いします。」「ドラウと呼び捨てにして下さい。」

「・・・ドラウ。頼むな。」「はい。かしこまりました。ニノサ。確かに、リン様をお預かりした。おまえは、さっさと帰れ。表層までヒューマ達に送らせる。急いで帰れよ。」「・・・あぁ解った。そうする。リン。それじゃがんばれよ。」「うん。解った。」

外で待っていた、ヒューマの所に、ニノサは戻って、何やら會話をしている。それから、慌ただしく、村を後にするのだった。會話の端々で、神託が降りて、ポルタ村がとか聞こえてくる。なにやら問題が出ていなければいいとは思うが、サビニも居るし、ニノサも急いで戻るという。リンは自分が慌ててもしょうがないと思い直して、ドラウの前に座り直して、正面を向いた。

「リン様。それでは、何から話しましょうか?」

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